外国人に人気のメイドカフェ なぜ日本文化になったのか

外国人に人気のメイドカフェ なぜ日本文化になったのか

「おかえりなさいませ、ご主人様!」のあいさつでおなじみのメイドカフェ。
日本文化の一つとして見られるようになったきっかけや経緯をご存知でしょうか。
なぜメイドカフェが外国人に人気の日本文化になったのか、またそこから見える日本のビジネスの強みをご紹介していきます!

メイドカフェの発祥は?

メイドカフェと言われるようになったのは比較的に最近で、その前のメイド喫茶の発祥は、明治時代にまでさかのぼります。
ビヤホール店で有名な銀座ライオンの原型である「カフェー・ライオン」という飲食店が東京の銀座に店舗を構えていたのですが、そこで美しい女性の給仕が和装にエプロンとで接客していたことが始まりだそうです。

一般的に認知されるようになったのは、2001年に世界初の常設型メイド喫茶、「Cure Maid Cafe」の開店がきっかけです。
当初このメイド喫茶では、今のように「萌え」を前面に押し出したサービスは行っておらず、スタッフの制服がメイド服であるだけで、他は通常の喫茶店と変わらなかったといいます。

そしてこの世界初のメイド喫茶が開店した地が、日本のサブカルチャーの発信地、秋葉原だったのです。
1970年代以降、電化製品やアニメ、漫画の専門店が続々と開業していた秋葉原では、すでにあらゆる分野のマニアが集まる聖地となっていました。
2000年頃からのアイドルブームの勢いも追い風となって、メイド服を着たスタッフをアニメキャラクターやアイドルのような存在として捉えられるようになり、新規だけでなくリピーターのお客さんが増加していったのだと考えられます。

どんな人が訪れてるの?

「アニメやアイドルが好きな人しか楽しめないの?」「女性はなんとなく入りにくい…」と思っていらっしゃる方、全くそんなことはありません。

女性である筆者も先日初めてメイドカフェを訪問したのですが、「ご主人様」だけでなく、私と同じように「お嬢様」と呼ばれるお客さんも多く見受けられました。中には女性二人組で誕生日を祝ってもらいに来ていたり、小学生ぐらいの子供を連れてきているご家族もいらっしゃいました。

ここまで一般化した理由は、主に二つあると思います。
一つは、メイドカフェという業態が持つエンターテインメント性の高さです。
先述した通り、ただメイド服を着て接客するだけでなく、独自のサービスを提供するようになったのがメイドカフェの成功要因でしょう。
おそらくみなさんが想像されるように、注文したドリンクやフードによっては、担当のメイドさんが席で最後の仕上げをしてくれます。他にも、空き時間にもメイドさんがお話をしに来てくれたり、好きなメイドさんと2ショットが取れたりと、普通のカフェでは体験できない楽しい空間になっています。
メイドカフェによって働いているメイドさんが違うのはもちろんのこと、サービス内容やコンセプトが様々であるのも、幅広い人々が訪れたくなる魅力の一つかもしれません。

もう一つは、私たちを取り巻く環境の変化です。
近年は、マニアやオタクと呼ばれていたような自分の好きなことをとことん愛する人たちが、周りの人にありのままの自分の姿を見せやすい社会になったのではないでしょうか。
趣味を通し、自分の生活を豊かにしたり自分について発信したりすることが容易になりました。
そうした情報を通して、「一度は行ってみたいんだけど…」と考える人が、ためらうよりも思い切って行ってみることが増えたのだと考えられます。

他の国にはないの?


メイドカフェと言えば、オムライスも日本発祥なのはご存知でしたか?

メイドカフェを訪れるのは日本人だけではありません。
日本が発祥でもあり、アニメやアイドルといった憧れの存在のようにも見えるメイドさんという独特の文化が、世界中の人々の注目を集めています。

彼らの国々にメイドカフェはないのかというと、例えばアメリカや中国、フランスにもあったようですが、いずれも閉店していたり、期間限定の店舗だったりと、日本ほど普及していないようです。
筆者が訪問したメイドカフェのメイドさんも、「コロナ以前はほとんどが外国の方だった」とお話されていました。
「だから苦手な英語を勉強しているけれど、基本的には表情やジェスチャーでコミュニケーションを取っていて、相手も楽しそうにしてくれている」とも言っていました。
もちろん外国語に対応したメイドカフェも増えてきているようですが、言葉を超えた日本と外国の関わりも垣間見えて、日本文化のすばらしさを実感しました。

日本ならではのビジネスチャンス

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笑うメディアクレイジー(http://curazy.com/archives/13964)より。

メイドカフェを含むこうしたコンセプトカフェの数は増加し、2022年現在、秋葉原だけで200店舗以上あるそうです。
コンセプトカフェとは少しニュアンスが異なりますが、同じ体験型カフェでは、忍者レストランなども話題になりましたね。
忍者の格好をしたスタッフが仕掛け扉や天井から登場して注文を取ったり、忍法をモチーフにした料理を出したりと、エキゾチックな日本の忍者に憧れる外国人だけでなく、私たち日本人も興味を惹かれるお店です。

こうしたメイドカフェや忍者レストランが外国人に人気なのは、日本文化であることとエンターテインメント性が高いことだけではなく、そこにさらに日本人ならではのホスピタリティの高さが加わっているからだと考えられます。
アニメキャラクターやアイドルのような日常では触れ合えない、そのお店独自のキャラクターをしっかりと演じ切ることで、お客さんは世界観に没入できます。
日本人は特にそういったおもてなしの文化が評価されているため、コンセプトカフェのような業態とうまくマッチしているのだと推測できます。

世界的に日本のイメージとして広まっているテーマを選べば、さまざまな業態とミックスさせて事業を海外展開できる可能性も高いでしょう。
例えば、精巧な設計や製造で海外でも評価の高いプラモデル模型やフィギュアをテーマにしたカフェやサロンも、日本文化ならでのは強みを生かして集客力が期待できますよね。
レストラン分野で、世界各国から人材確保が求められている寿司職人を採用するのもいいかもしれません。
日本の和食はますます世界的に人気を高めていて、中でも日本人の職人は海外で不足しており、世界各国の大都市やリゾート地で高給かつ好待遇で募集が続いています。
日本文化を高いクオリティで提供できれば、他店舗との差別化も図れます。

しかし一方で、海外でメイドカフェがあまり定着しなかったように、その土地に合わせたローカライズ、あるいはカルチャライズも必須となってきます。
外国人が日本文化に何を求め、そこにどうアプローチしていくのか、情報収集を徹底しブランド化できればビジネスチャンスにもなりうると考えられます。

まとめ

日本には誇るべき文化が数多く存在し、それを求めて日本にやってくる外国人も数多くいます。
コロナ禍を経て、文化の提供方法や在り方も多様化しました。
それらを上手に組み合わせて、より多くの外国人に日本の文化を知ってもらうことはもちろんのこと、日本企業の新たなビジネスのきっかけになることを期待したいですね。

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