取引条件 FOB、CIF、C&Fの違いと海外営業時にどう使う?

貿易時の価格設定において、常にFOB、CIF、C&Fの文字が前頭についています。
ただ、『いつ使えば良いの?』『どのように使い分けをすれば良いの?』と度々ご質問を頂く事があります。
今回は、そのFOB、CIF、C&Fが何を意味しどのように使用するかを説明します。
FOB、CIF、C&Fのそれぞれを理解する。
それぞれ略称を正式名称にすると下記です。
【FOB】
◇Free On Board
◇本船甲板渡し条件
【CIF】
◇Cost, Insurance and Freight
◇運賃・保険料込み条件
【C&F(CNF)】
◇Cost aNd Freight
◇運賃込み条件
※この場合の保険料とは?※
航海中、航空、陸上輸送している中でで沈没、衝突、座礁、墜落、火災など大事故や、雨水の侵入や荷崩れ、貨物破損、盗難など運送時の経済的なリスクをカバーするための貨物保険。
FOBについて
【説明】
日本の港まで運賃込の取引条件。
FOBでの取引では、保険料や日本国外への運賃は含まれません。
なので、カタログや価格表に記載する際の価格などに使用されます。
【よく使う状況】
・不特定地域の企業に対して提出する際の価格表内の取引条件。
・日本から頻繁に輸入している企業に向けての取引条件。
CIFについて
【説明】
輸出相手国の港までの運賃と保険料込の価格設定と運送、保険の手配を輸出者が行う取引条件。
輸出相手国と港がわかっており、輸送業者に問い合わせをすればCIFでの条件提示ができます。
この条件で海外企業に提示をすることで『親切に対応してくれた』と思ってもらえたりもします。
ただ、運送費や保険料があまりにも高いと『本当にその値段か?高い!』と思われるきっかけにもなりますので、まずは日本との貿易を行った経験があるかどうか、その業者に頼めるかなど、海外企業の今までの取引状況を確認することをお勧めします。
【よく使う状況】
・輸出相手企業への最終提案時の取引条件。
・日本との取引を行ったことがない海外企業への取引条件。
・高額商品を取引する際の取引条件。
C&F(CNF)について
【説明】
輸出相手国の港までの運賃込の価格設定と運送手配を輸出者が行う取引条件。
保険料金は含まれません。また、手配もしません。そのため、何か運送時において経済的なリスクをカバーしていないことを認識しましょう。
私たちの場合では、EMS(国際スピード郵便)でサンプルを送付する際などに使用する条件です。EMS運送時のサービスに保険をかけることも可能ではありますが、あまりコストをかけず行う場合にはこの形がお勧めです。
【よく使う状況】
・安価商品のサンプルを提供する時の取引条件。
まとめ
海外企業との商談中に取引条件が決まった後、取引条件の認識に相違があったりすると、一からやり直しになります。
また、日本国内同士の商談とは違って、コミュニケーションする機会も出張時やSNSのみなど限定的な場合が多いです。
したがって、時間のロスや機会損出をしないように、確実に商談相手がわかるような記載方法で記載をしていく必要があります。
場合によっては、商談をスムーズに進めるコツでもあるので、常にすぐ提示できる準備をしておきましょう。
FOBでの価格表を準備しておいて、商談中に運送業者に保険料金、相手国の港までの運送料金を聞けることがポイントです。
この作業に時間が掛かりすぎると、商談中の企業の購買意欲も下がってしまうこともあります。
まだ輸出したことがない方は、運送業者などにすぐに聞ける環境を作ることをお勧めします。
価格表の作成に関しては以下の記事でテンプレートを用いて詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。