FOB?EXW?輸出時の価格設定と価格表作成【テンプレ付き】
海外企業との取引を始めるにあたって、「FOB」「EXW」「インボイス」「L/C」など様々な貿易用語が飛び交いますが、まず海外企業と話をするきっかけになるのが、「商品資料」と「価格表」です。
今回は、輸出時の価格設定と価格表の作成方法について解説します。
私たちが海外企業と取引をする時に使っている価格表もダウンロードできるようになっているので、実際にテンプレートを見ながら作成してみましょう。
FOB価格の算出方法
取引条件は、CIFやC&Fなどすべて合わせて11種類存在しますが、中でも海外向けに商品を輸出する際の価格設定で基準となるのがFOB価格です。
今回はこのFOB価格の算出方法をご説明します。
FOBを含めた輸出時の取引条件についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
FOB価格の内訳として、「商品の卸価格」+「日本の港までの送料」だと勘違いしている方が稀にいらっしゃいます。
実際には、FOB価格では
・倉庫費用
・輸出通関料
・船積手数料
・物流会社の取扱手数料
も売り手が負担する必要があります。
上記4点の費用は、物流会社に問い合わせ、「何を輸出するのか」とその「大きさ」「重さ」「量」を伝えることで見積もりをもらうができます。
物流会社から取得した見積価格に商品の卸価格を加えることでFOB価格になるので、気をつけましょう。
また、価格を算出する際に米ドルや現地通貨だと外国為替リスクが伴うので、特に指定がない場合、日本円で算出してください。
価格表の必須項目
続いて、私たちが海外企業と取引をする時に使っている以下のテンプレートを見ながら、価格表を作成していきましょう。
http://world-conect.com/wp-content/uploads/2017/12/Price-List_Template_World-connect.xlsx
※入力必須項目は赤字
①企業情報(Excel左上)
荷送人の会社名、担当者名、住所、連絡先を入力しましょう。
また企業ロゴも挿入してあると良いです。
②Issued On:発行日
価格表を作成した日を入力しましょう。
テンプレートでは、自動でその日の日付が表示されるようになっています。
③Alive Until:期限日
価格表の有効期限を入力しましょう。
④Brand Name:ブランド名
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑤Image:商品画像
商品の鮮明なパッケージ写真を挿入しましょう。
⑥Product Name:商品名
⑦Volume:内容量
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑧JAN Code
海外企業もJANコードをもとに商品の識別を行いますので、数字のズレがないようにしましょう。
無い場合は未記入、もしくは列を削除して使用しましょう。
⑨FOB
1個あたりの船に荷物が積み込まれるまで運賃込価格です。
先ほど算出したFOB価格をオーダー数で割り、1個あたりの金額を算出しましょう。
⑩MOQ:最低出荷数量
⑪Order Amount:オーダー数
先方から特に指定がない場合はMOQを記入しましょう。
⑫Unit:単位
各商品の数え方に応じて入力しましょう。
テンプレートでは、様々な商品に対応できるよう「Piece」と表示しています。
⑬Total:合計金額
FOB×オーダー数=合計金額となります
テンプレートでは自動で計算されるようになっているので、入力の必要はありません。
⑭Width x Depth x Height:1箱あたりの幅×奥行き×高さ
⑮Piece in Carton:1箱あたりの入り数
⑯Gross Weight:1箱あたりの重量
商品1個あたりのサイズではなく、商品が梱包された状態の1箱当たりのサイズの情報を記入しましょう。
価格表作成時の注意点
価格表作成後は、以下の注意点を再度確認してみてください。
期限日を定める
様々な海外企業との商談が走り始めると、商談はしているけれどもいつレスポンスがあるか分からないという状態に陥ることが頻繁にあります。
それを防ぐために、日本企業側で価格表の期限を定め、商談のスケジュールをコントロールできるようにしましょう。
商品画像は鮮明なものを用意する
商品画像は鮮明なものかつ、商品カタログ、もしくはホームページで使用している画像を挿入しましょう。
そうすることで、海外企業のもとに商品が届いた後に「思っていた商品と違った」という事態を防ぐことができます。
消費税を入れない
基本的なことですが、海外企業との取引になりますので、商品の卸価格に消費税を入れる必要はありません。
まとめ
海外企業との商談では、取引をスムーズに進めるスピード感が求められます。
例えば、海外企業が日本企業と中国企業に同じタイミングで問い合わせをすると、中国企業は即日返答が来るのに対して、日本企業の返答は問合せから1週間後になってしまう場合、日本企業と取引をするのは面倒だと思う海外企業も少なくありません。
海外企業から価格表を求められたタイミングで準備していないとなれば、国内、もしくは海外の競合企業に先を越され、本来決まっているはずだった商談も流れてしまうかもしれません。
商談に入る前の段階でベースとなる価格を設定し、価格表を作成しておくことで、いつ海外企業に輸出時の価格を求められても対応できるようにしておきましょう。