【OEM企業の持続戦略】海外企業のビジネススピード/情報網構築/健康補助ニーズ/現地直接営業/グローバル永続経営
1.長期継続を見据えた海外戦略の重要性
サプリメントOEM事業における海外展開は、国内取引と比較して、商談に至るまでのコストや労力が大きくなる傾向にあります。そのため、単発の受注で終わらせず、いかにリピート発注や新商品開発につなげ、長期的な利益を確保するかが成功の鍵となります。
本動画は、創業約50年の歴史を持つ株式会社アスナロ化工研究所の志賀様との対談を通じて、アジア市場(タイ、ベトナムなど)で実績を上げているOEM企業が実行する、「スピード」と「フォローアップ」を重視した再現性の高い戦略を深掘りします。
2. 企業背景と強み:サプリメントOEM企業が持つ武器
Q: 貴社のOEM事業の概要や、国内における独自の強みについて教えてください。
志賀様:弊社は創業約50年の歴史があり、現在は3代目の経営者のもとで事業を継続しています。社員数は約60〜70名という規模です。この規模感を活かし、一番の強みとしているのが「スピード感を持った顧客ニーズへの対応」です。
商談開始から、商品の開発、製造、納品までの各部門が情報を共有し、納期への対応を最優先しています。近年は部門間のコミュニケーション強化や社内システムの標準化・可視化に力を入れたことで、納期対応力もさらに向上しました。弊社としては、やはり一番の強みとしては、そのスピード感を持った顧客ニーズへの対応っていうところを常日頃から心がけて取り組んでいるところですね。
Q: 取り扱いジャンルや、OEM事業と自社ブランド(PB)の関係性はいかがでしょうか。
志賀様:美容、ダイエット、免疫、アイケアなど幅広い用途の商品を手がけており、長年の経験から豊富なデータが蓄積されています。OEM事業を通じて市場のトレンドを把握し、そこで成功が見込めるジャンル・コンセプトの商品を、自社PBとして速やかに立ち上げて販売する戦略もとっています。
3. アジア市場の特性と課題:日本の成功は通用しない
Q: 海外展開を始められた経緯と、すでに実績のあるアジア市場の特性について教えてください。
志賀様:海外展開はまだ数年の経験ですが、すでに中国、台湾、香港、ベトナム、シンガポール、ミャンマー、韓国などに輸出実績があります。ただし、海外市場には大きな壁があります。それは、「日本で売れた商品が、海外でも必ず売れるとは限らない」という点です。
各国の文化や食生活の違いを考慮した商品が求められます。また、海外のお客様は日本の顧客よりも、提案する商品の「訴求効果」や「エビデンス」に対する要求が強い傾向があります。
その国が求めるものをしっかりキャッチすることが、まあ、1つ重要かなと思いますね。
Q: 海外取引におけるコストや労力の課題には、どのように向き合いましたか?
志賀様:やはり、それにたどり着くまでのコストと労力は、国内取引よりかかってしまいます。そのため、一回のオーダーで全てを回収しようとは考えないことです。それを皮切りに、リピートや、違う商品の開発につながる声かけがあるところまでを見据えて、長いスパンで物事を考えるようにしました。
4. 成功のアプローチ:スピード対応と納品後フォローアップ
Q: その課題を乗り越え、海外取引を長期化させるために実行した具体的なアプローチを教えてください。
志賀様:アプローチは大きく2つあります。1つ目は、先ほどの強みにも通じますが、「コミュニケーションのスピード」です。メールであっても、SNSであっても、きた質問に対しては「確実にスピード感を持って返答していく」ことを常に心がけています。
2つ目は、フットワークの軽さです。案件の角度が高くなったり、その国との取引件数が増えたりした際には、「リアルに訪問しに行く」ということを実行しました。
何度も、相手国に訪問をしましたけど、感覚的にどの国のどの会社であっても、やっぱり実際訪れると喜んでいただけてる感は、やっぱりあるんですよね。わざわざ来たのか、みたいな。
Q: 特に重要視されている「リピート」獲得のための、納品後のフォローアップ戦略について詳しくお聞かせください。
志賀様:納品したら終わり、ではなく、納めた後の動向を気にかけることです。少し時間を経てから、商品の売れ行きの進捗を確認したり、「何かお手伝いできることはないでしょうか?」というフォローアップメールを送るように心がけています。
例えば、日本で売れた実績に基づいた「もう少し奥深い情報訴求」や、「摂取するタイミングの変更」「宣伝の書き方」といったマーケティング的な知見を共有しました。納めた後もサポートしてあげると、より両者にとって良い方向へ進んでいきます。
5. 海外取引の結果と再現性の条件
Q: 現在、どのような商品ジャンルや販路セグメントがアジア市場で好調ですか?
志賀様:国を問わず、美容ジャンル(美白・美肌) と、健康を支えるベースとなるマルチビタミン・マルチミネラルなどのベースサプリメントのニーズが高いです。特に最近では、免疫力向上を訴求するアイテムがベトナムやタイといったアジア諸国で、日本以上にマーケット規模があると感じられるほど好調です。
Q: 海外取引で得られた学びを、3点のアドバイスとしていただけますでしょうか。
志賀様:まとめると以下の3点です。

