女性専用車両は本当に必要?海外では賛否両論か

女性専用車両が登場してからずいぶん時間が経ちましたよね。いつも電車を利用している人はすっかり使用される時間帯やホームの停車位置を覚えたかもしれません。
反対に、地方に住む人は都会に旅行して、慌てて飛び込んだ車両が女性専用だったなんてことも今でもあるようです。
さて、女性専用車両自体、日本以外でも見られるシステムなのでしょうか?
そもそも女性専用車両って本当に必要なのでしょうか? 海外の事例も合わせて見ながら考えていきたいと思います。
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海外に見る女性専用車両
導入時、日本では大きな話題となった女性専用車両は日本独自のものと思っている人もいるようですが、海外にも同じようにシステム化されている国があります。
ただ、日本と同じように女性専用となっているのはインドや台湾、マレーシアなどごく一部の国です。
その他はフィリピンやメキシコのように女性に限定せず、障害者や高齢者、子供といった社会的弱者が乗るための車両を設けている例があります。
日本で言うと優先席の車両版といったところでしょうか。
とくにメキシコでは鉄道はもちろんバスやタクシーにも女性専用が導入されているそうで、ここまでいくと社会的にも棲み分けがきっちりできそうです。
間違えて乗ったら罰せられる?
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女性専用車両は鉄道会社が女性の利便性を高めるために設けているもので、法的に設置されているものではありません。
つまり、「鉄道を利用する女性が過ごしやすいように社会全体が協力しましょう」という考えから生まれたものです。
もし、間違えて乗ってしまっても法律で罰せられたり、鉄道会社からペナルティがあるわけではありません。駅員から注意はされるでしょうが、法律で整備されているわけではないからです。
実際、女性専用車両が男性差別として反対する団体も登場しています。
法的拘束力がないため、あえて男性が集団で女性用専用車両に乗って、抗議の意志を示す活動も続いているようです。
さすがに私にはそこまでの勇気はありませんが、同じ運賃を支払っていて男性はすし詰めの満員電車なのに女性専用車両は空いている、というのは逆差別と言われても仕方がない面もあります。
トラブル防止にはやっぱり必要かも
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ただ、日本の鉄道車内が殺人的な混雑で毎日の通勤・通学をする女性にとって痴漢など性犯罪を生みやすい環境なのは事実です。
男性客にとっても女性が近いと、痴漢が発生した際、冤罪に巻き込まれるリスクが高まります。
万が一痴漢に間違われた場合99.9%有罪になると世間では言われています。
女性用専用車両は、女性を性犯罪から守るとともに、男性に余計な負担を掛けないというメリットもあります。
そんなに日本は痴漢が多いのか?
海外から日本は痴漢天国といわれるぐらい、痴漢の発生率が高いとされています。
国としてはっきりとした海外との比較データはないようだが、以前、海外をテーマにしたテレビ番組でも日本の痴漢の件数はずば抜けて多いという統計が示されていました。
イギリスやアメリカでも警察や交通局が行った痴漢の発生件数データで増加傾向にあることがわかっています。しかし、海外では痴漢の被害を受けた場合、犯人に明確な行動を起こす女性が見られるのに対し、日本では泣き寝入りする割合が多くなっています。
ただ、通報するかどうかは海外も日本も数字として明確なものがなく、痴漢に対して女性はきちんとした態度が取れないケースも多いと考えるのが妥当でしょう。
まとめ
女性を痴漢から守るという重要な意義を持って登場した日本の女性専用車両は現在ではすっかり定着しましたね。
たしかに、男性差別といった批判もあります。
同じサービスを受けられないというのは、犯罪防止とはいっても行き過ぎではないかという男性の声も一理あります。
しかし、これまで痴漢の被害に悩まされてきた女性の行動を社会としてサポートするという点でも、必要だといえそうです。
ただ、女性専用車両の登場だけで話がストップしている感じもあります。混雑した車内に高齢者や障害者などが乗っていても優先席に座ったままの乗客も見かけます。
女性専用車両をさらに進めて、フィリピンのように一部の車両を優先車両にしてしまうというのも一つの方法だと思います。
男性も女性も、そして交通弱者にとってもより公共交通機関を利用しやすいよう改善をしていって欲しいですね。