海外企業向けのメールテンプレートを作成する #セカイコネクトアカデミー 3-1
「海外企業と取引をしたいけれど、メールの書き方がわからない」
「提案資料ってどいう風に作れば良いんだろう」
海外進出を進めようとするみなさんにとって一番の悩みのタネとなっているのは、これらの商談のための資料作成ではないでしょうか。
今回から数回に分けてお届けする#セカイコネクトアカデミー3では、こうした海外企業向けの資料作成方法について徹底的にフォーカスしていきます。
これまでの学びをいよいよ実践に落とし込む段階ですので、まだ読んでいない方は以前の投稿からご覧ください。
目次
なぜ資料の設計が大切なのか
前回までの「強みの把握」「顧客の定義」といった少し抽象的な設計とは打って変わり、それらを基にした具体的な資料の作成段階へと進んでいきます。
そもそもなぜ前もった資料の設計が大切なのか、みなさんに学んでいただきたい理由は大きく2点あります。
①商品・事業の価値が一番伝わる営業準備をする
みなさんも日ごろの営業で度々感じているかもしれませんが、日本の商品の良さのすべてを海外企業に対して営業資料だけで伝えきるというのは非常に難しいことです。
取り扱う商品が食品であれば食べてみないと、化粧品であれば使ってみないとその本当の良さはわかりませんよね。
したがって、それだけでも商品の価値が最大限にわかる資料を作る必要があります。
②すぐに海外企業と商談を開始できる準備をする
営業資料がすぐに出せなかったり、英語版の資料が作れていなかったりとなると、国境を越えた取引ですから海外企業を長期間お待たせしてしまうことになります。
一つの段階で時間がかかってしまえば相手の取引に対する意欲の低下にもつながり、全体の取引にも影響が出てきます。
いざ商談となっても対応できるよう、準備は万全の状態で整えておきましょう。
海外企業向けの提案メールで大事な二つのポイント
さて、本題のメールテンプレートの作成へと入っていきます。
日本企業を相手にしてもそうだと思いますが、海外企業であればなおさらコミュニケーションツールとしてメールを利用することが多いです。
商品や事業の情報も基本的にその中でやり取りされるため、情報が分かりやすく記載されたテンプレートを一つ準備しておくだけで、コミュニケーションが円滑になり理想的な商談を築く第一歩となります。
このように大きな役割を担っているメールテンプレートにおいて、大事にしていただきたいのが以下のポイントです。
①迷惑メールと勘違いされない内容構成
みなさんもご経験があるかと思いますが、海外企業は毎日多くのメールを受信しています。
件名や内容が不適切であれば迷惑メールとして開封されない場合があり、チャンスを逃してしまうこととなります。
他のメールに埋もれさせないという意味合いからも、「全ての方」ではなく「あなたにだけ」送っている適切なメールとして印象付ける必要があります。
②初めての出会いに適した印象
海外企業との取引の早い段階で送るメールですので、第一印象に直結すると言っても過言ではないでしょう。
メール上ではありますが、初対面にふさわしい内容を以て、後の取引につなげていくことが大切です。
二つのポイントを意識しつつ、以下に沿ってテンプレートを作成していきましょう。
メールテンプレートの作り方
件名
メールを受信した際、みなさんもまずは件名を目にしますよね。
この件名でメールを開くか開かないかが決まるため、海外企業が開封したくなる件名にしましょう。
例えば、不特定多数に送っているだろうと思われる件名のメールよりも、「先日はありがとうございました」などの文言が入っている件名であれば「もしかしてお会いした人かも」となり、受信者は開きたくなります。
もし相手の企業名や名前がわかっている場合、件名に限らず、メールを開かなくても見られる範囲の本文の早い段階で入れる方が望ましいです。
先述した通り、「皆様へ」と書かれているよりも自分にだけ送られているメールだと感じやすくなります。
【重要】事業の強み
メール本文の中でも重要な要素の一つ目が、自社の事業の強みをしっかりと伝えることです。
以前の投稿でみなさんに取り組んでいただいたフレームワークを基に、海外企業が自社と取り組むべき要因を提示していきます。
内容を忘れてしまった方は、ぜひこちらのリンクからチェックしてみてください。
ちなみに、最近では事業や商品の強みをより分かりやすく伝えるために、動画を撮影して動画投稿サイトの限定公開リンク上にアップし、そのリンクを共有することも多くあります。
文章では伝わらない商品の使用方法や使用感を伝えられるため、必要に応じて準備してみるのも一つのコツです。
【重要】海外企業に対して貢献できること
こちらも上記と同様のフレームワークで理解した、海外企業にとっての価値を明確にしておくことが非常に重要です。
ただ「うちの商品は美味しいんですよ」と伝えるのではなく、「うちの商品は美味しいんです。だからお客様からのリピート率が高くて、マーケティングのコストをそれほどかけずに売れるような状況を実現できます」というように、事業的な価値をわかりやすく表現しましょう。
希望する具体的な展開方法
自社の国内の状況を踏まえて、どのような海外展開が望ましいのかを提案していきます。
国内であれば問屋・小売店に対して卸すような展開方法ですが、海外であれば代理店としてやってもらいたいのか、はたまた小売店を営業するにあたって物流などで協力してもらいたいのか、という選択肢があります。
基本的には、セカイコネクトアカデミーの初回投稿でお話したような代理店取引が最も海外進出しやすい展開方法です。
その場合、「あなたの国に代理店を設置していきたい。独占権を貸与するため、代理店として長く取引できないか」といった文言にすると良いでしょう。
提供可能な資料・データ
もしここまでの内容だけでは伝えられない・伝えきれないと思ったら、資料を添付してその旨を記載します。
また、「他に何か必要な資料があれば提供します」という意思表示も行っておくことで、相手の海外企業に安心感と信頼感を持ってもらいます。
【重要】コンバージョン
次の取引の段階に直接的につながる、最も重要な項目です。
メールを読んで興味を持った海外企業が、次にどのようなアクションを起こせば良いのかゴールを明確にします。
「こういう事業をやっています」で終わらせずに、プラスで「興味を持っていただけたらミーティングをしたいので、日程候補を送ってください」「サンプルを送るので住所を教えていただけますか」と、返信の際に行ってもらいたいことを記載します。
設定しておくとその先に進みやすいのはもちろんですが、あるとないとでは格段に反応率が違いますので、必ず設定しましょう。
英文署名
最後に決して忘れてはいけないのが、英文での署名です。
日本企業に宛てるメールと同様、
・名前
・企業名
・住所
・電話番号
・メールアドレス
を文末に記載します。
ここまでの一連の流れと重要なポイントを下の画像でまとめてみましたので、必要に応じてもう一度確認してみてください。
あとは送信するだけ!
以上のメールテンプレートさえ作成してしまえば、展示会や商談会の後、企業リストが手元にある際などに送るだけで取引の最初の段階がクリアできます。
メールの構成をテンプレート通りにすることで、みなさんの業務を手軽にかつ円滑に進められます。
次回は海外企業向けの提案資料の作成について取り上げていきます。
一つの具体的な事例に沿って細かく見ていきますので、お楽しみに!
▼次の投稿▼