海外輸出入で必要な5種類のインボイスの違いを徹底解説

海外輸出入で必要な5種類のインボイスの違いを徹底解説

この記事は2025年4月30日に更新されました。

海外とのビジネスをスタートするとき、多くの企業担当者が最初に直面するのが「インボイス」の作成です。貿易取引において、インボイスは単なる請求書にとどまらず、輸出入手続きや通関にも関わる重要な書類です。しかし、「インボイスの種類が多すぎて、いつどれを準備すればよいかわからない」と悩まれる方も少なくありません。

本記事では、海外輸出入で使用するインボイスの種類とそれぞれの役割、貿易実務のポイントについて解説します。

貿易取引で必要な5種類のインボイス

インボイスは用途や目的に応じて主に以下の5種類に分類されます。日本における見積書・請求書・納品書に似た役割を持ちます。

・プロフォーマ・インボイス(Proforma Invoice)
・コマーシャル・インボイス(Commercial Invoice)
・シッピング・インボイス(Shipping Invoice)
・カスタムズ・インボイス(Customs Invoice)
・コンシュラー・インボイス(Consular Invoice)

これらのインボイスは必要となるタイミングが下記の図のように分かれています。

インボイスPNGしん

ご覧の通り、日本のビジネスにおける見積り書、請求書、納品書と同じような役割があります。
それでは、5種類のインボイスを詳しく見ていきましょう。

プロフォーマ・インボイス(Proforma Invoice)

  • 役割:正式契約前に買主に提示する見積書の役割。
  • 目的:輸入許可申請や取引条件の提示。
  • 特徴:公的証明力はないが、商談初期の必須書類で早期準備が推奨。

コマーシャル・インボイス(Commercial Invoice)

  • 役割:請求書および商品の明細書。
  • 目的:通関申告や売主への支払いのため。
  • 特徴:全取引に必須で、カスタムズ・インボイスと兼用可能。商品のHSコード記載も重要。

シッピング・インボイス(Shipping Invoice)

  • 役割:納品書のような出荷案内書類。
  • 特徴:書類としての効力が弱いため、決済用には非推奨。

カスタムズ・インボイス(Customs Invoice)

  • 役割:輸入国税関での関税計算や統計資料作成のために使用。
  • 目的:特定国向け輸出時に必須であり、通関業務に関与。
  • 特徴:コマーシャル・インボイスとの兼用が多く、通関規則の情報収集が重要。

コンシュラー・インボイス(Consular Invoice)

  • 役割:輸出国所在の輸入国領事が認証する特殊なインボイス。
  • 特徴:特定地域で要求され、脱税防止や貿易統計に使用。

インボイスに関連する貿易実務の重要ポイント

インボイスを準備するだけでなく、実際の貿易業務では以下の要素にも注意が必要です。

  • インコタームズ(貿易条件):商品引き渡し場所や費用負担区分を明確化(例:EXW、FOBなど)。頻出する条件の理解が重要。
  • リスク管理:輸送中の損傷や紛争解決方法、知的財産の取り扱いを明確に定義する。
  • 情報収集の徹底:通関ルールや物流規則、HSコード情報などを関連機関に問い合わせ正確に収集・整理。
  • 幅広い学習分野:語学力、ITツールの活用、貿易実務知識などの総合的なスキル習得が必須。

海外営業成功に必須な資料と準備物

インボイスに加えて、以下のような準備物や資料も海外営業では非常に重要です。

  • 高品質な営業資料:商品情報だけでなく、企業のビジョンや提案力をアピールする。
  • ブランドブック:商品ストーリーや企業のフィロソフィーを明確に伝え、海外市場での差別化を図る。

これらを整備することで、インボイスを含めた総合的な商談資料の質が向上し、成功確率が高まります。

まとめ:インボイスを正しく理解し、海外ビジネスを円滑に

インボイスは貿易業務において欠かせない書類です。特にプロフォーマ・インボイスやコマーシャル・インボイスなど主要なインボイスの役割と使用タイミングを理解することが、海外ビジネス成功への第一歩となります。

さらに、インボイス作成だけでなく、インコタームズやリスク管理、情報収集といった貿易実務全般への理解と準備を深めることが、海外企業との良好な関係構築や取引の継続的成功につながります。

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