「開拓」だけでは海外進出とは呼べない。トモダチドリブン海外進出で事業の成長を目指す

「開拓」だけでは海外進出とは呼べない。トモダチドリブン海外進出で事業の成長を目指す


COUXUとの出会い

大村:
そもそも1番最初に海外進出してみようと思ったきっかけは何だったんですか。

杉元:
当時SNSがブームで来ていたのもあって、6~7年前ぐらいに、当時日本に上陸したばかりのインスタグラムに注目して、力を入れていたところ、海外からの問い合わせが急に増え出しました。大量に発注をくれる貿易会社があるなと、どこに売られているのかきちんと掘り下げていくと、実は香港のドラッグストアで流通しているということが分かり、”これはちゃんとやらないとね”というのがきっかけですね。

大村:
その時くらいからですよね、一緒にお取り組みをさせていただいたのは。

杉元:
そうですね、海外に対する知見がない中で当時の担当者から大村さんへ連絡がいったのがきっかけで、それから仲良くやらせて頂いてますよね。

大村:
それからいろいろやりましたね、有名なお店に商品が並んだりとか。

 

ドライに商売はしない。信頼関係が大切。

大村:
まずI-neさんや海外進出がうまくいっている他の会社さんを見たときに友人でありビジネスパートナーを現地に作り、複数国で拡大検証をする中で自分たちにあった市場では拡大検証を続けているという共通点があるなと感じていて、僕たちもそこに対してのナレッジをトモダチドリブンと言わせていただいているんですね。

杉元:
なるほど。

大村:
このトモダチドリブンに対する杉元さんの率直な感想をお聞かせください。

杉元:
トモダチドリブン自体は、キャッチーかつその通りの企画だなと思います。なぜかというとビジネスで関わろうとしても、例えば今だったらオンラインミーティングだったり、こういうコロナの状況じゃなくても出張ベースの対面ミーティングでないと互い本音で話がしづらいじゃないですか。

結局日本の商売というものは、そんなドライに皆さん商売はされていないように感じます。例えば、営業だったらあの人から買いたいとか、同じものでもあの企業から仕入れたいと言うのがあったりするんです。

海外の人も同様に、ドライに”契約条件はこれで”と言われると、いくら売れる商品であったとしても商談が成立しないケースも経験しました。当時、香港だとかそのあたりでやっているときに売れる商品を日本から持って行って、あるバイヤーを頼ったときに「あっそう。日本で売れてんの。ふーん。」みたいなこともありました。

今、香港で取引をさせていただいている方は、友達の紹介ベースで信頼関係のある方です。その方とは直接関係がなかったとしても紹介の筋で信頼関係があったところなので、本音での対話ができます。結局、ショートスパンのビジネスの商談だと出せる条件もお互い出せずに終わってしまう。それでだめだともう終わりじゃないですか。そういう意味でトモダチドリブンっていうのはいいアイデアだなと思いました。

海外に出て気づいた「進出」の難しさ

大村:
今まで何か国ぐらい行かれましたか。

杉元:
結構行きましたよ。実際輸出したのは東南アジアだとタイ・シンガポール・マレーシア・オーストラリア・台湾・香港。今は中国や韓国。欧米だと日系企業さん向けに西海岸など12~13か国はやりましたね。

大村:
海外に行かれて率直に感じたことはありますか。

杉元:
その答えになっているかわからないですが、当時は、商品が受け入れられて、売れるものだからってお取り組みをさせていただいたのが10何カ国あって、海外進出した気になっていました。でも各国で議論を深めていく中で、これは進出じゃないなということにどんどん気づいていく自分がいました。

大村:
開拓はしたけど進出はしていないと。

杉元:
そうですね。ただ商品が国境を超えただけみたいな、それは海外ビジネスを展開しているとは言えないと少し思い始めたところはありましたね。

大村:
どうしてそのように思われたんですか。

杉元:
弊社では日用品や化粧品・美容雑貨を展開しているのですが、どのようなコンシューマーの方がいて、どのようなリテールがあってECチャンネルはどのようなものがあって、じゃあどのようなマーケットでどういったマーケティングを行って、会社の体制や人事制度はどういうもので、どのような会社のミッションビジョンを掲げてやっていくのか、これらをすべてやって初めてビジネスが成立するわけじゃないですか。商品を輸出して、ただ単にお店に物が並んでいるだけで、私たちのミッションやビジョンがしっかり届いてるのかなと、各国に行った時、感じました。

そういった根幹の想いのすり合わせができてないと、現地のディストリビューター側も、コミュニケーションがちくはぐになってしまうんですよね。私たち日本側の思いをぶつける、現地は現地のやり方が当然あるみたいになって。本来であれば現地に入り込んで、現地の方たちと現地のメンバーで折衝するとか、そういうコミュニケーションが必要なんじゃないかなと感じたところで進出してる感じはなかったですね。

大村:
開拓して触ったけど根付く進出はしていないということですね。

杉元:
そうです。そうです。

大村:
そこで開拓で止めた国と進出した国もあるわけじゃないですか、その判断はどのように行っているのですか。

杉元:
一つ大きなのは当然ですけど経済合理性。そして、もう1つは進出のしやすさです。今は中華圏に絞っているのですが、理由としては中国と台湾が地理的に近いこと。加えて、情報が取りやすいという観点もあります。日本から現地に行ってる日本人も多いですし、日本に居る中国系の方も多いので、そもそもの相互コミュニケーションが1番多いんですよね。

例えばマレーシアは、マーケットのポテンシャル自体はあるのですが、私たちが現地の情報を十分に知りえるかと言うとすごく断片的で意思決定をしづらいので、マレーシアでやっていこうっていう話にはなかなかなりにくいところがあります。そういうのを整理していくと残ったのが中華圏だったという感じですね。

 

自分たちの経験を糧に、ビジネスを展開

大村:
海外に進出するときは杉元さんがやっていらっしゃったようにまずは開拓をして進出先を探すという方法がお勧めなのか別の方法でやるのがいいのか、今振り返ってみてどうお考えですか。

杉元:
難しいですね、経営スタイルとか開拓する方の考え方にもよると思います。一回自分たちで経験して、ダメでした。なので同じ失敗は繰り返さないという流れを汲んで現在の形を取っています。

海外進出する時にどうしたら良いですかという話をする時に、現地に信頼できるパートナーをおくことが大事だとみなさん言っておられるじゃないですか。弊社も現状はそうしているので、結局1番最初に戻ってきているんですけど、それは本当なのか3年くらいかけて確かめてきました。

それを近道して、信頼できるパートナーをという話になると思うのですが、信頼できるパートナーの探し方もわからないという感じになると思います。どういったパートナーが適切なのか、自身と会社で判断する際の価値基準のようなものを作るためにも、いろいろなところを見たほうがいいなというところはあると思います。

大村:
杉元さん的に現地の信頼できるパートナーにしていこうと言った時に、どういった方が理想になりますか。判断基準を教えてください。

杉元:
結構シンプルで、ちゃんと人としてコミュニケーションを取り合えるかですよね。それこそさっきのトモダチドリブンじゃないですけど、友達が1番のきっかけにはなると思うので。

大村:
今、パートナーの企業さんとは、長いところでどのくらいの期間お付き合いをしていますか。

杉元:
香港と台湾は長いですね。現在は閉めましたが、数年前に台湾に現地法人を設置していました。立ち上げに2年かかったので、台湾のディストリビューターとは4年以上のお付き合いになります。開拓からすると5年くらいですね。香港も同じくらいですね。

大村:
台湾はどのようなきっかけで閉めることになったのでしょうか。

杉元:
当時は入りやすさで入って売り上げも右肩上がりに伸びていたので、現地に会社を作ればもっと売上を上げられるんじゃないかと思ったのですが、実際やってみたら、なかなか売り上げが上がりませんでした。マーケットを改めて詳しく調べてみたら、ギャップが見えて。

月1回ぐらいは現地に行っていたのですが、台湾は近いといっても海外なので月1回行くとなると前後に2・3日押さえられることになります。そこに労力を使い続けていいものなのか、日本国内でもっと大きなビジネスに関わった方がいいのではないかということを、私だけではなく他の役員も考えていました。

とはいえ現地の方を雇っていることもあって悩んでいたのですが、最後はスタッフと納得いくまで議論して、クローズの判断をしました。ディストリビューターとの関係も構築できていたので、現地法人がなくなったとしても売り上げをキープできるのではないかという判断をしました。実際のところ、現状、できています。

大村:
最初にマルチプルマーケットっていう複数の国でやっていくことに対して僕らは推奨しているんですけど、杉元さんはどのように思われますか。

杉元:
私もそれは思います。海外でやろうというバイタリティのある方は、多分すごく大きなビジョンがあるので、”とりあえずここで”とはならないと思います。できるんだったらいろんなところでいろんな人にサービスやプロダクトを使ってもらいたいとか体感してもらいたいみたいな思いがあると思うので、可能な限りいろいろなところでチャレンジすればいいと思います。

大村:
これまで割といいお店に入ったりだとか他の企業ができなかったことを実現されてきたと思うんですけど、成功できた1番の要因は何だと思いますか。

杉元:
経済合理性があったかどうかは別として、この業界で海外進出をするからには、このお店には入れたい、というような思いが強くあったからだと思います。ただ、何としても入れるということが1つの目的になってしまっていたので、今考えると全然ダメな話なんですけど。

大村:
基本的には掲げたことをブラさずにやっていくというのが多かったんですね。

杉元:
そうですね。

大村:
進出をやめられた国もありましたよね。

杉元:
中華圏以外はすべて見直しをかけました。投資できないのでこの業界で海外進出をするからには、このお店には入れたい、というような思いが強くあったからだと思います、謝罪の連絡を入れた取引先様もいました。

大村:
連絡を入れた時は何と言われたんですか。

杉元:
「えっ」みたいな。出荷してくれるだけでいいとおっしゃっていただいたのですが、われわれの目指す海外進出はそれではないというコミュニケーションは最終的にはしました。

大村:
商品を置くだけではなく進出するためには投資もしなきゃいけないので、そこに携わるのはちょっと無理だよと言う話ですね。

杉元:
そうです。

 

各国に合った販売の形を考えてこそ「進出」と言える

大村:
今後の展望はどのように考えていらっしゃいますか。

杉元:
現在、中国は、現地法人を自分たちで作っていっているので、まずそこで勝ち筋を見つけないといけないというのがあります。勝ち筋が見えるタイミングでは他の国での芽ももう一回出しておきたいというのが言うのがあります。

大村:
次にどこの国を攻めようとなった時に、国をぼんやりと思い浮かべているのか国は正直どこでもいいと考えていらっしゃるのかどういうふうに考えていらっしゃるのですか。

杉元:
まだ未確定の部分は多いですが、恐らくアジア中心になるのかなとは考えています。

大村:
御社には海外事業部のような部署はあるんですか。

杉元:
中華圏が主なので、中国現地法人主体でやってます。

大村:
それぞれで出来るのは、ある意味で理想ですよね。遠隔でややこしいコミュニケーションも必要ないですし。

杉元:
そうですね。向こうに社員がおりますので、われわれ日本と定期的にミーティングなどをして、事業を進めてやっているという形ですね。

大村:
日本からだといろんなことがやり辛かったですもんね。

杉元:
やり辛かったですね。当たり前だと思っていることが通じなかったり、現地のことは現地の人にしかわからないみたいなところが、ほとんどでした。

大村:
日本で販売していたものを海外に持っていくときにパッケージ変えるなど変化を加えることもあると思うんですけど、御社で何か変更された点はあるのですか。

杉元:
中国では、現地生産を主にしているので、輸出はしていません。

大村:
それは初期の頃からやっていないですか。

杉元:
していないです。自分たちが作った日本の良いものを、現地の認可を取って現地で売るというところをベースでやってました。

大村:
今はそこは変わったんですね。

杉元:
はい現地で製造しています。

大村:
変わったのは何がきっかけだったんですか。

杉元:
当然コスト上の問題もありますし、ECやドラッグストアで購入してくださるターゲットユーザーに届かないという課題もありました。と言いますのも、輸出の場合は、非常に高額になってしまうのです。また、中国は化粧品の通関に関して難しい部分もあり、申請に時間とコストもかかるというところも課題でした。そこで、現地製造しようという判断になりました。

大村:
他の国でも同じようなやり方を適用されていくのですか。

杉元:
それは国ごとだと思っています。

どれが1番最適になるか検証する、国のレギュレーションに沿ってやる。進出するとはそういうことかなと思います。船だけ出してあとは自由にやってくださいという時期もありましたけど、そうではなくて、その国でどう進出するか考えた時には、商品をどのように入国させるか、現地で作るのかを考えるのも進出の中に入るのかなと思います。

大村:
今日お話をお聞きしてきた「開拓」ではなく「進出」するということですよね。

杉元:
話を拾って頂いてありがとうございます笑

大村・杉元:

大村:
本日はありがとうございました。

杉元:
ありがとうございました。

 

本インタビューのテーマである「トモダチドリブン海外進出」をまとめたレポートは、下記のフォームよりダウンロードができます。

弊社がこれまで経験した成功と失敗を振り返り、海外進出における考え方からスキルまでを一挙まとめました。180ページを超える内容ですので、ご興味がある方は是非読んでみてください。

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