それって成功?雑務が増えただけ?「無料商談会頼り」から抜け出す、海外輸出の成功基準と次の一手

それって成功?雑務が増えただけ?「無料商談会頼り」から抜け出す、海外輸出の成功基準と次の一手

日本の中小企業の中には、国や自治体など無料の支援機構を活用して海外向けの商談会に参加し、小ロットの単発輸出に成功し「うちは海外展開をやっている」と胸を張るケースが少なくありません。

リピート注文はないものの、複数国から問い合わせの数もそれなりにあるため「人も金も足りない」と感じつつも来るもの拒まず、とりあえず対応する現状維持を続けてしまうのです。
果たして、その状態は本当に成功と言えるのでしょうか。

このような単発の輸出に満足してしまうと、再現性や拡張性がなく、輸出事業の成長が足踏み状態になり最終的には輸出自体をやめてしまう危険性もあります。本記事では、海外事業の業務過多と、薄利状態に悩む経営者・海外担当者向けに、成功の本当の意味と次の一手となる視点を提示します。


足踏みする海外事業の現状―経営者と担当者の本音

「人・お金が足りない」と思いながら判断軸がなく動けない現状

海外の企業様の現状として多いのが、次のような状態です。

  • 「商談会や展示会をきっかけに問い合わせは増えたが、対応で手一杯になっている」
  • 「初回の成約はできたものの、その後のリピート注文につながっていない」

いわば“海外販売は実現したが、継続的な取引に至っていない”段階にとどまっているケースです。こうした企業様に共通しているのは、なぜリピートにつながらないのかを検証できていない点です。

  • 現地の消費者がなぜ買ったのか、あるいはなぜ継続して買われないのか
  • バイヤーがどのような売り方をしていて、どこでつまずいているのか

こうした声を体系的に吸い上げる仕組みがないため、改善の打ち手が見えないまま時間だけが経過してしまいます。こういった課題の存在が、担当者不足や資金不足といった“表面的な理由”になり、次の一手を先送りにさせています。


成功の定義と業務レベルをアップデート!?

単発輸出が成功ではない理由

今回のような状態を整理する際、「海外販売」と「海外進出」という言葉を分けて考えると分かりやすくなります。

  • 「海外販売」:展示会や商談会をきっかけに単発で商品が売れる状態
  • 「海外進出」:再現性・継続性・拡張性を持った取引が成立し、リピートが生まれ、さらに他国展開にも横展開できる状態

この「海外進出」こそが、長期的な海外輸出の成功と位置付けています。

成功の定義とそこまでの継続的な実践方法

多くの日本企業は「海外販売」で止まってしまい、「海外進出」まで至っていません。
理由は明確で、現地で売るための知見やマーケティングに、日本側が関与できていないからです。

実際、海外企業からは「日本から商品は仕入れたが、その後まったく連絡が来ない」という声をよく聞きます。海外のバイヤーは、商品を仕入れた後「どう売るか」を本気で考え、販促方法や売り場づくりを検討しています。本来、その商品に最も詳しいのは日本のメーカー側であるにもかかわらず、そこに協力がないと、現地では商品の価値が正しく伝わらず、結果として売れません。

売れなければ当然リピートは生まれません。つまり、リピートがない原因は「商品力」ではなく、「売るためのコミュニケーションと検証の欠如」にあります。

本来であれば、月1回でも定期的に海外企業と打ち合わせを行い、以下の情報を共有する必要があります。

  • 現地での販売状況
  • 消費者が購入した理由
  • 売れなかった理由

こうした取り組みがあって初めて、日本で効果があった訴求の試行や、販促物の共同制作といった具体的な改善が可能になり、継続的な取引が成立します。


次の一手を決めるための整理ポイント

真の成功に導くCOUXUの動き方

COUXUでは、この「売った後」の部分にこそ価値があると考えています。
COUXUが提供するアカデミーは、基礎的な知見の提供だけでなく、第三者として間に入ることで、日本のメーカーには言いにくい海外企業の「売れない理由」「本当の課題」を率直に引き出します。

ここで重要なのが、「セルイン」と「セルアウト」の考え方です。

  • セルイン:日本企業から海外企業へ卸した金額・数量
  • セルアウト:現地の小売店から消費者へ実際に売れた金額・数量

多くの企業はセルイン(卸した時点)で満足してしまいますが、本当に重要なのはセルアウトのデータです。理想はグローバル企業のように売り場の棚位置まで確認することですが、少なくとも「販売状況を把握し、課題を特定し、次の打ち手を一緒に考える」仕組みが必要です。

  • 実現性:「一度売れた状態」
  • 再現性:「同じ成果をもう一度出せる状態」
  • 継続性:「それを続けられる状態」

COUXUはこの「実現性」の先にあるフェーズを一緒に設計します。

二つのテストで検証してから投資を拡大する

検証の方法として、COUXUでは、中小企業が海外進出を実現し、1億円の売上を実現できる”M2-T2”(Market To Target & Testing)という方法を推奨します。市場選定後に「価値テスト(開拓テスト)」「拡大テスト(進出テスト)」を行います。

  • 価値テスト:その商品が現地で通用するか、いくらであれば買われるかといった需要の有無を商談を通じて検証。
  • 拡大テスト:価値が確認できた後に、広告や物流、代理店教育など、どのように事業を再現・継続・拡大させるかを検証。

最初の「価値・売買」に合格した段階で、初めて本格投資を行うため、わからない段階で大きなリスクを負う必要はありません。


事例で学ぶ:海外展開を「投資」と捉え直した企業の変化

ある健康食品メーカーは、国内売上に対し海外売上が25%程度に伸びた段階で海外展開を「成功」と考えていました。しかし「この割合は偶然か、それとも再現できるのか」を検証せずに次へ進むのは違う、と気づいたのです。

同社は目標を「国内と海外の売上比率を50%ずつにする」と設定し直し、以下の施策を回しました。

  1. 複数の国で小規模な商談を実施し、反応があった国に資源を集中。
  2. 価値テストに合格した市場には、広告や物流改善など拡大テストに投資。
  3. リピート率をKPIに据えて施策を運用。

結果、特定の国での販売が安定的に継続し、他の国にも横展開できる手応えを得られました。海外事業は「博打」ではなく、検証に基づいた投資によって再現性をもって拡大するのです。


輸出形態の選択肢を整理する

海外事業を拡張する際の形態には、それぞれメリット・デメリットがあります。

形態 メリット デメリット・課題
現地代理店活用 低コスト、迅速な市場参入、既存販路の活用。 マージンの支払い、社内にノウハウが蓄積しにくい。
越境EC 物理拠点不要、小規模でも参入しやすい。 輸送費・関税による割高感、激しい価格競争。
現地法人設立 高い現地信頼度、柔軟な事業展開。 多大な初期費用・運営費、人材採用のリスク。

自社の目的や規模、業種に応じて、メリット・デメリットを比較し、目的を明確にしたうえで判断することが重要です。


おわりに:自社の現状を整理し、次の一歩へ

海外展開で最も危険なのは、単発の成功に満足し、現状に甘んじてしまうことです。日本の中小企業にとって海外進出は重要な成長手段ですが、判断軸を持たないまま人と金を投入しても成果は生まれません。

まずは自社の海外事業を、実現性・再現性・継続性・拡張性の四つの視点から整理しましょう。そして、M2T2の考え方を取り入れ、複数市場での検証と投資判断を繰り返してみてください。

現状整理ができれば、「支援機構で商談会に参加しているから大丈夫」といった思い込みから抜け出し、次の成果につながる「次の一手」が見えてきます。

他の事例など詳しく聞きたい場合はご相談ください。

オンラインでの「海外市場に向けた展開のご相談」

【オンライン相談はこちら】

セカイコネクトアカデミーオンライン

記事を”読む”