英国のゼロエミッション車の販売割合義務、未到達のリスク

英国のゼロエミッション車の販売割合義務、未到達のリスク

2035年までの新車販売のゼロエミッション化を達成すべく、英国政府は2024年から自動車メーカーに対し、一定割合のゼロエミッション車(Zero Emission Vehicle、ZEV)の販売を義務付ける「ZEVマンデート」を導入している。

引用元 JETRO:ビジネス短信

コネ姉さん:英国政府は2030年までに内燃エンジン車の新車販売を終了し、ゼロエミッション車(ZEV)の普及を目指す「ZEVマンデート」を導入しているわ。2024年から自動車メーカーに一定割合のZEV販売を義務付けているの。

セカくん:ZEVってバッテリー式電気自動車(BEV)とかのことっすよね?どのくらいの割合が義務付けられてるんですか?

コネ姉さん:2024年の目標は新車販売の22%、2025年は28%よ。でも、今年1~10月のBEVの割合は18%で、目標に届いていないの。

ボス:ふむ…目標未達の場合はどうなるんだ?罰則があるのか?

コネ姉さん:あるわよ。達成できない場合、メーカーはアロウアンスを購入したり、将来分を前借りして補填できるの。それでも不足する場合、1台当たり1万5,000ポンド(約291万円)の罰金を支払う必要があるの。

セカくん:結構厳しい仕組みっすね!でも、なんで目標に届かないんですか?

コネ姉さん:英国の消費者需要が減退しているのが原因ね。SMMTによると、10月の新車登録台数は前年同月比で6%減少しているの。また、BEVの価格や充電インフラの不十分さも影響しているわ。

ボス:ふむ…英国だけでなく、ドイツでもBEVの販売伸びが鈍化していると聞いたが、欧州全体の傾向なのか?

コネ姉さん:そうね。欧州全体でBEV普及が停滞している中、英国はそれでも前年同月比25%増加しているわ。でも、目標値には届かない状況よ。

セカくん:じゃあ、政府はどう対策するんすか?目標値を下げたりとか?

コネ姉さん:それはしないみたい。ヘイ運輸相は目標値を維持しつつ、新たな柔軟性の導入に前向きな姿勢を示しているわ。メーカーが柔軟に対応できる仕組みを模索しているの。

ボス:具体的にはどんな柔軟性を導入する可能性があるのだ?

コネ姉さん:例えば、アロウアンスの利用条件の緩和や、新たなインセンティブの導入が考えられるわね。消費者向けのBEV購入支援策も含めた総合的な対応が必要よ。

セカくん:消費者がもっと買いやすくなる仕組みがあるといいっすね!充電インフラの拡充も重要じゃないですか?

コネ姉さん:その通り!充電ステーションの増設や、充電速度の改善は普及の鍵ね。政府と自動車業界が協力して進めるべき課題よ。

ボス:ふむ…ZEVマンデートの成功は、2030年目標の達成に向けた試金石になるだろうな。

コネ姉さん:その通り。ZEV普及の取り組みは英国だけでなく、他国にも波及する可能性があるわ。注目すべき事例ね。

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