外国人と日本人の”仕事量”と“忙しい”の違いと、これからの働き方を考察

外国人と日本人の”仕事量”と“忙しい”の違いと、これからの働き方を考察

「はあ…、どうしてこんなに忙しいんだろう…」。

そうぼやいてるあなた!ほんとうに“忙しい”ですか?

毎日のように残業し、周りに迷惑をかけたくないからせっかくの有給休暇も使えない。そんな働き方が当たり前になってませんか?

海外と日本の働き方の違い

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国が違えば、文化も違う。海外と比べることで、日本人にとっての働き方を一度見直してみましょう。

例えば、ヨーロッパでは基本的に「成果主義」が浸透しています。

「何をしたか」「どんな結果をもたらしたか」でその人の仕事を評価するのです。

一方日本では、仕事の成果そのものより、「忙しそうに働く姿」を認める文化が根付いています。

また、残業時間にも違いが見られます。

約6万8000件もの社員クチコミから分析した「Vorkers」によると

日本の平均残業時間は、月に47時間。

土日休みを除いて、実稼働時間で月に20~22日働くと考えると、毎日2時間以上の残業を含め、10時間労働が日本人の1日の平均労働時間だという計算になります。

月の総稼働時間にすると約200時間〜220時間というところでしょうか。

では、ヨーロッパの人たちはどれくらい残業しているのでしょうか?

例えば、フランスでは週35時間の通常労働に残業4時間をプラスした週39時間労働での雇用契約が一般的です。

そして、基本的にこれを超える仕事はしません。ようするに、1日7時間労働が基本で、月に4日間で1時間だけ残業しているということになります。

フランス人の月平均総稼働時間は約156時間です。

職種や給与、役職や福利厚生等の概念抜きで平均稼働時間だけで比較すると、なんと月で”44時間以上の時間の差”が生まれています。

1年にすると約528時間、日数にすると約22日間もの違いがあります。。。

外国人に余裕があるように見える理由はここから来ているのでしょうか。

時間だけでなく残業に対する考え方にも差があるようです。
日本では、「この仕事が終わるまでは帰れない」という人が多いのですが、ヨーロッパではまず時間を先に決める。

「〇〇時までにはこの仕事を終わらせる!」と先に考えるのです。

時間をはっきり決めていないので、終業時間になっても仕事が残り、集中できない状態でダラダラと残業…。
日本人の働き方は効率が悪いといわれても当然かもしれませんね。

目指す成果のための「忙しさ」はいとわない欧米人。「忙しさ」そのものが目的になってしまっている日本人。

「忙しい」姿を評価してもらうために、とにかく残業。

あなたもそんな働き方していませんか?

月月火水木金金や過労死、ブラック企業等の言葉が生まれる日本はどこがおかしいのか

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出典:http://ootori-roudou.com/

日本語には、日本人の働き方の特徴を示す言葉がたくさんあります。そしてことごとくネガティブなものばかり…。

例えば、就職活動の時期になるとよく耳にする「ブラック企業」。

この言葉は、IT企業に勤める若者のあいだで過酷な労働環境を表すネットスラングとして2000年代に使われはじめました。
ですが、はっきりとした定義はなく、イメージが独り歩きしているような気もしますが、安い賃金で長時間働かせる企業が多いのはたしかです。

また、「karoshi」とそのままアルファベット化された単語が海外でも取り上げられるほど、働きすぎによる日本人の「過労死」は深刻な問題です。

このように、日本人の働き方を表すネガティブな言葉が多い大きな原因は、仕事に対する日本人の意識でしょう。
日本人はとにかくよく働きます。

本来休日である土日も返上で仕事をするという意味の「月月火火水木金金」なんていう慣用句まであるくらいで、「働けば働くほどできる人」というイメージがあるのかもしれません。

世界の平均労働時間ランキングによると、日本は1,745時間で15位です。

これは世界平均の1,725時間を上回る数値です。
一方、世界一労働時間が短いオランダを含め、ドイツやノルウェーなどヨーロッパの国々は軒並み平均以下。

成果で判断するヨーロッパと、長時間働くことを重視する日本。

「仕事に対する意識」が根本から変わらないと、今後もネガティブな日本語は増え続けるでしょう。

日本人の働き方って、海外から見るとどうなの?

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出典:http://ootori-roudou.com/

また、休暇にも海外との大きな違いが表れています。

「年に休暇はどれくらい?」と聞かれると、日本人は土日を含めた休暇を答える人が多いのではないでしょうか? 

海外の方にとって「休暇」といえば、夏と冬に2週間ずつなど、ある程度まとまった休みのことになります。。

ヨーロッパの人からすると、まとまった休暇を取れない風習は「ありえない」ようです。

また、旅行会社エクスペディアの調査によると、日本人の有給消化率は60%で世界ワースト2位。

ヨーロッパに目をやると、フランスやスペイン、オーストリアなどはなんと有給消化率100%!

ここでもっと問題な事実が…。まず、「自分に与えられた有給の日数を知らない人の割合」ランキングで日本(53%)が世界1位なのです。

さらに、「有給を取ることに対して罪悪感を感じる人の割合」も世界一。。。

海外の人から「日本人は無駄に長く働いてるだけ」「休暇も取らずに仕事ばかりで楽しいの?」と言われないためにも、労働時間や残業、休暇など、仕事に対する意識を根本から変える必要があるのではないでしょうか?

まとめ

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出典:http://ootori-roudou.com/

ここまで、日本人の働き方について書いてきました。
ダラダラと残業をし、使って当たり前の休暇も、周りの目や他の人への迷惑を考えて使わず、その結果プライベートな時間がないと嘆いては、ストレスの溜まった状態で効率の悪い仕事をする。これがいままでの典型的な日本人の働き方です。

ただ、そんな日本の“伝統的”な働き方に疑問を覚え、新しい働き方をつくろうとしている会社や人が増えているのです!

国内グループウェア市場ではトップシェアを誇るサイボウズ株式会社は、「100人いれば、100通りの人事制度があってよい」を合言葉に、社長自ら育児休暇を取得するなど、個人の多様性を受け入れる社風を取り入れ、ワークスタイル変革をもたらしています。サイボウズHPに記載されている内容も非常に興味深いです。

“サイボウズは、優秀な人材の採用・定着のために、働き方の選択肢を増やしてきました。今後も、個人・チーム両方の生産性を上げるためにも、多様性を受け入れる制度策定に取り組んでいきます。

離職率が過去最高を記録した2005年以降、「より多くの人が、より成長して、より長く働ける環境を提供する」とポリシーを定め、ワークライフバランスに配慮した制度や、社内コミュニケーションを活性化する制度を採り入れてきました。その結果、離職率は28%から4%へと低下しています。

・育児・介護休暇制度(2006年~)
最長6年間の育児・介護休暇制度。育児休暇については、男女問わず、子の小学校入学時まで取得が可能です。育児・介護短時間勤務制度とともに採り入れました。

・選択型人事制度(2007年~)
社員が、ライフスタイルの変化に合わせて働き方を選択できる制度です。
育児、介護に限らず通学や健康など個人の事情に応じて、勤務時間を決めることができます。
現在は、9種類から働き方を選択できます。

・在宅勤務制度(2010年~)
当初は月4回という制限がありましたが、2012年8月より下記「ウルトラワーク」制度を開始したため回数や場所の制限はなくなりました。

・育自分休暇制度(2012年~)
35歳以下で、転職や留学等、環境を変えて自分を成長させるために退職する人が対象です。最長6年間は復帰が可能です。”

出典:サイボウズHPより抜粋

そもそも人間って、一人ひとり個性が違うし、置かれた状況もバラバラですよね。

子育てをしないといけない。他の会社と掛け持ちしたい。自宅や旅行先でもパソコンを使って働きたい。いろんな人がいるのです。

会社で決めたルールを誰もに当てはめるんじゃなくて、それぞれのニーズにできるだけ応えることで、社員がイキイキと働ける。
仕事が楽しくなれば、生活全体のクオリティも上がる。

その結果、いい仕事ができるようになる。これがサイボウズの考え方だそうです。

もちろん、こんな企業はまだまだ少数派です。残業や休暇についても、一度根づいた文化はすぐには変わらないでしょう。

それでも、従来の働き方を疑い、新しい働き方を提案する企業やそこに共感する人が増えていけば、日本人の「忙しい」も少しずつ変化していくのかもしれませんね。

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