輸出入時に貨物が破損!どうすればいい?
この記事は2024年2月26日に更新されました。
輸出入した貨物が破損した、つまり貨物ダメージが発生した場合、迅速かつ正確な対応をしなければ大きな問題につながってしまいます。
貨物ダメージには、どのような流れで対処すればよいのでしょうか。
貨物ダメージの種類
大前提として、大切な貨物が破損しないよう未然に防ぐことが一番大切です。
貨物ダメージには以下のような種類が挙げられます。
濡れ、カビ、錆び
湿気や結露などで貨物が水濡れしてしまえば、カビや錆びの原因にもなります。
梱包している段ボールがよれてしまっている場合は、カビがついていることがあるので要注意。
例えば製品の包装などにカビが付着すると、本体は無事でも売り物にならなくなってしまう可能性もあります。
また、電子回路などであれば湿気による錆が故障や火災の原因になります。
荷崩れ
コンテナを載せたトレーラーが急ブレーキをかけたりぶつかったりすると、中の貨物が破損する恐れがあります。
貨物が滑らないようにしっかりと固定する、滑り止めを釘で打ち付けるなど、事前の予防策で対応可能です。
熱害変質
直射日光を浴びたコンテナや貨物が熱により変質してしまうこともあります。
樹脂製品は熱に弱いといわれているので、特に気をつけましょう。
貨物ダメージが発覚したら
それでは、万が一上記のような貨物ダメージが発覚した場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
一連の流れの解説をする前に、そもそもではありますが、あらかじめ貨物保険には加入をしておくことをおすすめします。貨物ダメージによる損害額を補填してくれるなどのサポートを受けることができます。
さまざまな企業が貨物保険を提供しているので、会社の規模やニーズに適したものを選んでみましょう。
さて、ここからはダメージ発覚後の流れを見てきます。
輸入者が状況を確認した後、各所へ通知を行う
保険請求の手続きは基本的に輸入者が行うことが多いです。
貨物の事故発生や損害の連絡を受けたとき、まずは貨物ダメージの状況確認をおこないます。
ダメージ状況下でチェックすべきポイントは、
・損害品の数量
・ダメージの程度
・ダメージの原因
などです。損害品の写真撮影も忘れずに行います。
その後、貨物ダメージをフォワーダー、保険会社、運送人に通知します。
フォワーダーとは、港湾業務や倉庫業務を依頼している業者のことです。
詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
輸出者は、フォワーダーに貨物受け渡し関係の書類(デバニング・レポート、入庫報告書など)にリマーク(適用)することを依頼します。
その後、保険会社と運送人へ自己通知をおこないます。保険会社では、事実関係を確認した後、最終的な保険金支払いの可否、金額などを判断します。
貨物保険に保険求償をする際には、ダメージを証明し、保険金を請求するための以下の書類が必要です。
・保険証券のコピー
・B/L(船荷証券)またはAWB(Airwaybill)のコピー
・インボイスのコピー
・パッキングリストのコピー
・Notice of Claimのコピー
・事故報告書
・保険金請求書
保険会社が状況を確認する
損害額が20万円を超える可能性がある場合、保険会社よりサーベイヤー(検査員・鑑定人)が派遣されます。
事故現場の立ち会い調査をすることで、事故の損害額や損害額が妥当なものであるかどうかを確認します。
損害額が小さい場合は、輸入者やフォワーダーなどの事故現認書、損害品の写真、受け渡し確認書類などで損害を立証することになります。
保険金を受け取る
損害額が決まったら、保険会社より支払い通知が送られます。
その後、保険金は指定の銀行口座に振り込まれます。
まとめ
貨物ダメージが発生しないような予防策と、発生してしまった際にもすぐに対処できるような事前確認を日ごろから心掛け、スムーズな貿易ビジネスにしましょう!