【海外営業の真髄】「鳥取の風土」を武器に世界へ挑む老舗酒蔵の勝算とは?現地を歩いて見つけた「売れない理由」の突破口|千代むすび酒造株式会社

創業から続く伝統を守りつつ、「鳥取から世界へ」をコンセプトに進化を続ける千代むすび酒造株式会社。28年以上前から海外輸出に取り組んできた同社ですが、既存のルートに頼るだけでは見えてこなかった「世界のリアルな市場」がありました。本インタビューでは、入社後わずか数年で世界各国を自ら歩き、現地の「生の声」を拾い上げることで、海外戦略をいかにアップデートさせたのか。代表取締役社長の岡空様から老舗酒蔵が直面した流通の壁と、それを突破するための極意を伺いました。

この記事でわかること(要点)

  • 「現地に足を運ぶ」ことでしか得られない、ローカル市場の真のニーズ
  • 限定流通を強みに変える!海外でのブランドコントロール術

千代むすび酒造株式会社
従業員数(2025年時点)
34名
事業内容
お酒の製造、小売業
海外の輸出状況(取材当時)
アジアや北米など数カ国に輸出

 

動画で全編を見る

インタビューの全編は下記の動画でご覧いただけます


インタビュー:「鳥取から世界に羽ばたく進化する老舗」をコンセプトに海外進出

Q. いろいろなお酒がある中で「日本酒」を輸出する事に向けて、工夫している事はありますか?

A. この土地(鳥取県堺港市)にしかできないローカルな事が強みだと思うので、その辺を全面に押し出してPRさせていただいており、鳥取県でしかないお米や風土なんかを伝えるようにしています。

Q. 日本では販売先のメインはどういう所になるのですか?

A. メインは飲食店と小売店で、弊社は問屋流通を全くしていないので、全国の専門小売店を通して販売しています。

Q. 中間業者(問屋)を入れると何ができなくなる所が大きいのでしょうか?

A. 限定流通などのコントロールが難しくなると思いますね。コミュニケーションの齟齬が生まれたりもする可能性もあるので。


先代が築き上げた海外輸出をどう変化させたか

Q. 岡空さんが入り、海外輸出の状況を最初はどのように感じましたか?

A. 輸出は28年ほど前からスタートしておりまして、当時はアメリカなどでは冷酒を高い価格で買うという事が受け入れなかったという風に聞いてました。私が来たのが6年程前で、その時に世界中を回らせていただいて感じたのは、国によってルールが違いますし、流通の暗黙のルールがある国もあるので、当時の情報のままやっていても中々伸びないと思いました。

Q. その中で日本酒を世界に広める為にはなにが必要だったのでしょうか。

A. 世界全体のアルコールのマーケットの中でも、日本酒はかなり小さいマーケットなので、ローカルのいろんな生の声を聞かないと伸びていかないと思ったので、やり方を変えていかないといけないと思いました。まずは現地の声を拾いに行く必要がありましたね。


海外営業に必要な事前準備について

Q. 海外営業があるというのを入社前に知っていたと思います。どのような準備をしていましたか?

A. 2017年の秋に入社し、半年前から英会話には通っていました。酒蔵に転職する事を先生にも伝えていたので、使うであろう単語などは勉強していました。今でもコミュニケーションは自分の想いを伝えるって事をやっています。


「現地の声」を聞いて見えた改善点と今後の戦略

Q. 海外の「生の声」を聞く事を行なったと先程お伺いしました。どのような活動をしたのですか?

A. とりあえず取引の可能性がある所は全部回りました。すでに取引がある国を回るのではなくて、これから開拓する国に行くと売れていない理由が見えてきたという感じですね。

Q. 具体的に見えてきた事や改善した所など、ストーリーがあれば教えてください。

A. 飲食店などにお話を聞くと、日系のインポーターからは購入ができないと聞いた事があったので、ライセンスの問題もありますが、現地のローカルのインポーター経由でないと流通していかないのだろうなと思いました。その経緯があり、今は紹介などをいただいたりしてそちらの方ともお話をしています。


最後に:海外輸出に手がでない日本企業に向けて

Q.日本企業から千代むすび酒造のように海外にバンバン輸出していきたいと言われた際、どんなアドバイスをされますか?

A. 輸出したいという気持ちがどれだけあるかが大事です。後は「出せる量がない」など言われる事が結構あるのですが、本当に出したいと思っているならまずその確保ですね。私は海外企業との密なコミュニケーションが大切だと思っているので、そのスタイルに対応できるかも重要です。


まとめ:老舗酒蔵が「世界に羽ばたく進化」を遂げた秘訣は、自ら現地に飛び込む「徹底した現場主義×熱量を持った対話」にあり

  •  ・スペックの提示以上に、鳥取の「風土」や「お米」といった唯一無二のストーリーを伝える重要性
  •  ・既存ルートに甘んじず、自ら現地インポーターや飲食店の「生の声」を拾い、流通の改善点を見極める姿勢
  •  ・「輸出したい」という強い意志を基盤に、言語を超えて想いを伝え続ける密なコミュニケーションの継続

COUXU社の見解

私たちCOUXUは、2万回を超える商談支援の中で、長年輸出を続けていながら「ある一定の規模から販路が広がらない」という壁にぶつかる企業を数多く見てきました。 その最大の要因は、既存のルートや日系インポーターに頼り切りになることで、現地のローカル市場が求める「真のニーズ」や「売れない理由」という一次情報に触れる機会を失っていることにあります。
千代むすび酒造様が体現されたように、自ら市場を歩き、日系経由ではなく「現地のローカルインポーター」という本丸に切り込むことで、初めて戦略の解像度は上がります。 海外で日本酒のような競合の多い商材を売るには、単に「商品を置いてもらう」のではなく、限定流通によるブランドコントロールを行い、バイヤーが「自社で扱う経済合理的メリット」を確信できる環境を整えることが不可欠です。

 

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