“知ってて当たり前”の本当に使われる貿易用語まとめ

日本から遠く離れた海外企業との取引において、貿易書類を用いて契約をしっかりと交わすことは自分にとっても相手にとっても、非常に重要な項目となっています。
ところが貿易に関わってくると聞きなれない言葉が無数にでてきます。さらに貿易取引におけるやりとりでは、貿易用語が略されて使われることが結構あります。
ただでさえ分からないのに略されたらもっと分からない、、、そんなあなたのために貿易用語をわかりやすくまとめました。
その中でも頻繁に使われる用語と使われない用語があるため、実際に使われる基本的な用語だけを限定的に集めています。
目次
本当に使われる貿易用語
その1【船荷証券(B/L)】
Bill of Ladingを略してB/L、ビーエルと呼ばれ、一番使われる貿易用語と言っても過言ではありません。
簡単に言ってしまうと”貿易取引における一番大切な書類“です。
船荷証券(B/L)は貿易取引に関わる全ての人に使われる大切な書類であり、各人の立場から見ると下記のようになります。
輸出者:貨物を確かに船積みして発送したことの証明書
船会社:貨物を輸出者から預かったことの証明書
輸入者:貨物を受取るための引換証
詳しくはこちら→船荷証券(B/L)についてはこれを読め!
その2【信用状(L/C)】
信用状(L/C)は、Letter of Creditの略で、貿易取引の決済のところで使われる書類です。
これは”輸入者の代金保証を銀行が代わりに保証した書類“になります。
貿易取引は言葉も商習慣も異なる国同士でおこなわれる売買であり、国内取引とは違い、さまざまなリスクが生じる可能性があります。
前払いでは輸入者が商品入手以前に代金を支払うので「商品を入手できないリスク」があり、後払いであれば輸出者が代金を回収する前に商品を出荷することになり、「代金を回収できないリスク」を背負うことになるのです。
そのため輸入業者と輸出業者が互いに決済について不安を持っている場合、信頼しきれない場合に、このL/C決済がよく利用されます。どちらか一方が資金面でリスクを被らないように銀行が代金の支払いを保証すれば両者の安心材料となるのです。
詳しくはこちら→貿易取引のリスクを減らす【信用状(L/C)】
その3【インボイス(I/V)】
インボイス(I/V)は輸出者が作成する書類で、”見積り書、請求書、納品書と同じような役割“を持っています。
インボイスには種類があり、最も使われるのがコマーシャルインボイスです。
コマーシャルインボイスは日本で使われる請求書と同じ役目をしており、輸出貨物の全ての情報が記載されている明細書も兼ねる書類になります。
このように使われるタイミングや使用用途によってインボイスの種類が変わりますので適した書類を用意しましょう。
詳しくはこちら→【テンプレ付き】インボイスとは?5分で覚える貿易実務
その4【パッキングリスト(P/L)】
パッキングリスト(P/L)は”輸出貨物の「梱包明細書」“になります。インボイスと同様に重要な書類の一つです。
この書類を正確に記入しておく事で『これが足りない』『商品が必要以上にある』など予測しないクレームを防ぐ事も出来ますので、輸出する前には必ず輸入者には見て頂くようにしておきましょう。
詳しくはこちら→【テンプレ付き】パッキングリストとは?5分で覚える貿易実務
その5【原産地証明書(C/O)】
原産地証明書(C/O)はCertificate of Originの略で途上国との貿易取引において、日本の特恵関税制度を利用するために使われる書類です。
また、その荷物の真実性を保証するために、輸出地の商工会議所、もしくは官庁、輸出国所在の輸入国領事館などが証明する書類ともなります。
詳しくはこちら→たった3ステップ、原産地証明書の取得手順
無数にある貿易用語
今回ご紹介した貿易用語はほんの一部です。貿易取引の書類だけでもこのように無数にありますが、これに加えて輸出方法や積荷方法などにも専門用語があり全部暗記して使用するのはかなり困難な作業になります。
用語の理解をしっかりとすることが大切です。何回も繰り返し調べて覚えていきましょう。貿易用語は随時更新していきます。