海外輸出実現への商談マニュアル|初めてでも失敗しない5つの準備(資料・価格表・契約・パッケージ・サンプル)

海外輸出実現への商談マニュアル|初めてでも失敗しない5つの準備(資料・価格表・契約・パッケージ・サンプル)

海外輸出で失敗しない商談準備完全ガイド|必ず用意すべき5つの項目(資料・価格表・契約・パッケージ・サンプル)

海外輸出を検討する企業の多くは「商品力さえあれば海外企業が買ってくれる」と考えがちです。しかし実際の海外商談では、「売りたいならあなたたち自身も動いてほしい」というのが現地バイヤーの本音。任せきりの姿勢ではパートナー企業は見つからず、せっかくの商談も成果につながりません。では、日本企業は海外進出を進める際に最低限どのような準備をしておくべきか。ここでは5つの必須準備項目と実際のチェックポイントを「なぜ必要か」まで含めて整理していきます。

1. 提案資料(会社・商品説明)

海外商談で最初に求められるのは「会社がどんな企業か」「商品の強みは何か」をまとめた資料です。

意識すべきポイント

  • 会社概要:沿革・所在地・事業内容・主要取引先。海外実績があれば記載すると信頼度が上がります。
  • 商品ラインナップ:写真と簡単な説明(カテゴリー・用途・特徴)で全体像を分かりやすく。
  • 強み(USP):他社との違いを明確に。認証・検査データなど根拠があると説得力が増します。
  • 詳細資料(英語版):成分・使い方・得られるメリットを丁寧に。誇大表現は避け、図表で視覚的に。

なぜ必要か?

  • ・商談は複数社の比較が前提。資料がなければ検討すらされません。
  • ・口頭説明だけでは、相手企業の社内決裁に回せません(資料が「社内共有の原本」になります)。
  • ・しっかりした資料は信頼の証明。スタートラインに立つ条件です。

2. 価格表

商談で必ず聞かれるのが「価格条件」です。あいまいな回答は即、機会損失につながります。

意識すべきポイント

  • 卸価格:バイヤーが仕入れるときの価格を明示。
  • 最小注文数(MOQ):例)初回100個〜など。小ロットで試せると商談が前に進みやすい。
  • 数量ごとの割引:例)500個以上5%、1000個以上10%など階段設計。
  • 物流情報:重量・サイズ・梱包単位(ケース入数)。輸送コストの試算に必須。
  • 取引条件:通貨(USD/JPY)と引渡し条件(FOBCIF)を明記。

なぜ必要か?

  • ・価格があいまいだと「本気で売る気がない」と見なされ、商談が止まります。
  • ・バイヤーは社内で利益率・販売価格・在庫回転を試算するため、具体的数字が不可欠。
  • ・数字を提示できない企業はリスクが高いと判断され、契約に進みません。

3. 契約条件(独占権の取り扱い)

多くのバイヤーは「独占契約」を求めます。売る側はリスク管理が必要です。

意識すべきポイント

  • 独占するかどうか:社内方針を明確化(独占/非独占)。
  • 契約期間:売り手は1年、バイヤーは3年を希望しがち。折衷案(初年度1年+更新)も検討。
  • 売上目標:例)年間◯万ドル以上。未達時は更新しない等の解除条件を明確に。
  • 柔軟性:複数パターンを準備(例:独占1年更新/非独占+販売支援強化)して交渉幅を確保。

なぜ必要か?

  • ・曖昧なまま独占を与えると、売れないのに他で販売できない事態になります。
  • ・バイヤーは投資を守るため独占を求めますが、売上目標がなければ相手だけが得をする一方的な契約になりがち。
  • ・事前に条件を整理しておくことで、商談の主導権を握れます。

4. パッケージ・ラベリング

パッケージは「消費者が最初に触れる部分」。売れる形に整えてから持ち込みましょう。

意識すべきポイント

  • 英語表記:成分・使い方・注意事項は必須。
  • 現地言語対応:最初は英語+現地語のシール対応でも可(例:ベトナム語・タイ語・タガログ語)。
  • 法律の確認:食品表示法や化粧品規制など、国ごとの要件を事前チェック。
  • ブランド統一:国内外でデザインやトーンを合わせる。
  • 柔軟対応:現地の要望に合わせて修正できる体制を示す。

用語の補足

ラベリング=パッケージの表示(成分や注意事項など)。法律で義務づけられている国も多いです。

なぜ必要か?

  • ・表記がなければ販売できない国が多く、税関で止められることも。
  • ・消費者は読めない言語の商品を不安に感じ、購入に至りにくい。
  • ・対応できない企業は参入の本気度が低いと見なされます。

5. サンプル提供

商談を前に進めるにはサンプルが不可欠です。ここでのケチは機会損失に直結します。

意識すべきポイント

  • 基本は無償:特に食品・日用品。高額商材は相手を絞って提供。
  • 高額商品の場合:有望バイヤー限定で無償、または「購入額を後で返金」方式。
  • 送料込みコスト:EMSで3,000〜5,000円程度を想定(将来の契約額と比較して投資判断)。
  • 試用サポート:使い方・推奨売場・販促のヒントなどを同封。
  • 対象選び:誰にでも配るのではなく、見込みのある相手に集中。

なぜ必要か?

  • ・実物を試さないと、バイヤーは販売の可否を判断できません。
  • ・無償提供は本気度のアピールになります。
  • ・数千円を惜しんで、数百万〜数千万円規模の契約を逃すリスクがあります。

海外市場で直面しやすい現実

  • 「品質は高いが価格が高い」という印象が根強い。
  • 店頭では韓国・欧米ブランドが大きな棚を占有。
  • 一部の高級店にしか置かれないケースが多い。

示唆: USPの明確化・価格戦略・現地マーケティング支援をセットで準備することが不可欠です。

商談準備チェックリスト

次の項目にYESと答えられますか?(確認のためチェックしてください)

目安: YESが3つ未満なら要注意。現状のままでは商談で成果が出にくい可能性があります。

まとめ

海外商談は準備で決まる。任せきりではなく、自分たちも一緒に市場を開拓する姿勢を示すことが信頼につながります。

  1. ①提案資料 → 比較・評価の土台
  2. ②価格表 → 即答できないと商談が止まる
  3. ③契約条件 → 相手だけが得をする一方的な契約を避ける
  4. ④パッケージ → 消費者に伝わる形に整える
  5. ⑤サンプル → 本気度を示すシンプルな手段

海外商談の準備、整っていますか?

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