誰でもできる!海外ビジネスのための展示会出展で失敗しない4つのポイント

誰でもできる!海外ビジネスのための展示会出展で失敗しない4つのポイント

この記事は2023年9月15日に更新されました。

海外に販路開拓をする際の有力な方法として、海外の展示会に出展するという方法や、日本の展示会に出展し、来日する海外企業との商談を行う方法があります。
費用を無駄にしないためにも、展示会を通して多くの成約を獲得したいですよね。

そんな中で、
「海外展示会に出展したけど、出展しただけで、名刺の山を放置している…」
「海外企業と上手く話せなかった…」
といった経験はありませんか?

通訳を含めた海外向け人材の獲得を考える方もいらっしゃると思いますが、巨額の費用をかけずとも、少しの準備と課題で上記の課題を解決することができます。
今回は、実際に日本企業が試し成約までたどり着いた、展示会で失敗しない4つのポイントをお伝えします!

展示会で失敗しない4つのポイント

展示会に出展してから成約するまでのフローを整理してみると、以下の図のようなフローになっていると思います。

展示会編 目次写真PNG

以降お話することの目的は、この4つのポイントをそれぞれを最大化することになります。

展示会編 目次写真2

①名刺を交換する企業数を最大化する

展示会での名刺交換は、自社のブースに来場して頂き案内をした後に行われることが一般的です。
この流れの中で、どのように名刺を交換する企業数を最大化できるのでしょうか。

出展地域近辺の企業に出展案内を送る

日本企業が行う主な海外展示会先として、香港、シンガポール、ドバイなどの多くの地域が候補に挙がりますが、どこに出展するにしても多くのバイヤー企業に来て頂けるのが理想ですよね。
そこで、出展地域近辺の企業に対して「展示会に来たらブースに寄ってほしい」というメールを送ります。そのメールでコンタクトをとった企業に来場して頂くという流れです。

メール送信までに必要なのは、以下の二つの準備です。

企業リストの取得
どのような企業にアタックするのかを定めましょう。
企業リストは下記のような企業や団体が取得しており、特定の地域・業種を依頼することで購買できます。
※企業名をクリックするとHPに飛びます。

東京商工リサーチ
国際機関日本アセアンセンター
オプティ・リサーチ&アドバイザリー株式会社

メールテンプレートの作成
案内文のテンプレートを作成します。
以下が実際のテンプレート例です。

We are a company in Japan that sells ○○.
(弊社は日本で○○を取り扱う企業です。)

Our ○○, when compared with similar products, is ◇◇. Today, this differentiation sets us apart in the Japanese market.
(取り扱っている○○は、通常の商品よりも◇◇という点で差別化された商品として日本で販売を行っています。)

In Japan we have strong records, selling ○○ per year.
We are thinking of expanding our business into ○○.
(日本では、○○個/1年間の販売実績があり、この商品を○○地域でも販売を広めていきたいと考えております。)

I came across your company information and after reading it felt that we share similarities in our business models and so have gotten in touch with you.
(御社の情報を拝見したころ、行っている事業と関連性があると感じたため、ご連絡いたしました。)

We will be participating in the ♢♢ exhibition at △△ on ○ the ○ of ○.
(このたび、弊社は○月○日の△△で行われる◇◇展示会に出展します。)

As we have no experience selling in ○○ we are looking for a company that together, will help develop sales channels in this region.
(まだ○○地域では販売をしていないため、共に販路開拓をしていただける企業を探しております。)

With regards to our product please see the attached catalogue.
(商品の内容については、添付ファイルのカタログにてご確認いただけます。)

If possible, we would very much like the chance to speak with you at the exhibition.
(もしご都合がよろしければ、展示会場にてお話できればと思っております。)

Thank you.
(どうぞよろしくお願い致します。)

私たちも日々このように海外企業とコンタクトを取っていますが、平均的に配布した海外企業のなんと5%以上から返信が来ています。
労力がかからず得られる名刺が増えるため、非常におすすめです。

コンタクトをとったことのある海外企業全社に出展案内を送る

以上と同様の流れで、今までコンタクトをとったことがある海外企業にも案内を行います。
ただ、この場合は出展地域以外の企業への配布をおすすめしています。
新商品の発掘のために頻繁に展示会に足を運び、遠くても展示会を見学するを行っている海外企業が多いからです。
今ままで止まってしまっていたり話がまとまらなく終わってしまったりした商談を進めるきっかけを作ることもできます。

海外企業が来日した際の案内フローを決める

さて、ここまでは当日の来場企業数を増やす行動をご紹介してきましたが、「英語が得意な社員が少なく、結局名刺交換できなかった」という結果になる可能性もあります。
そのような事態を防ぐために、当日の案内フローを以下の二つの役割に分けて決めていきます。

【英語が苦手な方】呼び込み担当
展示会場で見学しているバイヤーを呼び込む担当です。
そこからお連れしたバイヤーを説明をし名刺交換をする担当に引き継ぐことを目的とします。
以下のような簡単なトークスクリプトを準備しているとスムーズに進められるため、英語が苦手な方が担当するのがおすすめです。

・Here is a catalog and price list.
(カタログと価格表をどうぞ。)
・If you would like some information about this product, I can introduce to you our sales manager.
(もしよろしければ、商品の担当者からご説明します。)

【英語が得意な方】説明と名刺交換をする担当
展示会終了後も商談を進めていくにあたって窓口となる担当です。
ここで準備をしておくと便利なツールがアンケートです。数百人と一気に話を進めていく際に誰と何を話したかがわからなくなると、帰国後の取引が上手く進まなくなります。
私たちも実際に以下のようなアンケート集計ツールを利用しています。
※名前をクリックするとHPに飛びます。

Surveymonkey
Questant

アンケートには、下記のような項目を必ず設け、話しながら埋めていってみてください。

「購買するとしたらいつごろか?」
商談を進める企業の優先順位が決められます。
「競合の商品価格はどの程度か?」
競合相手に戦っていけるかどうかの現状を把握できます。
「どこの地域で販売をしたいか?」
送料の概算が出せます。
「この商品の何を知りたいか?」
今後どのように商談を進めていくべきかの方向性が掴めます。

②意思疎通できる商談企業数を最大化する

海外企業との商談においては、日本企業ではあまりないような意思疎通による失敗も起こり得ます。
このような失敗を防ぐために必要なのが、二つの資料の準備です。
以下の記事で詳しく説明していますので、ここでご確認ください。

英語での商談に欠かせない!海外ビジネス成功のために作成すべき二つの資料

③「今すぐ」の顧客候補企業数を最大化する

ここまでのステップを行うと、海外企業と名刺を獲得し、お互いに理解し合った商談が実現できます。
ただ、あくまでもゴールは成約であるため、より成約に近い企業から労力と時間をかけることをおすすめします。

展示会編 営業フローPNG

成約に近いか否かを判断する項目は、先述した通り購買時期です。
図のように、「今すぐ」「今すぐにではないが、3か月以内」「半年後」「未定」などの時期に分けて優先順位をつけていきます。

3か月以内までに購買予定のある顧客
営業担当が対応し、直接的なコミュニケーションをとって信頼関係を築いていきましょう。

購買までそれ以上かかる顧客
海外営業リソースが限られている多くの日本企業にとって、すべて営業担当が対応していくと、入金までの長い期間に多くの労力を使うことになり、非常に非効率的です。
したがって、営業担当ではなく、メール案内で対応することをおすすめします。
期間としては2週間に一度は案内を送ってみましょう。有名な「エビングハウスの忘却曲線」では、ある情報に2週間以上触れていないとその80%を失うと言われているからです。
送る内容としては、新商品の情報、最近の販売実績、割引キャンペーンなどが挙げられ、購買時期が近づいた際にコンタクトを取りやすい環境を作っていききます。
また、先ほどのアンケートの「この商品の何を知りたいか?」の項目を基に、相手のニーズに合わせた案内も可能です。

このように、見込み顧客を管理することで、海外展示会でのチャンスを成約までつなげられます。

④成約企業数を最大化する

「今すぐ」の顧客企業と商談の後に成約を実現させるためには、現地訪問が最も重要です。

まず現地訪問を行うことで、顧客企業との関係性が深まります。
日本は海外企業の情報を取得できる環境が比較的に整っていますが、海外ではそうではない場合も多々あります。
お金や商品のやり取りでの不安や言語の不安を解決するためにも、直接会って信頼関係を深めていく必要があります。

また、競合他社についての情報も手に入ります。
現地の小売店を見に行き、どこでいくらでどのように販売しているのかを見て、実際に、自社商品の優位性を理解することが可能です。

まとめ

展示会編 まとめ写真PNG

これまでお話した4つのポイントは、以上の図に示した時間を目安に達成できます。
この数時間、数日で海外展示会の成果は大きく異なってきます。
私たちが担当させていただいた企業の方々が実際に試し効果のあった内容ですので、みなさんもぜひ実践し、良い展示会出展にしてみてください。

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