
セカくん:
えっ、EUのCSDDD(企業持続可能性デューディリジェンス指令)とCSRD(企業持続可能性報告指令)が簡素化されるって、めちゃくちゃ大きな動きじゃないっすか?!
コネ姉さん:
その通りよ。今回の政治合意は、企業の負担を減らしつつ、サステナビリティ推進を現実的にするためのバランス調整ね。特に中堅企業にとっては追い風になるわ。
ボス:
ふむ…CSDDDってのは、要はサプライチェーンの人権や環境リスクを調べる義務ってやつだな。それが緩和されるってことか?
コネ姉さん:
そう。従業員5,000人以上・売上15億ユーロ以上の企業に限定されたから、対象企業数は約7割削減よ。中小企業まで巻き込まれるリスクが大きく減ったの。
セカくん:
しかも、情報提供を求められる対象外企業の負担も減るってことは、下請けや日本の取引先企業にも好影響ありそうっすね!
コネ姉さん:
そうね。リスク評価の範囲も“合理的に利用可能な情報”に限定されたから、やみくもに全サプライヤーを調査しなくてよくなったの。
ボス:
それにしても、パリ協定の移行計画義務や民事責任ルールまで削除されたってのは、かなり譲歩したんじゃないか?
コネ姉さん:
EU内でも企業側の反発が強まっていたのよ。「過度な規制は逆にESG推進の妨げになる」という現実的な判断ね。制裁金も3%以下に引き下げられたのは大きな変更点よ。
セカくん:
CSRDの方も、対象企業が約8割減るって、これもかなりインパクトあるっす!特に日系企業にも影響ありそうっすね。
コネ姉さん:
ええ、特にEU域内に売上高4.5億ユーロ以上の日本企業や、支店・子会社を持つ企業は影響を受ける可能性があったけど、今回の基準引き上げで一部は報告義務から外れる見込みね。
ボス:
でももう報告準備始めてる企業もあるんじゃないのか?適用免除になるなら、動き方も変わるな。
コネ姉さん:
実際、2025年度から適用免除となる場合があるから、すでに報告体制を準備していた企業は方針を再検討する必要があるわ。けど、ESG情報開示そのものは今後も求められる流れよ。
セカくん:
中小企業向けに任意の報告基準(SME基準)に限定されるってのも良心的っすね!大手からの過剰な情報要求が減るっす!
コネ姉さん:
そう、過剰なサプライチェーン情報要求に歯止めをかける狙いもあるの。EU全体としても「持続可能性と経済合理性の両立」を意識してるのね。
ボス:
ふむ…つまり、ルールは厳しいままだが、過度な負担は減らす方向にシフトしているというわけだな。
コネ姉さん:
その通り、ボス。今後もESG対応は避けられないけど、企業規模に応じた“実行可能性”が重視されてきたというのが今回の合意の意義なのよ。


