FOB, CIF, C&Fとはどのような取引条件なのか、その違いと営業時の使い方を解説!
この記事は2023年10月6日に更新されました。
貿易時の価格設定の際に必要なFOB, CIF, C&Fですが、「いつ使えば良いの?」「どのように使い分けをすれば良いの?」と思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はこれら3つの違いと使い方を徹底解説します。
FOB(Free On Board)とは
「本船甲板渡し条件」と訳される、日本の港まで運賃込の取引条件を指します。
FOBでの取引では、保険料や日本国外への運賃は含まれないため、カタログや価格表に記載する際の価格などに使用されます。
不特定地域の企業に対して提出する際や、日本から頻繁に輸入している企業に向けての取引条件としてよく使用されます。
ちなみにこの場合の保険料とは、航海、航空、陸上輸送している中での沈没、衝突、座礁、墜落、火災など大事故や、雨水の侵入や荷崩れ、貨物破損、盗難など、運送時の経済的なリスクをカバーするための貨物保険を指します。
CIF(Cost, Insurance and Freight)とは
「運賃・保険料込み条件」と訳される、輸出相手国の港までの運賃及び保険料込みの価格設定、運送・保険の手配を輸出者が行う際の取引条件です。
輸出相手国と港がわかっており、輸送業者に問い合わせをすれば、CIFでの条件提示ができます。
輸出相手企業へ最終提案する際や、高額商品を取引する際、また日本と取引したことがない海外企業に向けての取引条件としてよく使用されます。
この条件で海外企業に提示をすることで「親切に対応してくれた」と思ってもらえることがあります。
ただ、運送費や保険料があまりにも高いと「本当にその値段か?」「高い!」と思われるきっかけにもなりますので、まずは日本との貿易を行った経験があるかどうか、その業者に頼めるかなど、海外企業の今までの取引状況を確認することをおすすめします。
C&F・CNF(Cost aNd Freight)とは
「運賃込み条件」と訳される、輸出相手国の港までの運賃込みの価格設定と運送手配を輸出者が行う際の取引条件です。
保険料金は含まれず手配もしないため、運送時における経済的なリスクをカバーしていないことを認識しましょう。
安価商品のサンプルをEMS(国際スピード郵便)などで提供する際によく使用されます。このEMS運送時のサービスに保険をかけることも可能ではありますが、あまりコストをかけず行う場合には本条件がおすすめです。
まとめ
海外企業との商談中に取引条件が決まった後、取引条件の認識に相違があったりすると、一からやり直しになります。
また、日本国内同士の商談とは違って、コミュニケーションする機会も出張時やSNSのみなど限定的な場合が多いです。
したがって、時間のロスや機会損出をしないように、確実に商談相手がわかるような記載方法で記載をしていく必要があります。
商談をスムーズに進めるコツでもあるので、常に提示できる準備をしておきましょう。
FOBでの価格表を準備しておいて、商談中に運送業者に保険料金、相手国の港までの運送料金を聞けることがポイントです。
この作業に時間が掛かりすぎると、商談中の企業の購買意欲も下がってしまうこともあります。
まだ輸出したことがない方は、運送業者などにすぐに聞ける環境を作ることをおすすめします。
価格表の作成に関しては以下の記事でテンプレートを用いて詳しく解説していますので、併せて覧ください。