インドネシア市場進出ガイド_ジャカルタの消費者ニーズと日本企業のチャンス

近年、東南アジアの中でも特に注目を集めているインドネシア市場。
その巨大な人口と経済成長は、多くの日本企業にとって魅力的な輸出先となっています。
本記事では、弊社の営業が渡航で得られた生の情報に加え、様々な情報源からの知見をもとに、
インドネシアの中心地であるジャカルタ市場の現状、消費者の特徴、そして日本商品が成功するためのヒントを深掘りしていきます。
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インドネシア市場の中心地:多様な顔を持つジャカルタとその地域特性
インドネシアの経済発展の中心は、依然としてジャカルタです。
しかし、そのジャカルタ内でも地域によって住む人々の層や文化、消費行動には大きな違いがあります。
これらの地域特性を理解することが、ジャカルタ市場攻略の第一歩と言えます。
北ジャカルタ: 新都市「PIK 2」の開発が進む。宗教の多いインドネシアでは珍しく、豚肉料理を提供するレストランが存在するエリアです。
南ジャカルタ: 富裕層が多く居住するエリアとして知られています。
西ジャカルタ: 空港に近く、日本を含む外国からの駐在員が多く居住しています。比較的アパートなどの住居費が抑えられます。
東ジャカルタ: 現地人が多く住まれています。
中央ジャカルタ: ビジネスの中心地であり、多くの人が行き交います。今回の渡航で得た情報で特に注目が、富裕層が買い物をするには、日常的なショッピングモールではなく、特別な通りに立ち並ぶ家具やキッチン用品などのショールームで買い物を好むという点です。
注目すべきは、大きなショッピングモールは多くの層の人々が訪れる一方、富裕層はショールームで買い物を好むという点です。富裕層はそれぞれ家政婦を雇っており、家政婦が日用品をショッピングモールなどで買い物をしますが、富裕層の方々は、高単価な商品などをショールームで買い物をする傾向があります。
これは日本とは異なる消費行動であり、インドネシア市場、特に富裕層をターゲットとする日本企業にとって重要な示唆を与えてくれます。
単に商品を棚に並べるだけでなく、ブランドイメージを構築できるショールームという形態が、富裕層への訴求には有効です。
また、そのほかの地域については、ジャカルタを出るとそれほど大きな街はなく、経済の投資もジャカルタに集中する傾向があるとされています。今後、新たな首都への遷都計画はあるものの、現時点ではジャカルタ市場を攻略することがインドネシア市場進出の鍵となると言えるでしょう。
日本商品への期待:根強い漫画文化と高品質な日本食人気
インドネシアにおいて日本の漫画文化が広く浸透しており、これが日本への親近感につながっています。
その為、海外からの輸入品の中でも、日本製品の人気が高く、特に、ドラえもんなどの人気漫画を通じて日本文化に触れて育った世代が、日本製品への高い需要を支えているようです。
その影響から、日本食レストランは非常に人気があり、多少高価でも受け入れられる傾向があるようです。この事実は、食品をはじめとする日本製品にとって大きなアドバンテージとなります。
日本の食文化に対するポジティブなイメージを活かし、高品質な日本食材や食品を展開することで、市場での優位性を確立できる可能性があります。
パッケージ戦略の鍵:シンプルさよりも「派手さ」と「自然志向」
インドネシアで売れている商品のパッケージは、日本のようなシンプルなデザインとは異なり、派手な色使いやデザインが目立ちます。
現地の人は並んでいる商品の中から、そうした目を引くパッケージの商品を選ぶ傾向があるため、日本商品がそのままのパッケージで展開した場合、アピール力が弱い可能性があります。
そのため、現地の消費者の好みに合わせたローカライズを検討していく事が必要になるでしょう。
また、インドネシアでは健康志向が高まっており、化学物質を避け、自然な成分を好む人が多いとされています。そうした商品は多少高価でも購入される傾向があるため、日本企業が健康や自然を謳う商品を展開する際には、この点を積極的にアピールすることが有効になります。
さらに、現代のトレンドとして、SNSでの拡散を意識したパッケージデザインも重要となる可能性があります。SNSを通じて個人の体験や使用感が拡散され、トレンドが形成される現代においては、「映える」デザインや、共感を呼ぶメッセージが、特に若年層へのアプローチに有効と考えられます。
インドネシア市場で成功するためのヒント
今回の渡航で得た情報や考察、そしてその他の情報源からの知見を踏まえると、日本商品がインドネシア市場で成功するためには、以下の点をより深く考慮する必要があると考えられます。
ターゲット層の明確化: ジャカルタ内でも地域ごとに消費者の特徴が異なるため、どの層をターゲットにするかを明確にする必要があります。特に、中間層以上をターゲットとする場合は、価格競争ではなく、商品の品質やコンセプト、ブランドイメージが重要です。
パッケージのローカライズ: インドネシアの消費者の好みに合わせた、派手で目を引くパッケージデザインを検討する必要があります。
自然・健康志向への訴求: 健康や自然な成分を重視する消費者が多いため、関連する日本商品はその点を積極的にアピールすることが有効です。
ショールーム戦略の検討: 富裕層をターゲットとする場合、小売店舗の開拓よりも、ショールームを運営している代理店の開拓も有効です。専門のショールームに商品を展示・販売することも有効な戦略の一つとなりえます。
信頼できる現地パートナーとの連携: 上述で述べた通り、代理店契約を結び、現地にショールームを開設する事が、インドネシアにブランドを展開する上で勝ち筋となりますので、現地の商習慣や消費者ニーズを理解したパートナーとの連携が不可欠です。
SNSを活用した情報発信: 高級な家具やデザイン性の高い商品はインターネットでも購入される傾向があり、SNSなどを活用した情報発信が重要です。インフルエンサーとの連携やSNSマーケティングは現代の購買心理において非常に有効です。
まとめ
インドネシア市場は、日本企業にとって大きな可能性を秘めた魅力的な市場です。
今回のインドネシア渡航から得られた、ジャカルタを中心としたインドネシア市場のリアルな情報は、日本企業が同市場への進出を検討する上で非常に貴重なものです。
地域ごとの消費者の違い、日本文化への親近感、パッケージや健康志向の特徴、そして独自の購買行動を理解し、適切な戦略を立てることで、インドネシアに販路開拓を実現できる鍵となれば幸いです。
COUXUではインドネシア以外にも、アジア件を中心とした販路開拓を全面的にサポートしています。
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