世界の人口増加により起こるビジネスチャンスとは
日本は少子化にともなう、人口の減少が心配されていますね。ところが世界に目を向けてみると、国や地域によっては人口の増加が予測されています。この状況下ではまた、ビジネスチャンスの広がりも考えられます。
まず、現在の世界人口と順位を見てみましょう。
出典:United Nations Population Fund – State of World Population 2013
(国連人口基金「世界人口白書2013」)
見ての通り、日本の人口は世界10位です。狭い島国でこの順位は脅威的ですよね。
■人口増加の予測
(引用元:http://www.es-inc.jp/)
●2014年
日本は1億2709万人で、前年度より-0.2減っています。世界では72億4400万人、前年度より1.1増加です。
●2030年
日本は1億1552万人、世界では84億25 00万人と予測されています。
●2050年
日本は9515万人。世界では95億5100万人の予想です。日本は毎年マイナスが続き、随分少なくなっていますが、世界的には人口は増え続けているのです。
さらに特に人口増加が多いと感じた国を挙げてみます。2014年の人口と2030年、2050年の予測です。
・インド 12億6700万人→14億7600万人→16億2000万人。
世界第2位の人口を誇るインドですが、爆発的に人口が増えてますね。現在1位の中国(約13億5000万人)に匹敵する勢いです。
インドに市場を築いたら強力ですよね。
ただ、インド人は何でもNo problemと答えてくるので商談の際には注意が必要です笑
・インドネシア 2億5300万人→2億9300万人→3億2100万人。
イスラム諸国の中でも多いのが世界4位のインドネシアです。順調に右肩上がりで人口は増加し続けています。
ハラル市場の成長も同じく伸びていきそうです。
ハラル市場についてはこちらから→2030年に1000兆円規模!?日本企業注目のハラル市場とは
・パキスタン 1億8500万人→2億3200万人→2億7100万人。
人口は世界第6位です。 情勢が不安定にもかかわらず日本を5000万人近く上回る人口が、約79.6万m2と日本の2倍近くある国土に暮らしており、 人口は2030年にはブラジルを抜き、世界5位になる見込みです。 もしかしたらパキスタンがビジネスの穴場になるかもしれません。
・ナイジェリア 1億7900万人→2億7300万人→4億4000万人。
意外に多いのがナイジェリアです。元々世界陸上やスポーツで活躍する人が多い国ですよね。
出典:総務省統計局ホームページ
総務省統計局「国勢調査結果」,「人口推計」及び国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」国際連合(UN)World Population Prospects: The 2012 Revision
ビジネスチャンスはどこにある?
2050年の人口はアジアが約54%、アフリカが約25%ほどを占めることになります。
これほど人口増加すると、必要なビジネスの種類には、どのような変化があるのでしょうか。
人口が増えると色々と必要なものも増えてきますね、そこから考えてみます。
エネルギー
経済産業省の試算では、第一次エネルギーの需要は、2010年から2050年までに約1.3倍になります。
「世界の一次エネルギー供給推移及び見通し(IEA)」では、2035年になっても石炭、石油、ガスを合わせた化石燃料が76%を占めています。2011年に化石燃料の占める82%とあまり変化していないですね。
そのほかはバイオマス10.6%、水力2.9%、原子力5.2%、再生エネルギー4.1%になっています。
農業
重要な食料ですが、2005年から2050年までに約1.6倍必要になるそうです。穀物が約1.5倍、肉類が約2.0倍も必要なのです。
医療
経済産業省の発表では、世界の医療市場は、2001年から2010年まで毎年平均8.7%で成長してきました。 2010年の市場規模は約520兆円で、内訳は医療機器約20兆円、医薬品約70 兆円、医療サービス約430兆円となっているそうです。
また、フィリピン、インドネシア、ベトナムなどでは、国民皆健康保険の加入を目指していますし、ASEANでの中高所得層が増えてきているため、高度な医療サービスも求められているそうです。
インフラ事業
世界の都市人口の比率は、2010年の約50%から2050年には約60%になるとのことです。アジアの人口52億人のうち、約32億人が都市人口になるそうです。
人口が増えることを考えると、人の移動にさらなる渋滞も予測されるので、緩和しスムーズにしなければいけませんね。そのため、移動に欠かせない鉄道や道路の整備も必要になってきます。
さらに、これらの整備に電力は欠かせません。交通手段だけではなく、生活するための電力の消費量も増加するはずですから、やはり、クリーンな電力の開発にも力を入れなければいけません。
住宅
「ボストン コンサルティング グループ(BCG)」の分析では、新興国では2010年から2030年の間に、合計30兆ドルの住宅、インフラ投資が必要だそうです。
そのなかでも住宅には13兆8000億ドルと試算されています。この20年間に、都市の居住者は中国で2億7000万人、インドで2億3000万人増えると言われています。
水事業
水の需要が2000年から2050年まで約1.5倍になると予測され、実は注目されているのが水ビジネスです。インフラとしての水道設備、農業、水の不足や、新興国の工業排水など多くのビジネスに関わってきますね。
特に新興国では、人口増加や経済の発展に排水処理が追いつかないので、アジアでは85%以上が未処理で海に流れているそうです。
環境省の調査によると、上下水道の普及率はインドネシア、カンボジア、ミャンマー、ベトナムで上下ともに50%を切っており、タイ、フィリピン、インドでも下水道は50%に届いていません。
2025年には2000年と比べて約3 割増加すると見込まれています。約80億人の人口に対し、取水量4000Km3、水不足が心配です。
まとめ
人口増加は、主に新興国でみられるようです。
整っていないインフラや住宅、医療など考えてみれば、どれだけでもビジネスチャンスはあるのではないでしょうか。
また、水に関しては環境省をはじめ、各省庁も支援を打ち出し、取組を始めています。日本の持つ技術力で、人口増加にともなうデメリットを改善していくビジネスを考えてみつのはいかがでしょうか。