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保税倉庫って何?今さら聞けない保税倉庫について解説

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保税の状態で輸入された外国貨物を蔵置でき、保管品に対して行き届いた配慮と厳重な警備が保証される保税倉庫はしっかり理解して活用すればメリットを得ることができます。

最近では輸出ビジネスのみではなく”美術品や貴重品を保管する”といったような使い方をする人も多いようです。

基本的な保税倉庫の利用方法、知られざる意外な利用方法、輸入ビジネスにとって欠くことのできない保税倉庫について解説していきます。

1:保税倉庫とはどのようなものなのか

まず保税とは、一時的に関税の徴収を留保することを指しています。
この保税ができる地域は事前に決められており、港湾・空港の近くに設けられることが殆どです。
海外から輸送された様々な物に関して関税が課されたのちに許可を受け、通関を完了するまでの間時間がかかります。その一時保管場として保税倉庫が存在しているのです。

保税倉庫は日本国内でありながら外国のような扱いを受ける場所で、 輸入商品は通関されるまでは税金の支払いが済まされていないので「外国貨物」と呼ばれ、
諸税金(関税や酒税・消費税等)を払うまでは無断で販売をしたり移動することは法律違反になります。

1-1:保税区の目的と役割

保税区の目的は、主に貿易の振興と発展にあります。輸出入貨物を法の規制下に置くことにより、秩序ある貿易を維持しています。

役割は、輸出入される貨物を税関の輸入許可が下りるまでの間、関税を徴収せずに保管することです。
要するに輸出ビジネス等の長期取引の場合、在庫の保管場所を確保することができる ということになります。

1-2:保税倉庫を使うメリットとデメリット

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それでは保税倉庫を使うことがどのようなメリットになるのでしょうか。

一つ目が税関より保税蔵置場の指定を受けています。
これにより安全に保管可能な場所が確保できるという点が考えられます。

二つ目が倉庫に保管した商品は通関処理から検品・加工・保管や出荷まで、その倉庫内もしくは倉庫が運営する工場で行うことができます。
そのため輸送コストや流通時間の短縮が見込めます。ただし、輸入申告がなく承認手続きがないままの長期滞留はできないというデメリットがあります。

1-3:世界もしくは日本国内で保税倉庫を利用する時のフロー

保税倉庫を実際に利用するときの流れについて、ざっくり分けると5つのステップになります。

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【ステップ1】顧客から依頼を受けた保税倉庫側が貨物を引き受ける。貨物の取卸手続を経て保税倉庫への搬入が始まる。

貨物の取卸手続きは外国貨物仮陸揚の届出が必要になります。
外国貿易船の船長又は外国貿易機の機長、機長の代理人、船舶又は航空機の所有者若しくは管理者又はその代理人も行うことができます。

これは外国貨物を仮に陸揚げ(取卸を含む。)しようとする前までに提出する必要があります。
ちなみに手数料は無料になります。

【ステップ2】保税倉庫内で他法令手続きに関する検査を行う。

他法令とは、関税関係法令(関税法、関税定率法、関税暫定措置法)以外の法令で、
輸出または輸入に関して許可、承認等を定めたものをいいます。

他法令は多岐に渡り、主管省庁もそれぞれ異なるため、許可、承認に時間を要するものがあります。
また、輸入関係の他法令の中には、植物検疫法など、外国の政府機関等の証明等の取得が必要なものがありますので注意してください。

【ステップ3】税関長に対して輸入申告をする。

輸入申告は、原則として貨物が保税地域に搬入された後に行うことになります。
貨物が到着すると輸入者に対し貨物が到着した旨の「到着通知(Arrival Notice)」が発行されます。
輸入者は必要書類を貨物が保管されている保税地域を管轄する税関官署に輸入申告を行うこととなります。

ここでの必要書類は下記の5つになります。*商材によって枚数は変わります。

・インボイス(仕入書・商業送り状)
・運賃明細書
・保険料明細書
・パッキングリスト(包装明細書)
・他法令の許可書や証明書等、原産地証明書

インボイスとパッキングリストのテンプレートはこちらから無料配布しているのでご利用ください。

【テンプレ付き】インボイスとは?5分で覚える貿易実務

【テンプレ付き】パッキングリストとは?5分で覚える貿易実務

【ステップ4】審査が通ったら、輸入者が課せられた関税を支払い、税関の輸入許可を受ける。

税関の検査が必要とされる貨物については必要な検査を受けた後、関税、内国消費税及び地方消費税を納付する必要がある場合には、
これらを納付して、輸入の許可を受けなければなりません。
この輸入の許可を受けた貨物は内国貨物となり、いつでも国内に引き取ることが可能となります。

【ステップ5】保税倉庫から出庫を行う。
ここまでクリアして貨物の出庫が行うことができます。この手順を踏まないと”密輸”扱いになってしましまいますので注意しましょう。

2:具体的な利用方法

保税倉庫の蔵置期間は原則として2年間という期間が定められています。ただし、税関長が特別な目的や理由があると認めた場合にのみ延長できます。
蔵置期間を上手に利用し、貿易取引の相場を鑑みながら出庫・中継出荷するなどのコントロールが行えます。

また自社倉庫を保税蔵置場として利用することもできます。
当該倉庫の所在地を管轄する税関長宛てに申請して、保税蔵置場の許可を得ることができます。
さらに3年以上経過して、特例承認取得者になれば、届出だけで新たに自社倉庫を保税蔵置場とすることができるのです。

2-1:実用事例

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通販事業の老舗企業「ベルメゾン」を運営・展開する株式会社千趣会では、物流コストを削減するために10カ所の海外の物流拠点を韓国・釜山に集約する変革を行いました。自由貿易地域とされている釜山は保管期間も定められていません。また商品の償却・加工も共に認められている利点があります。

そして日本にも近いため輸送費や輸送時間も短縮できます。在庫の倉庫を釜山の保税蔵置場に集約することで、日本国内の倉庫費用の削減や倉庫間の積送コストも下げることができたのです。

2-2:利用する際の注意点

搬入作業後は倉庫内において品目別・発送地別に仕分けがなされます。あらかじめ仕分けが終了しているコンテナに関しても同様にチェックが行われます。ここで搬入手続きに必要な情報を整えているので、虚偽の報告等を行うことができません。また、数量の過不足が発生している場合・パレット破損や商品破損等の重大な損傷事故が起こっている場合も、関税手続きを終えることができません。
この搬入手続きが終わらない限り通関手続きに移行することができないので、期日がある輸出の場合はスケジュールの組み立てをきちんと行い、不備がないようにすべてを整える必要があります。

3:まとめ

保税倉庫は通関手続き終了までの一時的仮置き場と捉えましょう。流通や円相場等の兼ね合いを見計らって出荷のコントロールをすることも可能ですが、保管期限があることも覚えておく必要があります。基本的に貨物を搬入してから3カ月を超えて保管可能な期間は、税関長の蔵入承認の日から2年間です。原油の備蓄、ウイスキーの原酒の熟成のための長期蔵置、市況の急激な変動等により引き続き蔵置することが止むを得ないと認められる場合延長が可能です。

また通関前の外国貨物を誤って搬出した場合は、密輸入とみなされ処罰される恐れもあります。誤って搬出することのないように、貨物に表示をするなどの工夫が必要です。

これらの保税地域と保税倉庫のメリットを利用し、組み立てや商品梱包等の事業もできます。メリットを上手に利用した事業展開を行いましょう。

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 - 海外輸出と貿易 

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