ケニアのウィリアム・ルト大統領は7月11日、リガティ・ガチャグア副大統領(注)およびムサリア・ムダバディ内閣筆頭長官兼外務・ディアスポラ担当長官を除く、全ての閣僚を更迭したことを発表した。ルト大統領は「(支持基盤の)より広範な政府(Broad-based government)」を目指すとしており、閣僚不在の間は各省の事務次官が実務を担当する。
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セカくん: 「ケニアのウィリアム・ルト大統領が全閣僚を更迭したんですね。どんな背景があるんですか?」
コネ姉さん: 「そうよ。ルト大統領は7月11日にリガティ・ガチャグア副大統領とムサリア・ムダバディ内閣筆頭長官を除く全ての閣僚を更迭したの。大規模デモや増税案への反発など、国内の緊張が高まっている中で、より広範な支持基盤を目指すとして、この決断を下したの。」
ボス: 「ふむ…警察トップも辞任したんだな。」
コネ姉さん: 「そうね。警察トップのジャフェス・クーム長官も辞任したわ。これは6月26日の大規模デモで多数の死傷者を出したことに対する責任を負った形ね。」
セカくん: 「デモの原因は増税案なんですね?」
コネ姉さん: 「そう、ルト大統領は6月26日に増税案を白紙撤回したものの、ナイロビの中心部などでデモが続いているわ。SNS上では『#RutoMustGo(ルト大統領は辞任せよ)』というハッシュタグが広がり、批判的な声が止まらないの。」
ボス: 「デモの中心となっているのはどの層なんだ?」
コネ姉さん: 「Z世代と呼ばれる若年層が中心ね。特定のリーダーが存在しないため、ルト大統領も対話を試みているわ。7月5日にはSNS上でZ世代との対話を生放送したり、様々な改革案を打ち出したりしているの。」
セカくん: 「具体的な改革案はどんなものがありますか?」
コネ姉さん: 「例えば、47の国営企業の解体、各省の副長官ポストの廃止、大統領・副大統領夫人オフィスの廃止、政府関係者の不要な海外出張の自粛などが挙げられるわ。しかし、これらの改革案に対しても不満が収まらず、IMFや駐ケニア米国大使に対する非難の声が上がっているの。」
ボス: 「ケニアの状況が他のアフリカ諸国にも影響を与えているのか?」
コネ姉さん: 「そうね。現地紙によると、ケニアにおけるZ世代の抗議行動は、ウガンダ、タンザニア、ナイジェリア、ガーナなど他のアフリカ各地の若年層にも大きな影響を与えているわ。」
セカくん: 「経済面での影響はどうなっていますか?」
コネ姉さん: 「ムーディーズはケニア国債の格付けをB3からCaa1に引き下げたわ。これはケニアの財政状況の深刻化と行政の機能マヒが懸念されているためね。」