価格競争から抜け出す海外販売。TikTok Shopで『証拠づくり』から始めるBtoB戦略
目次
「海外向けに良い商品をつくれば、あとは商社や現地パートナーが何とか売ってくれる」──。
海外輸出に取り組む日本企業の現場で、私たちCOUXU(https://couxu.jp/)はこの言葉を何度も聞いてきました。
しかし、私たちがこれまでに20,000件以上の海外商談支援を行ってきた中で見えてきたのは、まったく逆の現実です。
海外バイヤーが本当に仕入れたいのは、「すでに現地の消費者が欲しがっている(=売れている)」商品だけ。
本記事では、私たちCOUXUがTikTok Shopに注力している理由を、
ゴールデンサークルの考え方(WHY → HOW → WHAT)に沿ってお伝えします。
テーマはシンプルです。
「価格競争から抜け出す海外販売のために、まず『売れる証拠』をつくる」という発想に、あなたの海外戦略をアップデートできるかどうか。
⒈「買ってください」営業から「仕入れた方がいいですよ」営業へ
私たちCOUXUは、海外バイヤーとの商談現場で、ずっと同じ壁にぶつかってきました。
それは、どれだけ商品の説明をしても、バイヤーの頭の中には常にこんな問いがあるということです。
「その国の消費者は、本当にこの商品を欲しがるのか?」
いくら「品質が高い」「日本で売れている」「ストーリーがある」と説明しても、
現地の消費者の行動が見えなければ、バイヤーはリスクを取れません。
そこで私たちが行き着いた結論は、次のひと言に集約されます。
海外営業は、先に『売れる証拠』をつくってから動いた方が、圧倒的に楽になる。

※TikTok Shopそのものの仕組みや基本機能について知りたい方は、こちらの解説記事もあわせてご覧ください。
Made in Japanを世界へ!TikTok Shopで始める海外販売と実店舗流通の最短ルート
日本企業が海外進出を加速させるうえで、TikTok Shopは、従来の「商品を並べるだけの EC サイト」とは根本的に発想が異なる“体験型コマース”です。「次世代EC」とも言われ、縦型ショート動画とライブ配信によって「知る → 欲しくなる → その場で買う」をアプリ内で
▶ こちらの記事で詳しく解説しています
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⒉TikTok Shopが最適解である理由
2-1. 百貨店にパンプスを入れた「半径1kmの証拠づくり」
まずは、TikTokが登場する前、Facebook広告を使って学んだ話からお伝えします。
あるパンプスメーカーさんが、海外のとある百貨店に常設売り場を出したいと考えていました。
通常の営業であれば、カタログを持って行き、こう説明します。
- 「クッション性が高いです」
- 「走れるパンプスです」
- 「蒸れにくく、水にも強いです」
しかし、正直に言えば、これはどのメーカーも口にする言葉です。
バイヤーからすると、他社との差が見えません。
そこで私たちCOUXUは、営業の順番をひっくり返しました。
1. 先に「消費者の欲しい」をつくる
2. その証拠を持ってから百貨店に営業に行く
具体的には、次のような施策を行いました。

- ターゲット:売り込みたい百貨店から半径1km以内の消費者
- 手段:Facebook広告(動画)
- 訴求内容:
- 「走れる」パンプスであること
- 「蒸れにくい」「水に強い」といった具体的なメリット
この動画広告を見た消費者から、
-
- 「どこで買えますか?」
- 「いくらですか?」
- 「欲しいです」
といった問い合わせをひたすら集めました。
その上で、私たちは百貨店にこう提案しました。
「すでに御社店舗の周辺だけで、
『このパンプスを買いたい』と言っている消費者がこれだけいます。
だから“仕入れた方がいい”ですよ。」
結果、その百貨店に常設売り場を獲得することができました。
ここからCOUXUが学んだのは、次のシンプルな事実です。
・先に消費者の『欲しい』をつくる
・その証拠を持って法人営業に行く
→ 「買ってください」営業ではなく「仕入れた方がいいですよ」営業に変わる
2-2. ベトナムTikTok Shopで「4万円の健康ドリンク」が月2,800万円売れている現実
この考え方は、現在私たちが支援しているベトナムのTikTok Shopでも同じです。
たとえば、ベトナムのTikTok Shopの「健康」ジャンルで上位に入っている商品に、次のようなものがあります。
- コラーゲンやエクソソームが入った小瓶タイプのドリンク
- 24本入りで約4万円(日本円換算)
- それがひと月で約2,800万円分売れている
「ベトナムは安い商品しか売れない」というイメージを持っている企業にとっては、かなり衝撃的な数字だと思います。
しかし、TikTok上では
- どんな悩みを持つ人に向けた商品なのか
- どう飲むのか
- どんな体験が得られるのか
といった情報を、動画で具体的に伝えられます。
だからこそ、「高いけれど価値がある」商品が売れているのです。
そして私たちは、TikTokのAPI連携を通じて、
- どの商品が
- どの国で
- どのくらい売れているのか
というデータも追いかけています。
消費者の行動がデータとして見える。
それをそのまま法人営業の武器にできる。
これが、TikTok ShopとBtoB営業を組み合わせる最大のメリットのひとつです。
⒊なぜ「ECモール頼み」では日本製品が勝ち切れないのか
3-1. ECモールが前提とするのは「価格での比較」
これまで多くの日本企業が海外販売で選んできたのは、ショッピーやラザダに代表されるモール型ECです。ここではあえて特定のモール名にはこだわらず、構造だけを整理します。
モール型ECでの基本動線は、非常に分かりやすいものです。
- モール内で広告やSEO対策を行い、検索結果の上位に表示させる
- 商品ページ(画像・説明文・価格・レビュー)で比較される
- 最終的には価格が決め手になりやすい
この構造は、価格が安い国・メーカーにとってはプラスです。
一方で、日本企業には明確なハンデがあります。
- 原材料や製造工程にこだわるため、どうしても高単価になりやすい
- 画像数枚と短い説明文では、商品の「良さ」が伝えきれない
- 結果として、韓国・中国などの低価格商品に埋もれてしまう
私たちが多数の事例を見てきた感覚値としても、
モールだけで日本製品が大きなスケールを出しているケースは、非常に限られています。
構造的に「価格比較の土俵」に乗せられてしまうチャネルで、
日本製品が長期的に勝ち切るのは難しい。
これが、現場での実感です。
3-2. TikTokは「フォロワー数」ではなく「コンテンツの力」で勝負できる
一方で、TikTokは前提となるアルゴリズムがまったく違います。
- 多くのSNS(Facebook・Instagram・YouTubeなど)
- 投稿はまずフォロワーに届く
- フォロワー数が少ないと、そもそも露出が広がらない
- TikTok
- 動画コンテンツそのものに評価が付き、
「500人 → 1,000人 → 1万人 → 10万人 → 100万人」と拡散する - フォロワー数よりもコンテンツの質と反応が重要になる
- 動画コンテンツそのものに評価が付き、
そのためTikTokは、
- ブランド認知を一気に取る
- 「思わず試してみたくなる」衝動買いを生み出す
といった部分に強みを持っています。
「価格で比較される前に、価値で選ばれる状態をつくる」
これが、TikTokを起点にした海外戦略の本質です。
3-3. ベトナム市場とTikTok Shopの相性
特に、私たちCOUXUが今注力しているベトナム市場には、TikTokと相性の良い土壌があります。
- オフライン小売の約9割が「トラディショナル・トレード」
- 商店街・個人経営の小さな店が多数
- 誰がどこから仕入れているのか、現地企業ですら把握しきれていない
- 個人のSNSアカウントで商品販売を行う文化が根付いている
この構造の中で、
- 現地に渡航して1店舗ずつ開拓してまわる
- 現地代理店に丸投げして結果を待つ
というやり方は、コストも時間もかかりすぎて、再現性が高くありません。
だからこそ、
「オンライン上で一気に認知と需要をつくり、そのデータを武器にBtoB営業に行く」
という逆算型の設計が必要になります。
その起点として、TikTok Shopは非常に相性の良いチャネルだと、現場で感じています。
⒋TikTok Shopで『証拠づくり』から始める3ステップ

ここからは、「明日から何をすべきか」という実務の話に落としていきます。
4-1. STEP1:誰に何をどう伝えるか――メッセージとターゲット設計
まず最初にお伝えしたいのは、「とりあえずインフルエンサーにお願いしてみる」は、ほぼ失敗するということです。
必要なのは、次の3つを言語化することです。
- 誰に(どんな状況の人に)
- 何を(どんな価値・どんな変化を)
- どう伝えるか(どんなストーリー・どんなシーンで)
例えば、アメリカのスーパーで見かけたコーヒーの事例は象徴的です。
- 「死にたいほど眠い朝に飲む」超高カフェインコーヒー
- 「頭のいい人が選ぶ」オーガニック高品質コーヒー
どちらも「おいしいコーヒーです」とは言っていません。
大事なのは、
「誰の、どんな1日に効く商品なのか?」
を徹底的に絞り込むことです。
TikTokで戦うときも同じです。
- あなたの商品の「一番刺さるシーン」はどこか
- そのシーンにいる人は、どんなインフルエンサーをフォローしているか
- そのインフルエンサーは、フォロワーからどんな役割を期待されているか
ここを言語化しないまま広告費だけをかけても、結果はついてきません。
4-2. STEP2:アフィリエイター戦略――「売ってくれる人」をどう集めるか
TikTok Shopで継続的に売上をつくるうえで、
アフィリエイター(クリエイター)がどれだけ動いてくれるかは、非常に重要なポイントです。
しかし、ここが最もハードルの高い部分でもあります。
知らない日本企業から突然、
「この商品で動画作ってください」
とDMが届いても、多くの現地クリエイターは「誰?」で終わります。
そこで私たちCOUXUは、
- 現地で影響力を持つ日本人インフルエンサー
- ローカルインフルエンサー
とのネットワークを活用し、アフィリエイターの開拓・教育の仕組みを整えています。
イメージとしては、
- 信頼関係のあるインフルエンサーを「ハブ」として、適切なジャンルのクリエイターをリストアップ
- そのハブから声をかけてもらうことで、参加ハードルを下げる
- 現地で「何がバズるか」の知見を共有し、動画の質を底上げする
こうした仕組みを使うことで、
「量 × 質」を両立した動画量産体制をつくっています。
なお、具体的なインフルエンサーとの取り組みや、
アフィリエイターの集め方・動かし方については、別記事で詳しく解説する予定です。
(本記事公開後、ここにリンクを設置します)
4-3. STEP3:認知 → 購入 → ファン化 → BtoB につなげる
TikTok Shopを「一発当てて終わり」にしないためには、
最初から認知 → 購入 → ファン化 → BtoBまでの流れを設計しておく必要があります。
- 認知:「この商品、TikTokでよく見るよね」という状態づくり
- アフィリエイターの数とメッセージ設計で決まる領域
- 購入:最初の1本をどう買ってもらうか
- TikTok Shop内で完結させるのか
- その後のリピートを別ECに寄せるのか
- ファン化:「あればまた買いたい」「人に勧めたい」状態をつくる
- 使用シーンの提案
- レビュー・UGCの活用
- BtoB:「売れ方のデータ」を持って法人営業へ
- 売上推移・視聴データ・刺さった訴求パターンなどをレポート化
- 現地代理店・小売チェーンへの提案材料にする
プロテインバーを例にすると分かりやすいです。
- 一見相性が良さそうな「筋肉系インフルエンサー」に依頼しても、売れないことがある
- しかし「登山家インフルエンサー」に、
- 軽い
- 持ち運びしやすい
- 高カロリー・高たんぱくで効率的に栄養補給できる
といった切り口で紹介してもらうと、登山という文脈で一気に売れる可能性がある
こうした仮説検証を高速で回せるのがTikTokの強みです。
私たちCOUXUは、このデータと海外商談の経験を組み合わせて、
「この商品は、どの国で、どのターゲットに、どのインフルエンサーを起点に攻めるべきか」
を一緒に組み立てていきます。
4-4. WHAT:COUXUがTikTok Shop支援で実際に行うこと
ここまでの内容を踏まえ、COUXUがTikTok Shop支援で実際に行っていることを整理します。

① 市場・商品診断&戦略設計
- 商品の特徴・価格帯・既存販路のヒアリング
- ベトナム/フィリピン(一部アメリカ)の
- 市場構造
- 競合・既存プレイヤーの状況
- TikTok上で売れている商品の傾向
- 「誰に・何を・どう伝えるか」のポジショニング設計
- 起用すべきインフルエンサーのジャンル案・訴求案のたたき台作成
② TikTok Shop運用&アフィリエイター開拓
- 現地法人・ライセンスを持つパートナーとのスキーム構築
- 商品登録、在庫・物流フローの設計
- 現地インフルエンサーネットワークを活用したアフィリエイターのリクルーティング
- クリエイティブの方向性共有・改善指示
- TikTok APIを通じた売上・視聴データのモニタリング
③ BtoB販路への展開・商談支援
- TikTokでの「売れ方」をまとめたレポートの作成
- 売上推移
- 視聴・クリックデータ
- 刺さった訴求パターン
- そのレポートを武器にした
- 現地代理店
- 小売チェーン
- EC運営企業
への提案ストーリー設計
つまり、私たちCOUXUが提供しているのは、
単なる「TikTok運用代行」ではなく、
「TikTokを起点にしたBtoB営業までを一気通貫で設計するサービス」です。
⒌COUXU社が進めるTikTok Shop戦略
ここまで読んでいただいても、
「うちの商材で、本当にTikTok Shopが有効なのか?」
という不安は残るはずです。
私たちCOUXUとしては、あえて相談してほしい企業像を絞ってお伝えします。
5-1. 特に相談してほしい企業像
- すでに海外輸出をしているが、初回取引で終わってしまう企業
- 継続発注が続かず、売上が頭打ちになっているメーカー・商社
- 現地ECや小売店に入っているが、「値引き頼み」から抜け出せていない企業
- 日本製だから高くても売れる、という考え方が通用しなくなってきたと感じている
- これから海外に出たいが、BtoB営業のリソースが足りない企業
- 展示会や商社任せだけでは限界を感じている
- まずは対消費者(D2C/EC)で手応えをつかみたい
- 「説明すると価値が伝わる」が、写真1枚では伝えきれない商品を持つ企業
- 健康食品・美容・日用品・食品・キッチン用品など
もし、この中のどれか1つでも当てはまるなら、
TikTok Shopは「試す価値のある一手」だと、私たちは考えています。
5-2. まずは何を相談すればいいのか?
最初の一歩として、難しく構える必要はありません。
- 「自社の商材でTikTok Shopをやるべきかどうか知りたい」
- 「やるなら、どの国・どのターゲットを狙うのが現実的か教えてほしい」
- 「既にある海外販路(商社・EC・小売)とうまく組み合わせる方法を相談したい」
といったご相談からで構いません。
私たちは、「攻めるべきか/やめておくべきか」も含めて、現実的な見立てをお返しします。
そのうえで、TikTok Shopを起点にした海外展開が「本当に御社にとって意味があるかどうか」を、一緒に判断していきたいと考えています。
5-3. よくあるご質問(FAQ)
Q. どんな商材がTikTok Shopと相性がいいですか?
一言でいえば「きちんと説明すると価値が伝わる商材」です。健康食品・美容・日用品・食品・キッチン用品など、
成分や使い方・体験価値を動画で伝えられる商品は特に向いています。
一方で、法規制上オンライン販売が難しいものや、単価・物流条件的に現実的でないものは、
ご相談の段階で正直にお伝えしています。
Q. 現地法人がなくても、海外のTikTok Shopで販売できますか?
TikTok Shop自体は現地法人やライセンスが必要ですが、COUXUでは現地パートナー企業と組むことで、
日本企業単独で法人設立をしなくてもテスト販売できるスキームを用意しています。
まずは「どの国で」「どの価格帯なら成立しそうか」を一緒に整理するところから始めます。
Q. TikTok Shopだけで費用を回収できるイメージが持てません。
私たちは「TikTok Shop単体での利益」ではなく、「TikTokで作った売上データを使ってBtoBをどこまで伸ばせるか」を前提に設計します。
そのため、初期のテストでは「どれだけ売れるか」だけでなく、
「どの訴求・どのターゲットならBtoB提案に使えるデータが取れるか」を重視しています。
TikTok Shopは「やるかどうか」ではなく、「どうBtoBにつなげるか」で判断すべきだ
最後にお伝えしたいのは、次のポイントです。
TikTok Shopを「単なる新しい販売チャネル」として見るか、
「BtoB営業を楽にするための証拠づくりの場」として見るかで、
戦略も成果もまったく変わる。
商社任せ、モールに出して様子見、展示会で名刺を集めてフォローしない──。
そうした「思考停止の海外営業」から抜け出すには、
自社の意思で「現地消費者の欲しい」をつくり、
その証拠を持ってバイヤーと向き合う
という発想転換が不可欠です。
もし今、
「海外販売が、価格と運だけに左右されている気がする」
と感じているのであれば、そこがスタートラインです。
御社の商品が、どの国で、どんな「証拠づくり」から始めるべきか。
私たちCOUXUに、ぜひ一度ご相談ください。

