タイの美容市場で勝つ条件。高品質でも売れない理由は「売り方」にあった

タイの美容市場で勝つ条件。高品質でも売れない理由は「売り方」にあった

日本で売れている商品が、海外では売れにくい理由

私たちCOUXUは、これまで20,000件以上の海外商談支援を行ってきました。

その中で何度も日本企業様から耳にするのが、

「日本ではこの商品の状態で売れているから、海外でも同じように売れるはず」

という、考えです。

とりわけ東南アジアへの美容商品の輸出では、日本国内と現地で商品の求められ方が異なりやすく、
商品の「売り方」が成功を大きく左右します。

品質は高く成分も良い。またブランドストーリーもしっかりしている。
それでも──売れない。

本記事では、日本の製造業・メーカーの経営者様が海外進出を成功させるために、なぜ「日本で売れている形」が海外では通用しないのか、そして一度きりで終わらない継続的な輸出を生むために何を変えるべきなのかに焦点を当てます。

表面的なノウハウではなく、海外の売場・流通・購買行動を見続けてきた弊社見解から、次に取るべきアクションを整理していきます。


現地では「1回分・低価格」が買いたい理由になっている

── 特に東南アジア、その中でもタイ市場ではこの傾向が顕著です。

私たちCOUXUはアジアの主要国で、美容・ボディケア・ヘアケアといった商材がどのような形で売られているかを継続的に見てきました。その中でも、タイ市場ではこの傾向が特にわかりやすく表れています。

  • ・気軽に選ばれる価格帯は、おおよそ50~100円
  • ・高品質であっても、まずは1回試せる量でなければ手に取られない
  • ・大容量・ボトル商品は、「品質以前に高い」と判断されやすい

タイでは、美容に対する関心が高い一方で、

「まずは少量で試す」「その日のために使う」「毎回選ぶことが喜び」
という考えが商品を購入する際に深く根付いています。

特にタイ現地消費者は一つの商品を長く使う前に少量・低価格で複数の商品を比較します。 この消費行動は、都市部・地方を問わず共通して見られます。

実際にタイのコンビニやドラッグストアの棚に並んでいる商品の多くは、

パウチ型、1回使い切り、フェイスマスク1枚単位

といった状態のものが多いです。

日本市場で主力となっているボトルタイプや大容量タイプの製品が、
そのまま同じ形で売れている光景はほとんど見られません。


なぜ日本の美容商品は「そのまま」では現地で売れづらいのか

問題は「価格」ではなく、「商品の販売方法」にある

海外展開を検討する日本企業から、共通して同じ言葉を聞きます。

「品質が高いので、この価格は妥当です」

これは事実です。

ただし東南アジア市場では、評価の順番が異なります。

・手に取れる価格だから興味を持つ
・まず使ってみる
・良ければ評価する

たとえば、日本で1万円で販売している高品質スキンケア商品でも、10g単位の使い切り1パックなどに分けることで100円で体験できる商品になります。

その結果、これまで「高くて自分に合うか分からない」と感じられていた商品でも、安価に試せるため、初めて手に取られる可能性が生まれます。

品質や商品そのものは変えず、まず最初に商品を購入してもらうための販売方法を現地仕様に変えられるかどうかが、
「売れない商品」と「まず手に取られる商品」を分けます。

輸送・販促コストを前提にした現地の販売価格になっていない

さらに、タイ市場においても海外展開に伴う構造は共通しています。

  • 輸送コストにより、小売価格は日本の1.2〜1.5倍になりやすい
  • さらに、売上の5%前後を販促費(マーケティング費用)として求められるケースが一般的

この前提を考慮せず、日本国内と同じ価格構造・利益設計のままでは、卸側も小売側も動けません。

結果として、「良い商品だが、扱えない」という評価で止まります。

「売り方」を日本基準のまま固定している

多くの日本企業が見落としがちなのが、「売り方」を日本基準のまま持ち込んでしまう点です。

東南アジア市場、特にタイの美容市場では、

  • ・セット売り
  • ・まとめ買いによるお得感
  • ・TikTokなどSNSを前提とした商品構成

が、主要な販売方法になっています。

単品・定番・長期使用前提。
この日本的な販売方法のままでは、そもそも競争の土俵に立てないのが現実です。


海外で美容商品を売るために、最初にやるべきこと

私たちCOUXUが一貫して提言しているのは、「商品の販売状態を現地で求められやすい状態に変える」ことです。

  • ・今の商品のまま、各市場で買われる価格帯を再設計する
  • ・小分け、パウチ、1回分で、消費者がまず手に取りやすい状態の商品をつくる
  • ・現地充填、現地OEMも含めて、製造コストを見直す
  • ・卸、小売が動けるマージンと販促余地を確保する

しかしながら、これらを行わずに、

「インフルエンサーを起用すれば売れる」「営業を頑張れば何とかなる」

と考えるのは、あまり現実的ではありません。

売れない理由は、現地で合わせた販売方法が見つけられていないだけです。

明日からやるべきアクション(最短ルート)
  • 現地の商品棚で「最初に手に取られる形(容量・価格・パッケージ)」を把握する
  • 輸送・販促費を前提に、卸・小売が扱いやすい価格を設定する
  • SNS前提のセット構成・導入導線(試す→良さを知る→買い足す)を設計する

あわせて読みたい:COUXUが提供する「海外市場開拓支援」の具体的な流れ


まとめ”現地の消費行動に合わせた輸出の実現”へ

私たちCOUXUは、日本の美容商品の品質は、変わらず現地で十分に価値があると感じています。

ただし、品質が高いからこそ、まず「使ってもらう機会」をつくれなければ、その価値は伝わりません。

だからこそ必要なのは、

・この商品を、この国ではまずどうやって最初に手に取ってもらうか
・そのために、価格・量・流通・製造をどう最適化するか

という現地目線の考えです。

もし今、次のような状況に心当たりがある場合、

  • 海外に商品を出したいが、どこから変えるべきかわからない
  • 日本仕様のまま提案し続けているが、反応が鈍い
  • 商社任せで進めているが、手応えがない

現地での販売方法を見直すことが、海外展開を成功させる最短ルートです。

COUXUでは、「貴社商品を売るならどの国にどう商品を設計し直すべきか」を、
商品・市場ごとにご提案いたします。

どの国でどのような販売方法が最適か、まずはお気軽にご相談ください。

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