知らなかった!世界から見た日本のタクシーの評価

飲み会で終電を逃した・・・。ついつい買いすぎて、持って歩くのが大変・・・。そんなときに便利なのが、呼べば自宅まで送ってくれるタクシー。日本のタクシーは、世界トップクラスのサービスや車の性能を備える代わりに、財布には優しくないようです。
出典:http://www.e-aidem.com/
サービスがウリ!日本のタクシー
日本のタクシーは、海外の人にとって観光名物の一つです。
日本のタクシーに乗った外国人の多くは、まず「自動ドア」に感動するようです。
荷物で両手がふさがっているときに乗客のために自動で開くドアはとても助かると評判です。
また、海外のタクシーと比べて、車体や車内が綺麗なのも外国人が驚くポイントです。
そして「白い手袋をした清潔な身なりの運転手」も日本のタクシーの特徴の一つ。
海外では、Tシャツにジーンズのタクシードライバーも少なくありません。
きちんとした格好で、乗客のことを第一に考えた「おもてなし」を提供する日本のタクシーは、海外の人を喜ばせています。
「おもてなし」の代償
出典:http://www.asahi.com/photonews/gallery/20130424hills/hills30.html
サービスの良さや車の清潔さが外国人を驚かせる日本のタクシーですが、世界と比べると「価格が高い」のも大きな特徴です。
初乗り料金が東京で700~730円、大阪だと640~660円。
これは、世界の大都市の平均と比べると倍程度の価格なのです。
世界の主要都市のタクシー料金を比較したランキングによると、いちばん安く乗れるのはインドのデリーです。
1000円で86.96kmも走ってくれるそうです。東京から群馬までまっすぐ行ったぐらいと同じ距離と言ったらわかりやすいでしょうか。
デリーと比べると、日本は約3kmで最下位から2番目というコストの高さ。タクシーではなく電車やバスを利用する訪日観光客は、財布の中身を気にしているのでしょう。
日本人にとっても、終電を逃したり、旅行や出張先で大きな荷物を抱えていたり、どうしようもない場合の移動手段がタクシー。
「タクシーなんて高くてそう滅多に使えないよ」という人も多いのではないでしょうか。
実際にタクシーの利用者は減る一方。国土交通白書によると、2000年には19億人を超えていた乗客数が、2013年には15億人を下回りました。
低迷するタクシー業界を支援する動きもあります。例えば東京では、近距離移動への需要を見込んで、2km780円から880m330円への初乗り料金の変更が検討されています。
サービスや車のクオリティの高さが海外の人から認められる一方、コストがネックとなり利用者が減る日本のタクシー。値段に関しては、引き続きさまざまな取り組みがなされていくはずです。
海外ではタクシーにもチップ
ヨーロッパなどでは、ホテルのドアマンやレストランのウエイターに対してチップを支払う文化のあることはご存知でしょうか?
こういった国では、タクシーの運転手さんにもチップを支払います。
例えばドイツでは、サービスの質やその他の状況にもよりますが「料金の10%」がチップとして渡すお金の平均だそうです。
チップは義務ではなく、サービスに対する気持ちを表現する手段です。
給料の低いタクシー運転手にとって貴重な収入源であり、乗客に快適なサービスを提供するモチベーションにもなっています。
まとめ
ハイヤー配車サービス”Uber”をはじめとした新たなサービスの登場によって、とくにアメリカやヨーロッパではタクシー業界が変化の時代を迎えています。
また、数年後に実現するといわれる自動運転車がタクシーの運転手から仕事を奪うのではないかという声も少なくありません。
しかしここまで見てきたように、日本のタクシーは運転手による「おもてなし」が外国の人からも称賛されています。
もはや、誰もが自分の車を使ってタクシーの代行をできるようになった。さらにこれから、ロボットが車を運転する時代が来るのもほぼ確実。それでも、サービス精神に富み、長年経験を積んできた日本のタクシードライバーは生き残っていくのではないでしょうか。
今回見てきたタクシー1つとっても、国によって文化が異なることが分かります。日本では当たり前のモノやサービスも、海外と比べてみることでその良さや特徴を改めて認識できます。今度タクシーに乗る機会があれば、「こんなの当たり前だよ」と思わず、運転手さんのサービスや自動ドアに注目してみてくださいね。