ヨーロッパで大注目!? 日本のランドセルが海外で人気な理由
小学生が使うランドセル。
みなさんも一度は背負われたことのある、日本独特の通学用かばんですよね。
しかし、実は日本のランドセルが、海外の中でもヨーロッパで大人気なのはご存知でしたか?
なぜヨーロッパで注目されるようになったのか、また海外の方はどう反応しているのか、ご紹介していきます!
目次
ヨーロッパでランドセルが人気になった理由
東洋経済ONLINEより(https://toyokeizai.net/articles/-/71517)
ヨーロッパでのランドセル人気のきっかけは、明るい気持ちになれる映画として有名な「イエスマン」にも出演している、アメリカのハリウッド女優・ズーイー・デシャネル(Zooey Claire Deschanel)さんだと言われています。
彼女が若い世代のファッションリーダーとしても人気を集めていた2015年、トレンチコートと赤いランドセルをおしゃれに着こなす彼女の写真がパパラッチに撮られたところ、流行に敏感な若者の間で「日本のランドセルが個性的で可愛い!」と話題になりました。
そう言われてみると、確かにランドセルは洗練された個性的な形をしている上に色のラインナップも豊富で、かなりおしゃれなアイテムですよね。
実は彼女の写真が撮られる前からパリのファッションショーではランドセルが度々登場していたようですが、より注目されるようになったと言います。
この1枚の写真をきっかけに認知度が高まったランドセルがさらに注目されるようになった理由の一つには、日本の漫画やアニメも挙げられます。
今や世界中で愛されていますが、もちろんヨーロッパも例外ではありません。
物語に描かれるランドセルを見て興味を持ち、通販や日本を訪れたときのお土産として買う外国の方もいらっしゃるようです。
ランドセルに対する海外の反応
一体なぜここまでランドセルが人気になり、一般的なファッションアイテムとしても使われるようになったのでしょうか。
圧倒的な実用性
一番の大きな要因は、日本のものづくりの技術が活きた実用性の高さです。
A4サイズの書類や本も余裕を持って収納できる容量や形状であり、革製であることから耐久性が高く長く使える点が海外で喜ばれています。
みなさんも6年間背負い続けた経験がある通り、どれだけ毎日長く使っても壊れていないのがその証拠でしょう。
少し前のコメントでは、「iPodが左右のポケットに入るサイズ感だ」とも評価されており、日本とはまた違った使われ方をしているのがうかがえました。
身に着けるだけで光る個性
ランドセルと言えばその特徴的な四角い形ですが、豊富なカラーバリエーションで個性を出せるというのも一つの良さだと感じられているようです。
最近では日本でも赤と黒のみならず様々な色が販売されるようになり、一人ひとりが好きな色を選べるようになりましたよね。
個性が出せるのは見た目だけではありません。
ランドセルには低価格帯から高価格帯と幅広い種類が存在し、見た目なのか質なのかなど、用途によってちょうどよいものを購入できます。
まさに大人の嗜みと言えるでしょう。
ランドセルの海外進出事例
このランドセルブームが実感できる事例を二つご紹介したいと思います。
個人ECサイトでの販売
まず、こちらは世界中のアーティストが商品を販売しているECサイト・Estyでランドセルを多く取り扱っていたショップのページです。
レビューを見てみるとショップで日本製品を購入した10人に1,2人あたりの方がランドセルを購入していることがわかりました。
「想像以上に美しい」「子どもが喜んでいた」などのコメントがされていて、子どもだけでなく大人が使うためにも購入されているようでした。
ランドセルが「ファッションアイテム」「バックパック」と表記されていたのが興味深いポイントでした。
大手ランドセルメーカーの海外ブランド立ち上げ
続いてご紹介するのは、日本のランドセルメーカー最大手のセイバンの海外進出です。
先述した通り、日本ではランドセルは小学生が使うものとされていますが、ヨーロッパでは固定観念を覆し、子供だけでなく特にファッションを楽しむ大人に使われています。
そんな中、セイバンは2020年に大人向けのランドセルブランド・SICOBAをドイツで立ち上げ、販売に乗り出しました。
商品を見てみると、フォーマルスタイルに似合いそうなスタイリッシュなデザインながらも、きちんとランドセルらしさが残っているように感じられます。
少子高齢化によって国内のランドセル市場が縮小していく今後、他のメーカーも海外販売により注力していく可能性もあると推測できます。
まとめ
私たち日本人からすると、ランドセルは当たり前な文化の当たり前なクオリティーのモノかもしれません。
しかし、外国の方にとってはこの文化やクオリティーが当たり前ではなく、「珍しい」「可愛い」「欲しい」といった感情につながるのです。
このように、身近にあるモノの使用方法や対象を見直してみるだけでも、海外で爆発的なブームを起こす可能性はどんな日本製品・文化にも存在するのではないでしょうか。
参考文献
・日本経済新聞, 「ランドセルのセイバン、欧州進出 大人向けまずドイツ」, 2020年8月26日更新, https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63069720W0A820C2LKA000/