通関手続きって何するの?輸出時における通関手続きの流れと準備物

この記事は2025年5月20日に更新されました。
海外ビジネスの拡大を目指す企業が直面する大きな課題の一つが輸出入に関する手続きです。特に「通関手続き」は国際貿易において避けては通れない重要なプロセスです。この手続きをスムーズに行うことができれば、取引先との良好な関係構築にも役立ちます。
この記事では、輸出時の通関手続きの概要、流れ、必要な書類や注意点について詳しく解説します。さらに、通関手続きを支援する専門業者についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
通関手続きとは何か?
通関手続きとは、貨物が国境を越えて輸出または輸入される際に必要となる、税関での一連の許可手続きです。関税法、輸出入管理法などの関連法令に基づき、適法かつ正確な書類提出や検査を経て、税関長から輸出入の許可を受けることが求められます。
輸出貨物は「内国貨物」から「外国貨物」に区分されますが、通関手続きを経て輸出許可を得ることで初めて貨物を船積みすることができます。これを怠れば貨物は出港できず、海外取引が滞る可能性があります。
具体的な実例
例えば、ある企業が製品を海外の取引先に送付する場合、まず貨物を指定された港や空港に搬入します。そして税関に必要書類を提出し、現物検査を受けることがあります。これらが適切に完了すると輸出許可が下り、貨物を船積みすることが可能となります。
通関手続きの流れ、申請方法
出典:丸和運輸
輸出時の通関手続きは一般的に以下の流れで行われます。
- 輸出申告: 輸出品目、数量、価格を明記した輸出申告書を税関に提出します。インボイスなどの必要書類も添付します。
- 税関審査・検査: 提出書類の内容確認や貨物の物理的な検査を行います。
- 輸出許可: 審査が通れば、税関から正式な輸出許可通知が出されます。
- 船積: 許可が下りた貨物は船舶や航空機に搭載されて海外へ発送されます。
輸出時に必要な主な書類
- インボイス(Invoice): 取引の基本書類であり、商品価格、数量、取引条件を記載します。商業送り状(Commercial Invoice)と仮送り状(Proforma Invoice)があり、それぞれ用途が異なります。
- パッキングリスト(Packing List): 貨物の梱包状況、重量、寸法、内容物を記載した書類で、税関検査や荷受け時の確認作業に必須です。
- 船荷証券(Bill of Lading: B/L)または航空運送状(Air Waybill: AWB): 貨物の受領証明書であり、運送会社と荷受人間の輸送契約書にもなります。
通関手続きに関連する重要知識
- HSコード(Harmonized System Code): 世界共通の品目分類コードで、輸出入関税の適用基準や貿易統計に使用されます。誤ったコードの使用はトラブルの原因となるため、注意が必要です。
- インコタームズ(Incoterms): 売主と買主の責任範囲や費用負担を明確化する国際ルールです。契約内容によって手続きや費用が大きく変わるため、正しく理解しておくことが大切です。
申請フロー
出典:税関
①搬入手続き
②他法令手続きの終了
③輸出申告(区分1、区分2、区分3と分かれる/区分2の場合は書類審査後輸出許可に、区分3の場合は書類審査後現物調査をおこない、輸出許可になる)
④輸出許可
⑤搬出手続き
⑥船積搭載手続き
他法令手続きの注意点
貨物によっては、食品衛生法や薬事法など、関税法以外の法令に基づく特別な許認可や証明書の取得が求められる場合があります。事前に輸出先国の規制や日本国内の関連法令について調査することをおすすめします。
手続きを代行してくれる会社
通関手続きは非常に専門性が高いため、専門の通関業者に依頼する企業が多くあります。通関業者は書類作成や税関対応、関税納付の代行を担っており、企業が輸出入業務を円滑に進めるために重要なパートナーです。
COUXU株式会社では、企業の貿易業務を支援するため、貿易実務アドバイザリーサービスを提供しています。物流設計や通関手続きサポートなどを通じて、企業の輸出入業務を円滑かつ安全に進める支援を行っています。
まとめ
輸出時の通関手続きは国際ビジネスにおいて不可欠なプロセスです。正しい知識と準備をもって臨むことで、スムーズに手続きを終え、トラブルや遅延を回避できます。専門業者の活用も視野に入れ、効率的な輸出業務を実現しましょう。