11月29日はその語呂合わせから「いい肉の日」とされるほど、誰もが好きな肉料理。
中でもアツアツの網にお肉を並べて食べる焼肉は、日本の文化と言っても過言ではありません。
日本の焼肉に対する海外の反応も、非常に面白いものばかりです。
そこで今回は、日本の焼肉が海外とはどう違うのか、まだどういった点が海外の人気につながっているのかをまとめてみました！

日本の焼肉と海外の焼肉の違い

何かをお祝いしたい時やたらふく食べたい時、仲間とわいわいしたい時…
普段のご飯から特別なご飯まで、日本では多くの場面で焼肉が食べられていますよね。
そもそも日本の焼肉は他の国とはどういった点で異なるのでしょうか。

韓国

本場・韓国の焼肉文化は、日本でもサムギョプサルが食べられるほど盛んですよね。
そのサムギョプサルからもわかる通り、韓国では豚の焼肉が一番人気なようです。
既に一口サイズにカットされた日本とは対照的に、大きいお肉を焼いてから切るスタイルが一般的です。

また韓国では、部位ごとによってお店が分かれているようで、一つの店舗では食べられるお肉の種類が限られています。
豚肉、牛肉、もしかしたら鶏肉まで食べられるような日本とは大きく異なっていて、より専門性が高い焼肉店が多いことがわかります。

アメリカ

同じくお肉を焼いて食べるバーベキューの本場・アメリカ。
焼肉とは違って、アウトドアでじっくりゆっくり焼いて食べるスタイルが文化として浸透しているそうです。
確かに休日に大人数でのんびりバーベキューをしている様子をテレビなどで見かけたことがありますよね。
使われるお肉の種類は日本よりも多く、地域によって変わってくるようです。

いずれにしても日本の焼肉とはかなり相違点があり、別の料理と言っても過言ではないでしょう。

世界から見たら面白い日本の焼肉屋さん

では日本の焼肉にはどのような特徴があるのでしょうか。
近年世界からも注目されている日本の焼肉屋さんの種類をいくつか取り上げてみました。

部位専門店

韓国ほど多くの店舗がそうであるとは言えませんが、日本にもある部位に特化した専門店がありますよね。
例えばホルモン専門店などが身近なものではないでしょうか。
もっと大きく言えば、牛肉や豚肉といった一つの種類のみが楽しめるお店というのは、どうやら世界でも珍しいようです。

食べ放題店

また違った視点で見てみると、ずらりと多種多様なお肉、野菜、あるいはスイーツからも好きなものを好きなだけ選んで食べられる食べ放題システムは、私たち日本人にとってもそうですが、海外の方にとっては夢のような空間だと言います。
インターネットでも、「お店の経営が心配」「ビュッフェよりも豪華」といった反応が多くみられました。

中でも海外人気があると考えられるのは、日本の店舗数もトップを誇る牛角です。
系列店も含め海外直営店舗数を2030年までには2023年の5倍にする計画が立てられており、その急拡大具合が窺えます。
利用したことがある方もいらっしゃると思いますが、最大の特徴はとにかく安くて美味しいお肉がたくさん食べられる点です。
最近では従来の焼肉店では珍しい季節ごとのフェア開催にも力を入れており、牛角ならではの楽しみがさらに生まれてきています。

その背中を追いかける店舗数2位の焼肉きんぐも、中国で「焼肉王」という店舗を増やしてることから、焼肉の食べ放題という概念は他国では新しく、需要も高いことがわかります。

ひとり焼肉店

日本らしい焼肉屋さんと言えば、今や昼食の一つの選択肢となったおひとりさま専用店も挙げられます。
上述した牛角の創業者が生み出した焼肉ライクは、コロナ禍を経て「一人で入りやすい」「衛生面で安心できる」といった理由から徐々に浸透してきました。

焼肉に限らず、ラーメンやカラオケなどの食事・娯楽に見られる日本のおひとりさま文化は、海外の方にとって驚きの光景でありながらも、どうやら「実はこういうのが欲しかった」といった感想を持つことが多いようです。
世界でも高い需要が見込める証拠として、台湾から始まりアジアを中心に出店してきた焼肉ライクも、2023年にはイギリスのロンドンという初のヨーロッパ出店を果たしました。
SNSでも「Yakiniku Like」と検索してみると、「こんなに安くていいの!?」といった驚きの反応から「私の国にも出店してください。それか日本に行きたい…」といった懇願の声まで、多言語での反応が見受けられました。
老若男女、そして国境を越えて日本の焼肉が愛されていることが伝わりますね。

日本の焼肉が海外に続々進出中

お肉を焼くという意味での焼肉は、カタチは違えどもどんな国でも馴染みのある存在です。
しかしそこに日本らしさや文化が混ざり合って生まれた日本の「焼肉」は、日本人だけでなく世界からも注目されているのをおわかりいただけたでしょうか。

今回は大手チェーン店のみ取り上げましたが、調べている中には海外展開を進める個人店も多く見かけました。
日本国内に限って言えば、少子高齢化や物価高などの影響で内需も減少傾向にあります。
今後も様々な店舗や業態が海外進出を進め、ますます日本の焼肉の良さが世界に広まっていくと言えるでしょう。

参考文献
・All about 旅行,「知れば知るほど食べたい！ 世界の焼肉特集」, 2007年8月29日更新, https://allabout.co.jp/gm/gc/67055/2/
・クックドア, 「焼肉は海外でも定番の食文化！世界の焼肉をご紹介」, https://www.cookdoor.jp/yakiniku/dictionary/22103_yakin_003/
・日本経済新聞, 「「牛角」コロワイド、海外直営店5倍　中東にも進出」, 2023年4月28日更新, https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC296MZ0Z20C23A3000000/
・PR TIMES, 「【焼肉ライク】欧州初上陸・ロンドン・ソーホー地区に「Yakiniku Like SOHO」が2023年4月7日(金)グランドオープン。」, 2023年4月10日更新, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000289.000034691.html