1分でわかる!輸出入時、貨物にダメージが発覚した場合の流れ

貨物にダメージが発覚した場合、いち早く最適な対処をしなければ大きな問題につながることも考えられます。今回は貨物にダメージが発覚した時の流れをご紹介します。
貨物へのダメージとは
大切な製品を傷つけてしまっては売り物になりません。まずは貨物のダメージの代表例を知ることで、未然に防ぐことを意識しましょう。
・貨物濡れ、カビ、錆び
湿気や結露などで商品が濡れてしまうことで破損してしまうパターンです。水濡れしてしまえば、カビや錆びの原因にもなります。また梱包している段ボールがよれてしまっている場合は、カビがついていることがあるので要注意。製品の化粧箱などにカビが付着することで、商品本体が無事でも売り物にならなくなってしまう可能性もあるので注意をしましょう。また電子回路などが湿気により錆びてしまうと故障や火災の原因にもなります。
・荷崩れ破損
コンテナを載せたトレーラーが急ブレーキをかける、ぶつかるなどで、中の荷物が破損してしまうとダメージとなります。予防作として貨物が滑らないようにしっかりと固定するか、滑り止めを釘で打ち付けたりすることができます。
・熱害変質
直射日光を浴びたコンテナや製品が熱により変質してしまうものです。樹脂製品は熱に弱いといわれているので気をつけましょう。
・本船沈没
船火事や期間故障などで本船が沈没した場合、製品のほぼすべてが売り物にならなくなるといっていいでしょう。またその際の損害は場莫大となってしまいます。
貨物へのダメージが発覚した場合
では貨物へのダメージが発覚した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。書類申請から保険求償の流れを解説いたします。
必要書類
貨物へのダメージが発生した場合、貨物保険に保険求償をする必要があります。ダメージを証明し、保険金を請求するために必要な書類は以下です。
・保険証券のコピー
・Bill of Landing(B/L、船荷証券)またはAirwaybill(AWB)のコピー
・INVOICEおよびPACKING LISTのコピー
・Notice of Claimのコピー
・事故報告書
・保険金請求書
貨物保険
あらかじめ貨物保険に加入をしておくことで、貨物のダメージが発生してしまった際に損害額を補填してくれるなどのサポートを受けることができます。さまざまな企業が貨物保険を提供していますが、これから加入するという場合保険の比較サイトを利用するのも手です。各社のサービス保険料率などの違いを一覧することができ、会社の規模やニーズに適したものを選ぶことができます。
保険求償の流れ
保険請求の手続きは原則的に輸入者が行うことが多いです。輸入者が保険契約社となるるCIP、CIF条件などで輸出された貨物に損害があったとしても、保険金の請求者は被保険者となる輸入者となります。
以下、保険求償のおおまかな流れを確認してみましょう。
1.ダメージ発覚
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2.フォワーダーへの通知・書類の準備、保険会社への事故通知、運送人への事故通知
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3.保険会社よりサーベイ対応(その後立ち会い調査)、ノーサーベイ対応の選択
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4.保険会社の立ち会い調査後、保険金の受け折り
<各段階の解説>
1.現場にてダメージが発覚する。
2.フォワーダーへの通知・書類の準備、保険会社への事故通知、運送人への事故通知
フォワーダーとは港湾業務や倉庫業務を依頼している業者のことです。フォワーダーもしくは輸入者自身が貨物の事故発生や損害の連絡を受けたとき、貨物のダメージ状況の確認をおこないます。ダメージ状況下でチェックすべきポイントは、損害数量や程度、障害原因の調査、損害品の写真撮影、正品と損品の数量確認などです。輸出者はフォワーダーに貨物受け渡し関係の書類(デバニング・レポート、入庫報告書など)にリマーク(適用)することを依頼します。その他保険会社の申請に必要となる情報をまとめたのち、書類を準備します。その後、保険会社へ自己通知、運送人自己通知をおこないます。保険会社では事実関係を確認したあと、最終的な保険金支払いの可否、金額などを判断します。
3.保険会社よりサーベイ対応(その後立ち会い調査)、ノーサーベイ対応の選択
一般的に損害額が20万円を超える可能性がある場合、保険会社よりサーベイヤー(検査員・鑑定人)が派遣されます。事故現場の立ち会い調査をすることで事故の損害額や損害額が妥当なものであるかどうかを確認します。また損害額が小さい場合などは、サーベイヤーの立ち会いがなく、輸入者、フォワーダーなどの事故現認書、損害品の写真、受け渡し確認書類などで損害を立証することになります。
4.保険会社の立ち会い調査後、保険金の受け折り
損害額が決まったら、保険会社より支払い通知が送られます。その後保険金が、指定の銀行口座に振り込まれる流れです。
まとめ
不慮の事故や貨物のダメージが発生する前に貨物保険に加入しておくことはもちろん、ダメージを未然に防ぐための施策も大切なことです。ダメージが発生した際に慌ててしまわないよう、普段から状況に備えた対策を考えておきましょう。