オイルマネーだけじゃない!意外と多い中東で儲ける日本企業

オイルマネーだけじゃない!意外と多い中東で儲ける日本企業

海外ビジネスの展開先としてASEAN諸国や中国、最近はメキシコなどが目立ちますが、トルコ、イラン、イラク、サウジアラビア、イスラエル、アラブ首長国連邦など中東の国々も大きなマーケットです。
あなたの想像する中東に対してのイメージは石油や天然ガスなどの豊富な資源を有する地域、もしくは家電製品や自動車などの消費財の輸出先といったところだろうか。私も中東と聞くとパッと思い浮かぶのは、、、やっぱり石油ですね。

というか“ターバン巻いた石油王”のイメージが強すぎる。

ですが近年、中東のイメージは変わりつつあります。今までのイメージを払拭するほど生活水準は上がりビジネスも幅広くなってきています。

情勢の不安定さや宗教上の制約がありつつも様々な試行錯誤を経て中東との海外ビジネスを展開している日本企業をご紹介します。

*画像はイケメンすぎてサウジアラビアを追放されたカメラマン兼モデルのオマール・ボルカン・アルガラさんです。石油王とはなにも関係ありません。

有限会社佐藤商店

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1958年創業、1989年に法人化して、こんにゃく製造卸を行っています。中国製の「結び糸こんにゃく」の輸入販売、「板こんにゃく」、「糸こんにゃく」、「こんにゃくパスタ」等を海外に販売しています。

・2011年、ケルンで開催される世界最大級の総合食品見本市「ANUGA」をはじめ、多くの展示会に出品。
・2012年と13年、リヨンにおける世界最大級の外食産業向け見本市「SIRHA」の「ジャパン・パビリオン」に出品した。
・「SIRHA 2013」に出品した際、ダイエット法の提唱で有名なピエール・デュカン氏のブランド商品の材料として「こんにゃくパスタ」の輸出が成約した
・海外事業の体制を強化
・現地市場のニーズを読み解いた製品の開発と提案で、取引が拡大した
・2013年には「こんにゃくパスタ」を中心に3コンテナ、14年に1/2コンテナを輸出。フランス向けの輸出は、今まで毎月50~100ケース程度で累計約1000万円の売り上げ。

日本での商品そのままではなく「寿司ネタ(マグロ)」や「クスクス(ライス)」の形にした事が好評だったようです。ダイエットフードとして活用できますし、宗教上、肉を食べない人やベジタリアンには肉の代わりにもなります。また、こんにゃく芋栽培をする事で、途上国の経済発展や雇用の拡大にもつながります。

こんにゃくの長所を現地のニーズに合わせたことが、取引の拡大になったと考えられます。板こんにゃくや結びこんにゃくより、パスタやライスの形にすることで、他国でも調理しやすくなりそうですね。こんにゃくの凡庸性ってすごいんです。

ナノミストテクノロジーズ株式会社

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「超音波霧化分離」という技術をメインに、食品処理装置等の各種産業機械装置の開発、設計、販売をしています。
「超音波霧化分離」とは、超音波を照射して霧を発生させ、目的物質の分離、濃縮する技術です。今までの分離方法に比べて、熱を使用しないので省エネ、省コストになり、海水においては淡水と塩分に分離できるとのことです。

・海外出願で、米国、欧州の数カ国で特許を取得した。
・2010年、ジェトロの「輸出有望案件発掘支援事業」の対象となる。
・ワシントンDCで開催された、再生可能エネルギー専門見本市「RETECH 2010」に出展。ヒューストン事務所の海外コーディネーターから継続的な支援を受ける。
・淡水化事業において、サウジアラビアの企業との提携に取り組み始め、同企業と中東での代理店契約を締結した。現在は同国で海水淡水化事業の実証実験を行っている。
・2012年、アメリカに現地法人を設立した。
・海外の業界紙「TradeWinds」にナノミストテクノロジーズの記事が掲載された。

アメリカでは病院溶剤回収装置の販売、中東では製塩装置の開発を進めるそうです。近年の、環境への負荷の低さが求められるエネルギーの情勢も、上手く見据えたのではないでしょうか。勿論、展示会において、高度な技術力が評価されたのだと考えられます。

株式会社吉田屋海苔

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1948年設立の、海苔産地問屋です。漁協関係者と共に商品の開発から販売まで、長く地域に密着した事業を行っていました。家庭向け、業務向けの様々な海苔を扱っています。

・約25年前から海外市場の開拓に取り組み、ロンドンの日本食レストラン向けに輸出など行う。
・熊本県物産協会主催のロシアミッション、シンガポールミッション、ジェトロのセミナーなどに参加して、輸出先の開拓を進める。
・2013年、ジェトロ主催の「九州食品輸出商談会 in熊本」で、同社の海苔が、アラブ首長国連邦のバイヤーに注目された。

品質の良さが富裕層向けであり、海苔の栄養価の高さが、UAEでは少ない生鮮野菜の代替食材になると見込まれました。そして、バイヤーのニーズに合わせるため、価格帯の異なる多様な商品ラインナップを提案したとの事です。
2014年、業務用の焼海苔150万円相当をUAEに輸出しました。同年7月には100万円相当を追加輸出しています。これによって海外売り上げは、従来の約10倍です。日本食レストラン向けだったため、世界中の日本食レストランでも海苔の需要が期待できますね。

やはり、現地に無い製品をニーズに合わせて開発することが海外ビジネスには重要かもしれません。

まとめ

2015年10月14日にはドバイ首長国でセブンイレブン1号店が開店しました。商品アイテム数は約2400で、お酒はありません。
ドバイのお酒事情についてはまた別記事でご紹介致しましょうか。
そもそもイスラム諸国は宗教上お酒を飲むことが厳しいんです。規制の強弱は国によってまちまちですが、もしお酒を気軽に飲めない国に生まれていたら今の私はどうなっていたのでしょうか。

また、中東のメジャーな料理のチキンビリヤニなどが、オリジナルメニューの一部になっています。
中東地域では個人消費の拡大に伴い経済の近代化が進んでおり、このような一連の流れのなかでUAEの企業からマスターフランチャイズ契約の要請を受け、今回の出店に至りました。

宗教や地理的な違いから、日本の製品を中東向けに開発すると、海外ビジネスとして上手く展開するケースが目立つ印象です。

ただし、中東に対しては今でも仕事がやりにくい地域という見方が強いです。その理由は様々です。
情勢が不安定な地域でもあるので、専門家や信頼できる取引先、同じく海外ビジネスを行う企業などと、密な情報交換も必要ですし、ハラールなどの認証も大変です。
ハラールに関しての詳しい情報はこちらからどうぞ→【簡単】3分でわかる”ハラール認証と取得方法”

ですが世界的に見ると、新興国や途上国が数多い中で、最近は中東諸国が良くなってきている。インターネットや交通のインフラも整ってきており想像以上にビジネス環境が改善されてきているのです。

さらに約5億の人口を誇る中東の市場の大きさは魅力的ですよね。ぜひ中東も視野に入れて海外展開を考えてみてはいかがでしょうか。

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