海外販売するなら今! ハンドメイドの市場規模が拡大する理由と今海外で人気の日本の作品

海外販売するなら今! ハンドメイドの市場規模が拡大する理由と今海外で人気の日本の作品

この記事は2023年11月10日に更新されました。

近年、様々な業界で日本製品が世界から求められています。
「え、こんなものが?」と思うような日本では当たり前のものが海外で人気になっているのを見かけたことがあるのではないでしょうか。

中でも注目されつつあるのが日本のハンドメイド作品です。
ハンドメイド市場は今後伸びていくのか、またどういった製品が特に人気なのか、データと考察をもとに解説していきます。
ハンドメイド作品の海外販売を行おうとしている方は必見です!

ハンドメイドの市場規模

GMOペパボによると(※1)、同社が運営する、作家・ブランド数と作品数が国内最大のハンドメイドマーケット「minn(ミンネ)byGMOペパボ」は、継続的な作品数の増加とカテゴリーの多様化に伴い、2023年6月に累計流通額が1,000億円を突破しました。


※1より

世界的にもハンドメイド市場は大きく伸びています。
株式会社グローバルインフォメーションの予測では(※2)、2022年に7,500億米ドル超を達した市場規模は、2028年までに1兆3,ooo億米ドル弱に達するとされています。
一体なぜここまで伸び、今後も大きく成長すると予想されているのでしょうか。

なぜ今ハンドメイドなのか

ハンドメイド作品が注目されている理由は、主に以下の4つの理由があると考えられます。

趣味として触れる機会の増加

2020年代、新型コロナウイルスの流行によって「おうち時間」が増え、新しく趣味を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いくつかのアンケート結果を見てみると、手芸などの作品作りを始めた方の割合はトップに上っており、一時的であったとしても個人がハンドメイドに携わる機会が増えたのではないかと考えられます。

ハンドメイド作品の売買のしやすさの向上

同様に、売り手と買い手、どちらもハンドメイド作品のやりとりがしやすくなったことも挙げられます。
ハンドメイド作品に限らず、近年は個人の売り手でも簡単にECサイトの出店ができるようになりました。
それを広めるツールとして積極的にSNSや動画サイトが利用されており、買い手を含め、少しでも興味がある人にも作品の情報が届きやすくなりました。

環境への配慮

ハンドメイド作品自体の特徴として個人が時間をかけた手作りであることから、環境への負担が少ない点も人々の注目を集める理由です。
こだわりぬいた素材を使用して必要最低限の機会での作業を行わないため、既製品よりも資源のロスや使用する電力・火力といったエネルギーが少なく済むと言われています。

時代に逆行した「手作り」感

ロボットやAIが台頭する現代、それでも「手作り感」の良さを重んじたい方も少なくないでしょう。
ハンドメイドだからこそ生まれるどんな人がどういった背景でどのように作っているのかというストーリーを踏まえた作品は、時代がどう変わろうと人々を魅了し続けるでしょう。
また、小規模な個人販売が一般的なことから、売り手と買い手の距離が近く、そこで生まれるコミュニティや出会いを楽しめるのも特徴だと言えます。

海外で人気の日本のハンドメイド作品5選

上記の理由から注目度が高まっているハンドメイド作品。
そんなハンドメイド作品の中でも、日本で作られたものは、質やデザイン性、信頼度の高さから、海外で高い人気を誇っています。

今回は、海外向けハンドメイドマーケットサイトのEstyの中から、日本のハンドメイド作品で人気のカテゴリから高評価なものを5つ取り上げてみました!

着物から作られたブレスレット

やはり日本と言えば着物。
その生地から作り出された小さな梅のチャームと同じく和風な紐を組み合わせたブレスレットは、あまり派手過ぎず簡単に身に着けられることもあり、多くの外国の方が購入されていました。
着物によって梅の色や模様が異なるため、たくさん集めて楽しんでいる方もいらっしゃるようです。

日本語が書かれた半紙

ページのトップに多く見られたのが、毛筆で日本語が書かれた半紙です。
こちらの作品のように美しい言葉が大きく書かれたものから、購入者の名前が平仮名や漢字で書かれたものも販売されていました。
昔から根強い人気を誇る日本の文字は、私たち日本人が他国の文字をオシャレだと感じるように、インテリアとして飾りたいほどに見ていて楽しいものなのでしょう。
文字だけでなく墨のイラストも販売されていることから、紙と墨という組み合わせもまた日本らしさを感じられるのかもしれません。

お守り

驚いたのが、日本の寺社仏閣で販売されているお守りもまた人気だったことです。
上記と同様、日本らしい生地とデザインが可愛らしく感じると同時に、きちんとご利益があることがあることが人気の秘訣かもしれません。
レビューを見ていると、思いが込められた誕生日プレゼントとして購入されている海外の方も何人かいらっしゃり、大切な人への贈り物という意味合いで捉えられている印象を受けました。

ランドセル

ランドセルと言えばどうしても小学生のものというイメージですが、海外ではセレブを始めとし、徐々に普段使いのバッグとして需要が高まってきています。
日本で使うには抵抗があるものの、革製で落ち着いたデザインと、6年間使っても壊れることのない丈夫な作りから、いずれ逆輸入されるかもしれませんね。

ランドセルが海外で人気となった理由については以下の記事で取り上げていますので、ぜひご覧ください。

日本のランドセルが海外で大人気!ヨーロッパでの意外な使われ方と人気の理由とは?

調理包丁

最後にご紹介するのは、日本の調理包丁です。
今までとは異なり他国でも使用されている包丁ですが、日本人職人によって丹精込めて作られたものは、「いつか絶対に購入したいもの」として海外の方から人気が高いです。
同じ刃物である刀が人気なのも一つの要因かもしれません。
Estyではいくつか調理包丁が販売されていましたが、レビュー数が多い上に売り切れも続出しており、需要の高さが伺えました。

販売チャンスは今?

個人でも簡単に海外輸出ができるようになったと共に、コロナ禍を経て外国人観光客が増加している影響で、対面での販売チャンスも多くなってきたと言えるでしょう。
例えば東京ビックサイトで毎年開催されている日本最大級のクリエイターの祭典・ハンドメイドインジャパンフェスでは、海外ではあまり見られない個性的なデザインや日本の素材が目を惹く丁寧かつ温かみのあるハンドメイド作品が出品されています。作品のカテゴリーも食品から日用品、アクセサリーまでと幅広く、多くの外国人観光客も訪れているようです。

このイベントでの作品や本記事でご紹介した作品を見てわかる通り、人気作品は決して「ザ・日本」というようなものばかりではありません。
「ほんのり日本テイスト」「繊細で個性的」「普段使いしやすいもの」といった、私たちにとって当たり前で馴染みのあるようなものが国境を越えて好まれています。

販売機会が増えた今、みなさんの作品で日本の良さを世界に伝えてみてはいかがでしょうか。

参考文献
※1 GMOペパボ, 「国内最大のハンドメイドマーケット「minne(ミンネ) byGMOペパボ」、累計流通額が1,000億円突破」, 2023年6月19日更新, https://pepabo.com/news/press/202306191300/
※2 株式会社グローバルインフォメーション, 「手工芸品市場:世界の産業動向、シェア、規模、成長、機会、2023-2028年の予測」, 2023年1月31日出版, https://www.gii.co.jp/report/imarc1206854-handicrafts-market-global-industry-trends-share.html

セカイコネクトアカデミーオンライン

記事を”読む”

日本だけじゃない!海外のエイプリルフール

日本だけじゃない!海外のエイプリルフール

その日だけは嘘をついて良いとされる、4月1日のエイプリルフール。 年に一度、みなさんも周りの人と楽しんでいるかもしれませんが、このエイプリルフールは日本だけの文化なのでしょうか? 海外のエイプリルフールについて調べてみま […]

服装は?時期は?日本と違う海外の卒業式

服装は?時期は?日本と違う海外の卒業式

少しずつ春の訪れを感じる3月。日本では卒業シーズンでもありますね。 制服や袴などを着て証書を受け取ったり、合唱曲を歌ったり、第二ボタンの争奪戦になったり… みなさんも様々な思い出があると思いますが、海外ではどんな卒業式が […]