取引が成功する海外企業との理想の関係性 #セカイコネクトアカデミー 1-1
人口減少に伴う内需の低下や、グローバル化による海外企業の台頭…
これらのリスクに備え新しいビジネスチャンスを得るために、海外企業への提案準備を行い始める日本企業も多いのではないでしょうか。
「でも海外進出って何から始めればいいのかわからない」
「自社商品は価格が高いから、海外では特に売れなさそう」
私たちはそんなみなさんの不安を解消し、海外貿易における課題を「すべて解決」したいと考えております。
セカイコネクトアカデミー1-1の本記事では、海外進出の準備段階として
・商品が売れる仕組み
・初めての海外進出でとりやすい形態
・海外企業が日本企業に求めていること
・取引が成功する海外企業との理想の関係性
をお伝えしていきます。
目次
取引の成功につながる商品の流れ
まずは改めて、商品が売れる流れを整理していきましょう。
上図は商品を製造してから販売するまでの一連の流れを表しています。
製造業が製造した商品を、商談を通して成立した契約を基にメーカーが購入します。
その後、一般的には図のように輸入問屋、小売店、消費者という順で商品が売買し流通していきます。
ここでみなさんに質問です。
商品の売れる・売れないは、この流れの中の誰が判断しているのでしょうか。
答えは最後の消費者です。
消費者の数と「欲しい」の声が増えれば、ニーズやお金が製造業まで届き、増産にも至ります。
消費者が買うから小売店、輸入問屋、メーカーも商品を買い、製造業も商品を作ります。
逆に消費者が商品を「いらない」と言った場合、小売店、輸入問屋、メーカーも商品が必要なくなるため、製造中止という結果になります。
したがって、消費者の「欲しい」というニーズがビジネスパーソンのチャンスになるのです。
この「欲しい」がどの程度創れるかが、どの程度のビジネスになるかにもつながってきます。
消費者の「欲しい」をどのような手法で創るのか
消費者の「欲しい」の創り方は、以下の3つの段階でもいくつかの種類に分けられます。
輸出形態
①間接貿易
メーカーが商社に、商社が輸出者に売る間接的な方法。
②直接貿易
メーカーが輸入者に売る直接的な方法。
この二つのうち、②直接貿易が海外進出しやすい方法だと考えています。
①間接貿易のように、商社など間に一人入ってしまうだけで、現地の消費者の「欲しい」の声が拾いづらくなってしまうからです。
あらゆる国で入れるような状況にしていくためには、消費者の声を活かしたマーケティングが必要です。
展開手法
①代理店販売店取引
本社が海外現地の問屋や小売店に卸す方法。いわゆるBtoB。
②越境EC
インターネットを通じて消費者に販売する方法。いわゆるBtoC。
中でも、・海外向けに自社サイトを立ち上げる
・海外の他社サイトに商品を卸す
・海外ECサイトモールに出店する の方法があります。
越境ECについては以下のリンク先の記事でも取り上げていますので、ぜひ参考になさってください。
https://world-conect.com/cross-border-ec
同じく消費者の声を重視するならば、①代理店販売店取引の方が推奨されます。
現地のニーズ、トレンド、消費行動がわからないままECサイトに商品を販売しても、ただの誰も知らない商品であるため、売れにくいことが予想されます。仮に広告を打とうとしても、その戦略が立てづらいことには変わりありません。
したがって、①のようなBtoBによって、現地企業から情報を得ると共に、現地で営業・マーケティングを行う際のリソースを半分持ってもらうような体制が望ましいです。
全てのリソースを自社で賄おうとすると、コストも労力もかかります。
なるべく現地企業にパートナーのような関係になってもらい、現地の人たちと共に行っている、手伝ってもらっているという状況が望ましいです。
進出形態
①駐在員事務所支店
簡単に言うと法人口座を持たない現地支店。
営業、サポート、メンテナンスのためにあるため、入金など取引に関する手続きはは日本企業が行います。
②現地法人
日本企業が資本の100%を持つ独立資本と、日本と海外が分け合って資本を出す合弁会社があります。
海外進出のはじめとして一番とりやすい形態は、以上二つに含まれない、日本からの遠隔での進出です。
前述したように現地の情報がわからないまま①駐在員事務所支店や②現地法人を立ち上げることは、リスクとコストが高くなります。
ここまでをまとめますと、直接貿易を代理店販売店取引によって日本から遠隔で行うことが、一番「欲しい」を創り出せて海外進出しやすい方法だということです。
海外企業が考えていることって何?
相手の考えている「欲しい」がわかるからこそ理想的な関係が築けるのですが、では海外企業は一体どのようなことを考えて取引を行おうとしているのでしょうか。
上図の一連の業務を通して、海外企業が考えているのは主に以下の4つです。
売上の最大化
企業が掲げるビジョン、バリュー、ミッションの体現が売上です。
商品の発掘から売り場の管理、店頭での販促関連業務の実施を行うことで、売上の向上を目指しています。
粗利の最大化
粗利とは、商品一つあたりの売上から原価を差し引いたものを指します。
原価をなるべく抑え、この販売粗利を確保するための業務を行っています。
業務効率の最大化
特に海外企業との取引となると、通常とは異なる商品管理、営業支援が求められ、貿易業務なども加わってきます。
これら一つ一つの効率化を図らなければ、余計な労力とコストがかかってしまいます。
商品寿命の長期化
導入期、成長期、成熟期、衰退期の流れで表される商品寿命は全てで何年なのか、継続的な販売が実施できる環境整備も欠かせません。
商品寿命が長ければ長いほど取り扱おうという気になってくるのも当然でしょう。
したがって、海外企業は「売上を上げる商品を効率よく仕入れを行い、粗利額を高く継続的に販売したい」と考えながら私たち日本企業との取引を行おうとしています。
理想的な関係性のために日本企業が生かせる3つのポイント
海外企業が考えている以上の4つのことのうち、みなさん日本企業の強みが生かせるのは、売上を除いた3つのポイントです。
業務の効率化
売上はこちらからコントロールできませんが、営業資料作成の効率化やミーティング時のコミュニケーションのスムーズさなどは、自社でやろうと思えば可能です。
もっと重要度の高い業務にかけられる労力が増え、取引先の海外企業にとっても取引しやすいスピード感の高さと満足度につながります。
粗利額の確保
海外企業が一定の粗利額を確保できるような価格設定をすることで、取引の妥当性を確保できます。
継続性のある取引
双方の企業が長期的な利益を確保できるならば、取引がしやすくなります。
商品寿命が短い、つまり継続性が短くなってしまう原因に、同じ商品を同じエリアで多くの問屋さんが行っている状況が挙げられます。
競合の出現により値下販売が激化して適正価格が維持できなくなれば、販売しても儲からなくなり寿命が短くなってしまいます。
解決策として、海外企業に独占販売権を付与し、その企業以外は販売できない状況を生み出すと良いでしょう。
実現すべき海外企業との関係性
良い商品だと海外企業にただただアピールするだけでは、海外進出の成功にはつながりません。
海外企業が取引する際に考えていることを踏まえ、業務効率、粗利額、商品寿命の強みを共に実現できるパートナーのような関係性が理想的です。
その関係性をベースに直接貿易を代理店販売店取引によって日本から遠隔で行うことで、消費者の「欲しい」を直接取り上げ、商品を届けることが成功の一歩となるのです。
次回のセカコネアカデミーは、自社の商品を海外企業に適切に伝えるために「自社・自社商品の強みを理解する」というテーマでお届けします!
ぜひご覧ください。
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