FOB?EXW? 輸出時の価格設定と価格表作成【テンプレ付き】

海外企業との取引を始めるにあたって、「FOB」、「EXW」、「インボイス」、「L/C」など様々な貿易用語が飛び交いますが、まず海外企業と話をするきっかけになるのが、「商品資料」、その次に「価格表」です。
今回は、輸出時の価格設定と価格表の作成方法について解説します。
また私たちが海外企業と取引をする時に使っている価格表もダウンロードできるようになっているので、実際にテンプレートを見ながら輸出時の価格表を作成してみましょう。
目次
- 1 輸出時の価格設定
- 1.1 FOB価格の算出方法
- 1.2 価格表作成と必須項目
- 1.2.1 ①企業情報(Excel左上)
- 1.2.2 ②Issued On:発行日
- 1.2.3 ③Alive Until:期限日
- 1.2.4 ④Brand Name:ブランド名
- 1.2.5 ⑤Image:商品画像
- 1.2.6 ⑥Product Name:商品名
- 1.2.7 ⑦Volume:内容量
- 1.2.8 ⑧JAN Code
- 1.2.9 ⑨FOB:1個あたりの船に荷物が積み込まれるまで運賃込価格
- 1.2.10 ⑩MOQ:最低出荷数量
- 1.2.11 ⑪Order Amount:オーダー数
- 1.2.12 ⑫Unit:単位
- 1.2.13 ⑬Total:合計金額
- 1.2.14 ⑭Width x Depth x Height:1箱あたりの幅×奥行き×高さ
- 1.2.15 ⑮Piece in Carton:1箱あたりの入り数
- 1.2.16 ⑯Gross Weight:1箱あたりの重量
- 2 価格表作成時の注意点
- 3 まとめ
輸出時の価格設定
海外向けに商品を輸出する際の価格設定で基準となるのが、FOB価格です。
簡単に説明すると船に荷物が積み込まれるまでの商品価格です。
FOBの他にCIFやC&Fなど全て合わせると11種類の取引条件もあります。
ただ基本的にはFOB価格がベースになるので、今回はFOB価格を算出しましょう。
価格を算出する際に米ドルや現地通貨だと外国為替リスクが伴うので、特に指定がない場合、日本円で算出してください。
輸出時の取引条件について、より詳しく知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
■取引条件 FOB、CIF、C&Fの違いと海外営業時にどう使う?
URL:http://world-conect.com/marketing-fob-cif-cnf
FOB価格の算出方法
FOB価格の内訳をご存知でしょうか?
「商品の卸価格」+「日本の港までの送料」=FOB価格だと勘違いしている方が稀にいます。
実際にはFOB価格とは「倉庫費用」、「輸出通関料」、「船積手数料」、「物流会社の取扱手数料」も売り手が負担する必要があります。
上記4点の費用は、物流会社に問い合わせ、「何を輸出するのか」とその「大きさ」、「重さ」、「量」を伝えることで見積もりをもらうができます。
物流会社から取得した見積価格に商品の卸価格を加えることでFOB価格になるので、気をつけましょう。
価格表作成と必須項目
続いて私たちが海外企業と取引をする時に使っているテンプレートを見ながら、価格表を作成していきましょう。
【価格表テンプレート ダウンロードはこちら】
(下のエクセルファイルがダウンロードできます。)
テンプレートをもとに各項目の解説をします。
※入力必須項目は赤字
①企業情報(Excel左上)
荷送人の会社名、担当者名、住所、連絡先を入力しましょう。
また企業ロゴも挿入してあると良いです。
②Issued On:発行日
価格表を作成した日を入力しましょう。
テンプレートでは、自動でその日の日付が表示されるようになっています。
③Alive Until:期限日
価格表の有効期限を入力しましょう。
④Brand Name:ブランド名
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑤Image:商品画像
商品の鮮明なパッケージ写真を挿入しましょう。
⑥Product Name:商品名
⑦Volume:内容量
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑧JAN Code
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑨FOB:1個あたりの船に荷物が積み込まれるまで運賃込価格
先ほど算出したFOB価格をオーダー数で割り、1個あたりの金額を算出しましょう。
⑩MOQ:最低出荷数量
⑪Order Amount:オーダー数
先方から特に指定がない場合はMOQを記入しましょう。
⑫Unit:単位
各商品の数え方に応じて入力しましょう。
テンプレートでは、様々な商品に対応できるよう「Piece」と表示しています。
⑬Total:合計金額
FOB × オーダー数=合計金額となります
テンプレートでは自動で計算されるようになっているので、入力の必要はありません。
Carton Info.:梱包情報
⑭Width x Depth x Height:1箱あたりの幅×奥行き×高さ
⑮Piece in Carton:1箱あたりの入り数
⑯Gross Weight:1箱あたりの重量
価格表作成時の注意点
・期限日を定める
様々な海外企業との商談が走り始めると商談はしているけど、いつレスポンスがあるか分からないという状態に陥ることが頻繁にあります。
それを防ぐために日本サイドで価格表の期限を定めることで商談のスケジュール感をコントロール出来るようにしましょう。
・商品画像は鮮明なものを用意する
商品画像は鮮明なものかつ、商品カタログ、もしくはホームページで使用している画像を挿入しましょう。
そうすることで海外企業のもとに商品が届いた後に「思っていた商品と違った」というような事態を防ぐことができます。
・JANコードは正確な数字を入力する
JANコードがある商品については、海外企業もJANコードをもとに商品の識別を行いますので、数字のズレがないようにしましょう。
・消費税を入れない
基本的なことですが、海外企業との取引になりますので、商品の卸価格に消費税を入れる必要はありません。
・梱包情報の記入
梱包情報は商品1個あたりのサイズではなく、商品が梱包された状態の1箱あたりのサイズになっているので注意してください。
ここで挙げた注意点は、価格表作成後に改めて確認するようにしましょう。
まとめ
海外企業との商談では、取引をスムーズに進めるスピード感が求められます。
例えば、海外企業が日本企業と中国企業に同じタイミングで問い合わせをすると中国企業は即日返答が来るのに対して、日本企業の返答は問合せから1週間後になってしまう。だから日本企業と取引をするのは、面倒だと思っている海外企業も少なくありません。
海外企業から価格表を求められたタイミングで準備していないとなれば、国内、もしくは海外の競合企業に先を越され、決まる商談も流れてしまうでしょう。
商談に入る前の段階でベースとなる価格設定をし、価格表を作成しておくことで、いつ海外企業に輸出時の価格を求められても対応できるようにしておきましょう。