誰でも出来る海外展示会出展で失敗しない4つの活動

誰でも出来る海外展示会出展で失敗しない4つの活動

海外企業と展示会場で上手く話せなかった…。
海外展示会に出展したけど、出展しただけで、名刺の山を放置している…。
展示会に出展した際に、海外企業の対応ができなかった…。

こんな経験はありませんか?

海外に販路開拓をする際の有力な方法として、海外の展示会に出展するという方法があります。また、最近では日本の展示会に出展し、来日する海外企業との商談を行う日本企業も増えてきているというお話を伺います。
展示会に出展される際には、当然ブースも含めて多くの費用をかけ出展される中で、その費用を無駄にしないためにも、多くの成約をしたいですよね。

そのために。
海外展示会の時に通訳の方を準備しないと…。
海外向け人材の獲得をした方が良いのでは…。

このような方法を考える方もいらっしゃると思いますが、いきなり、巨額の費用をかけずとも、出来る事は多くあります。

この課題は、少しの準備と工夫で解決します!

※実際にこれは、既に日本企業が試し成約の効果があった内容です※
今回は、その効果があった『海外展示会で失敗しない』4つの活動をご紹介します。

1.海外展示会出展から成約までのフローを整理する。

まず、海外展示会に出展してから成約するまでのフローを整理してみましょう。

すると図のように4つのフローとなっていると思います。
名刺交換➡商談➡すぐに商品を必要としている企業を分ける➡成約をする。

展示会編 目次写真PNG

今回お話する事の目的は、この4つのフローそれぞれを最大化する事です。

展示会編 目次写真2

2.名刺を交換する企業数の最大化

展示会での名刺交換とは、自社のブースに来場して頂き、案内を行い名刺交換をする。これが通常のフローであると思います。
これをどのようにすれば、名刺を交換する企業数を最大化に出来るか?をご説明します。

2-1.出展地域近辺の企業に出展案内を送る。

日本企業が主に行う海外展示会先は、香港、シンガポール、ドバイ等多くの地域が候補にあがりますが、どこに出展するにしても多くのバイヤー企業に来て頂く事が理想ですよね。そこで、出展地域近辺の企業に対して『展示会に来たらブースによってほしい』という案内をメールにて行います。そのメールでコンタクトをとった企業に来場して頂くという流れです。

そこで準備するのが、企業リストとメールの案内状です。

【企業リストの準備】

企業のリスト取得については下記のような企業や団体が行っています。
特定の地域、業種を依頼する事で、企業リストを購買する事ができます。

また、JETROライブラリーというJetroの施設に訪問する事で、海外企業リストは簡単に入手できます。
JETROライブラリー 紹介URL

《JETROライブラリー 場所》
(東京)
住所:東京都港区赤坂1丁目12-32 アーク森ビル6階
TEL:03-3582-1775(9時~12時/13時~17時)
(大阪)
住所:大阪市中央区安土町2丁目3-13 大阪国際ビルディング29階
TEL:06-4705-8607

【メール案内状の準備】

展示会に出展するのでブースに来場してほしいという案内の定型文を送ります。

【案内状の例】
弊社は日本で○○を取り扱う企業です。
We are a company in Japan that sells ○○.

取り扱っている○○は通常の商品よりも◇◇という事があり、差別化された商品として、現在日本で販売を行っています。
Our ○○, when compared with similar products, is ◇◇. Today, this differentiation sets us apart in the Japanese market.

日本では、○○個/1年間の販売実績があり、この商品を○○地域でも販売を広めていきたいと考えております。
In Japan we have strong records, selling ○○ per year.
We are thinking of expanding our business into ○○.

御社の情報を拝見させて頂き、行っている事業に関係性があると感じたため、ご連絡をさせて頂きました。
I came across your company information and after reading it felt that we share similarities in our business models and so have gotten in touch with you.

このたび、○月○日の△△で行われる◇◇展示会に出展します。
We will be participating in the ♢♢ exhibition at △△ on ○ the ○ of ○.

まだ、○○地域では販売をしていないため、ともに、販路開拓をしてくれる企業を探しております。
As we have no experience selling in ○○ we are looking for a company that together, will help develop sales channels in this region.

商品の内容については、カタログを添付ファイルで確認できます。
With regards to our product please see the attached catalogue.

もし、あなたのご都合が合うようであれば、展示会場にてお話できればと思っております。
If possible, we would very much like the chance to speak with you at the exhibition.

それでは、宜しくお願い致します。
Thank you.

このようなメールを取得した企業リストに送信していきます。私たちは、このような形で日々海外企業とコンタクトを取っていますが、なんと平均的に配布した企業の5%以上の海外企業から返信が来ております。なので、概算ですが100社に案内を行い、5社は名刺交換の企業が増えるという事です。そんなに、労力のかかる事ではない為、非常におすすめです。

2-2.今までコンタクトをとった海外企業全社に展示会に出展する案内を行う。

2-1.の流れと同等に、今までコンタクトをとった事がある海外企業に案内を行います。ただ、2-1.のフローと異なる点は、出展地域以外の企業にも配布する事をお勧めしています。理由は、海外企業も新商品の発掘や、展示会に頻繁に足を運ぶ方が多く、若干遠くても、展示会を見学する事を行っている方が多いからです。なので、出展する地域以外の企業にも配布する事で、今まで止まってしまっていた商談、話がまとまらなく終わってしまった商談、などを進めるきっかけを作る事ができます。

2-3.海外企業が来日した際の案内のフローを決めておく。

来場する海外企業が増えたが、上手く話せなかった…。結局名刺交換すら出来なかった。という事がないように、案内するフローをあらかじめ決めておく事が重要です。良くある事例として、英語をしゃべれる方が数名しかいない。という例です。こういう場合は、2つの役割に分けていきます。

それは、【呼び込みの担当】と【説明をし名刺交換をする担当】の2つです。
展示会編 担当

【呼び込みの担当➡英語が苦手な方】
呼び込みの担当とは、展示会場で見学されているバイヤーを呼びこむ事を担当します。また、お連れしたバイヤーを説明をし名刺交換をする担当に引き継ぐ事を目的とします。簡単なトークスクリプトを準備しているとより便利です。

・カタログと価格表をどうぞ。
➡here is a catalog and price list.

・もしよかったら、商品の担当者からご説明します。
➡if you would like some information about this product,i can introduce to you sales manager.

あまり言葉で説明する必要がなくても簡単な業務なので、英語の苦手意識がある方でも担当する事ができます。

【説明をし名刺交換をする担当➡英語が話せる方】
この担当の方は、展示会終了後も商談を進めていくに当たって、窓口になる方が理想です。ここで準備をしておくと便利なツールがアンケートです。なぜなら、数百人と一気に話を進めていくにあたって、【誰と何を話したか】が分らなくなるからです。海外展示会に出展したが、日本に帰国後、ほとんど話が進んでいない…。という方の原因はこれであるとも言えます。このような事がないように明確に記録できるからです。私たちもよくこのツールを活用していますが、Ipadなどのタブレット端末でも活用する事が出来るので非常に便利です。

《アンケート収集ツール 事例》
Surveymonkey
Questant

ここで、何を目的に欲しいかなど、その場で話した事を記録していきます。
そうする事で、成約に対して近いのか、まだ遠いのか、現状を把握できます。

この時にアンケート項目の中に絶対に必要な項目は下記です。

  • ・導入するとしたらいつごろか?
  • ・競合の商品価格はどの程度か?
  • ・どこの地域で販売をしたいか?
  • ・この商品の何を知りたいか?

導入時期を聞いておくことで、営業マンが商談をするに当たっての優先順位をつける事ができます。すぐに必要であれば、当然優先順位は高く、商談後にもなるべく早めに対応する事が必要ですし、全く決まっていないのであれば、営業マンが多くのリソースを使う必要もありません。競合の商品価格はどの程度か聞いておく事で、全く話にならなそうか、競合に勝てると感じられるか、がわかります。どこの地域で販売をするかを聞いておく事で、送料の概算が出ます。
また、競合の商品価格を聞いておくことで、【送料+自社商品VS競合商品】という形で比較する事も出来ます。初めて海外展示会に出展する方や、このような経験がある企業は、これを決めておく事で、迅速な対応が可能になります。

3.意思疎通の出来る商談企業数の最大化する。

海外企業との商談において、よくある失敗例は、
『商談時に先方とこちらの話している事に不一致があった…。』
『先方はこちらの商品について、ほとんど、理解してもらえなかった…。』
『話が二転三転し、まとまらなかった…。』

など、日本ではないような意思疎通による失敗です。
このような事を防ぐために必要なのが、2つの準備と2つの持ち物です。

【準備する事】
・海外向け営業資料の準備
・海外向け動画資料の準備

【持ち物】
・A4サイズの紙とペン
・タブレット端末、PC
この持ち物と準備をしていく事で、このような失敗例はほとんどなくなります。

これは、以前、海外出張の時に役に立つ事として紹介しています。
海外出張で営業に役立つ、2つの持ち物と2つの準備
このページをご覧ください。

4.今すぐ顧客候補企業数の最大化する。

ここまでの3つのステップを行うと、名刺を獲得し、海外企業と理解し合った商談ができます。ただ、あくまでもゴールが成約である事を理解しましょう。あくまでも目的は成約なので、成約に近い企業を選別し、一番成約に近い企業から労力と時間を掛ける事をお勧めします。その成約に近い企業を選別するに当たり、判断する項目は《購買時期》です。

図のように『今すぐ購買したい!』と言ってもらえる今すぐ顧客には、顧客から営業マンが対応していきます。
その次に、『今すぐにではないが、3か月以内に購買したい。』
その次に、『半年後には購買したい。』
その次に、『まで未定ではあるが、いつか購買したい。』
という形に優先順位をつけていきます。

展示会編 営業フローPNG

また、全ての顧客は、この順位づけをして、それぞれに合った営業活動を行う事で、時間が過ぎるごとに、『今すぐに購買したい』ステータスの顧客との商談ができます。当然、3か月後になれば、3か月以内に購買したい顧客との成約を行う事ができます。この選別を行った後に、まず、3か月以内に購買したいという企業を、営業マンがそれぞれの案件を対応し、商談を進めていきます。海外展示会後には、英語が苦手なでも、あまり通訳の方に頼りすぎず、なるべく直接コミュニケーションをしていく事をお勧めします。理由は、『仲良くならない=信頼関係が生まれずらい』、『通訳の方は商品のプロではない』という事です。ここで英語が苦手な方でも、海外企業とコミュニケーションを取るコツを紹介します。

以前紹介させて頂いた内容ですが、ご覧下さい。
英語が苦手でも困らない?英語でビジネスメール3つのコツ

また、購買まで半年以上かかる顧客には、営業マンではなく、別の形で対応していく事をお勧めします。それは、メール案内での対応です。海外営業リソースが限られている日本企業にとって、すべて営業マンが対応していくと、6か月以上入金までに時間がかかる事に多くの労力を使う事になり、非常に非効率的です。このメール案内の目的は、購買時期が近づいた際にコンタクトを取りやすい環境を作成する事です。期間的には2週間に一度は、案内を送る事をお勧めします。『2週間に一度』というのも、2週間以上、目に触れていないと情報の80%を失うからです。

「エビングハウスの忘却曲線」の内容は次のようになっています。
忘却曲線PNG
20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
1ヶ月後、には79%を忘却し、21%を覚えていた。
引用基:www.nextglobaljungle.com

送る内容としては、新商品の情報、最近の販売実績、割引キャンペーンなどが挙げられます。また、2-3.でお話した『商品について何を知りたいか?』アンケートをとってをとっている事で、企業が知りたい事を一斉に案内する事も出来ます。そして、それぞれの企業の購買時期が近づいたら、営業マンが直接コンタクトを取っていくという流れです。このように、それぞれの見込み顧客を管理していく事で、海外展示会に出展したけど、出展しただけで、名刺の山を放置している…。という事は防ぐ事ができます。

5.成約企業数の最大化する。

今すぐの顧客と商談をした際に、成約企業を最大化する事についてご説明します。

【成約率アップの活動=現地に行ってください!】

現地に訪問する事で、2つの大きなメリットがあります。

・競合他社についての情報が手に入る。
直接現地の小売店を見に行く事が出来るので、マーケティングにおいて重要な情報が簡単に手に入ります。どこで?いくらで?どのように?販売しているのかを見る事で、実際に、どの程度自社の商品に優位性があるのかを理解する事ができます。

・購買候補先企業との関係性が深まる。
日本では、財務情報や企業情報が取得できる環境はありますが、海外では、このような情報を取得する事は困難な事が多いです。それを解決する事は多くなく、安心した取引をするためにも『信頼関係』が非常に重要になってきます。お金のやり取りや、商品のやり取り等、日本と違って、すぐにコミュニケーションが取りづらい地域だからこそ信頼関係が企業通し関係性を深くする重要な事と言えると思います。

6.まとめ

【この4ステップに必要な時間】
展示会編 まとめ写真PNG

この数時間、数日を活用する事で、あなたの海外展示会の成果は大きく異なってきます。
実際に、香港への展示会の際に、この流れをお話させて頂いた事がありましたが、出展企業の中では大きく成果がよくなったとお話をお聞かせ頂きました。

『香港ギフト&プレミアム・フェア2014 ジャパン・パビリオン』『香港ハウスウェア・フェア2014 ジャパン・パビリオン』の出展社説明会

実際に試し、効果のあった内容ですので、是非、皆様も実施してみて下さい!!

セカイコネクトアカデミーオンライン

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