貿易に関わる唯一の国家資格!通関士の仕事内容と試験内容を簡単解説
この記事は2024年3月8日に更新されました。
貿易に関わる唯一の国家資格をご存知ですか?
それは、輸出入の最前線で活躍するプロフェッショナル、通関士という資格です。
今回は、そんな通関士の仕事内容やなるためのステップを簡単に解説していきます!
通関士とは
通関士とは、外国との貿易や物流に関する正しい手続きを行う資格を持つ人を指しています。
法律に触れた品物が持ち込まれていないか、関税や消費税を課税すべきか否かなどの手続きを行っています。
主な仕事内容は、通関書類の審査と審査後の記名捺印です。
かつては書類を通じて手続きを行いましたが、現在はNACCSという国際輸出入貨物に関する税関手続きの電子情報システムの運営管理を行っている特殊会社が提供するシステム上で税関とのやりとりをします。
物流・倉庫会社といった通関業者はもちろんですが、海外輸出入が関わってくる商社やメーカーといった企業でも必要とされている専門家です。
日本の貿易の窓口を担っている人々だと言っても過言ではないでしょう。
通関士になるためのステップ
通関士になるためには、国家試験である通関士試験の合格が必須です。
試験は全て選択式で、科目は「関税法など」「通関実務」「通関業法」です。
合格率はこの数年間10%前後で推移しており、難易度も低いとは言えません。
実務経験がある方が試験の内容を理解しやすく、また経験年数が5年以上ある場合には科目免除があるため、通関業者に就職してから資格を取るケースが多いようです。
したがって、
①通関業者に就職する
②5年間の実務経験を積む
③試験傾向や問題内容を把握し受験
というのが確実に通関士になれる流れだと言えます。
一方で、「5年間なんて待てない」「即戦力として働きたい」と考えている方ももちろん受験可能です。
試験では、各科目・項目ごとに6割以上の得点があれば合格となります。実務に関わる法律や知識を勉強する必要があるので、ビジネス系の専門学校等に通学したり、そうした学校のオンライン講座を受講したりすることも勉強方法として挙げられます。
通関士は将来なくなる?
日本も含めた世界各国は、国内市場だけでなく海外市場に展開する企業が増加しています。通関士の必要性も自ずと高まってきているのです。
また、昨今はどの職業でも「将来はAIに取って代わられるのではないか」と不安視されていますが、通関士に関してはその心配もなさそうです。というのも、非常に複雑性と専門性のみならず、頻繁に起こるトラブルに対処する柔軟性というのが求められる仕事だからです。
先述した通り難易度の高い資格でもあることが相まって、人手不足に陥っている現場も少なくはないようです。
これからの日本、そして世界を担っていく通関士という職業を、キャリアの一つの選択肢として加えてみるのはいかがでしょうか。
参考文献
・資格の学校TAC, 「通関士試験をズバリ解説!通関士の仕事内容は?」, https://www.tac-school.co.jp/kouza_tukan/tukan_sk_idx.html