トップクラスのサービス!?世界と異なる日本のタクシー、今後どうなる?

トップクラスのサービス!?世界と異なる日本のタクシー、今後どうなる?

天候が悪いとき、自分で車を運転できないとき、終電を逃したとき…
どんな時でも安心して快適に目的地まで連れて行ってくれる日本のタクシーは、世界でも高い評価を受けています。
外国人観光客の中には日本のタクシーを観光目的の一つとして楽しんでいる方もいるようなのですが、世界と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
世界との比較と、これからのタクシー市場についてまとめてみました!

日本のタクシーは世界で〇位!

2013年という少し古いものではありますが、オンラインホテル予約サイトのHotels.comが世界30か国を対象に複数項目で各国のタクシー調査を行ったところ、

1位 ロンドン
2位 ニューヨーク
3位 東京

という結果となり、日本のタクシーが堂々の世界3位を獲得しました。
そんな日本と世界のタクシーの特徴を、良い面と悪い面の双方から見ていきましょう。

日本のタクシーの特徴

・サービスの質の高さ
日本のあらゆる業界で、「おもてなし」精神やホスピタリティの高さが評価されていますよね。
タクシーにおいても、日本が誇る自動車の車体の美しさといった外観に始まり、白い手袋をしてきちんとした身なりのドライバーさんが丁寧に受け答えしてくださり、清潔な車内で目的地までの時間を快適に過ごせます。
2023年をもってプライバシー保護や働き方の観点から廃止されましたが、以前まではドライバーさんの名札の提示も義務付けられており、責任を持って業務を行っていることが乗客に伝わるような制度もありました。

後に述べますが、海外ではこうした清潔感や統一感のあるタクシーが一般的ではありません。
まさに日本の文化を色濃く反映した良さであると言えます。

・価格の高さ
こうしたサービスの質の高さも影響し、対価として払う運賃の高さも特徴的です。
各国の生活情報を記録する世界最大のデータベースNUMBEOのデータでは、1kmあたりの料金がランキング形式で示されています(https://www.numbeo.com/cost-of-living/prices_by_country.jsp?displayCurrency=JPY&itemId=108)。
スイスが約627円で100か国中1位であるところ、日本は約410円でなんと6位とかなりの高価格帯に位置しています。
ちなみに最も安い100位はアルメニアで約37円と、日本の10分の1にも届きません。
初乗り料金に関しても(https://www.numbeo.com/cost-of-living/country_price_rankings?itemId=107&displayCurrency=JPY)、現在の日本では500円とすると高い方から30か国以内に入ります。
この二つのデータを合わせると、世界でもかなり高額な運賃だと言えるでしょう。みなさんも「タクシーは高い交通手段」という認識を持っていらっしゃるかと思います。

・自動ドア
テレビ番組などのインタビューで「日本で一番驚いたことは?」と聞くと「タクシーのドアが自動で開いたこと」と答える外国人観光客の姿、みなさんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
日本人の私たちにとっては当たり前のタクシーの自動ドアシステム、実は海外にはほとんどなく、日本独自のシステムなのです。
自動ドアの仕組みは、1964年の東京オリンピックの際に外国人観光客の増加を見込んだサービス向上に向けて普及し始めたと言われています。
最初は安全確認のためにドライバーさん自身がお客様のためにドアを開閉することが一般的でしたが、車を降りる時間や手間を省けるメリットが大きい自動ドアが浸透するようになりました。
今ではこの最先端技術としての面白さが、タクシー自体が観光目的の一つにもなりうる要因になっています。

海外のタクシーの特徴

・個性あふれるドライバー
欧米では日本と同様生活感のない内装が多いようですが、東南アジアでは個人の私物でコーディネートされていることが多いです。
筆者も東南アジアの国々でタクシーに乗った経験がありますが、ドライバーさんによって内装の雰囲気は全く異なりますし、運転中にトランシーバーで他のドライバーさんと楽しそうに会話していることも多々ありました。
「企業のタクシー」というよりかは、「知り合いの車」に乗っているような感覚に近いかもしれません。ドライバーさんも、日本とは異なり客と対等の立場にあると捉えているようです。

・チップ
値段に関連して挙げられるのは、海外のタクシーではチップを渡す必要があるかもしれないという点です。
特に欧米では、国にもよりますが運賃の15%ほどを渡すことが一般的なようです。
したがって、初乗り料金や運賃とは別に支払うお金もあるため、先ほどのランキングで下位にいたとしても総合的に見ると決して安くはない国も出てきます。

余談になりますが、日本のようにメーター料金ではないタクシーが走っている国もあります。
目的地に着いたら想像以上の運賃を要求されてぼったくりだった、という海外トラブルもよく聞きますよね。
このように料金システムにも大きな違いがあることがわかります。

・ライドシェアという新しい乗り方
厳密にはタクシーではないのですが、似たような交通手段として海外で普及しているのがライドシェアという新しい乗り方です。
行先をアプリ内で入力したら近くを走っている車が迎えに来てくれるといったお抱えのドライバーさんがいるような配車型や、同じ方向に向かうドライバーと乗客をマッチングする相乗り型などがあります。みなさんもお馴染み、アメリカのUberは業界でもトップ企業です。
いずれにしても、あくまでも一般人が個人の車両で運転しているところに乗車するシステムなので、日本の制度的にも文化的にもあまり一般的とは言えない乗り方です。

日本のタクシーが直面する課題

世界とも一線を画したタクシーサービスを提供している日本ですが、これからの日本のタクシーには多くの課題が懸念されています。
ドライバーの高齢化問題、それに伴ったドライバー不足、ライドシェアなど類似サービスへの対応など…中でも私たち利用者にも影響してくる3つの課題を挙げていきます。

利用者が減っている

もともとタクシーの輸送人員(=利用者)数は減少傾向でしたが、新型コロナウイルスの流行の影響で外出自粛期間があったことから、利用者がさらに激減した時期もありました。
今はそうした理由ではないものの、新型コロナウイルスによって、例えばリモートワークの増加や残業時間の減少といった生活様式だったり、飲み会が減るなどの社会の風潮だったりと、あらゆる面で大きな変化が起きています。タクシーを利用する機会そのものが減っているのも事実でしょう。

タクシー台数も減っている

利用者の減少に伴って、走るタクシーの台数も減っています。
それはドライバーさんの人数の減少も意味し、「街でタクシーが捕まりにくい」という私たち利用者への問題は、市場全体の縮小にもつながっていきます。

また、近年ではタクシー車内で流れる広告の効果が高いことが注目されています。それこそコロナ前後では乗る時間帯や客層が変わってきており、そこに特化した広告が流せるという費用対効果の高さがメリットのようです。
広告を打つ企業や広告会社の業績にも密接に関わってくると言えるでしょう。

外国人対応可能なタクシーが少ない

求められるサービスの質も変化してきています。
前述したように日本のタクシーの良さは「おもてなし」精神が根付いた丁寧な接客ではありますが、それが当たり前となった現代、顧客のニーズはさらに拡大しているのです。
特に課題として挙げられるのは、外国人観光客へのサービスです。初めて訪れた外国人観光客であれば、ややこしいバスや電車を利用するよりも、現在地から目的地まで指定することでスムーズに移動できるタクシーを利用する方がいるのも想像できます。

以前からタクシー業界のインバウンド対策は行われていましたが、上記でも述べた通りタクシー側の母数が減っていることに加え、インバウンド需要が復活しつつあることから、さらなる対応が急務となるでしょう。
外国語を話せる・話そうと心掛ける人材の確保と育成のみならず、例えば観光案内に特化したタクシーの普及など、移動手段といった従来の利用目的に留まらない利用者を増やす方向へとシフトしていく必要もあります。

これからのタクシー市場

日本のタクシー業界が多くの課題を抱える中、大手市場調査会社のIMARCによると、世界のタクシー市場規模は2028年までに4.93%の成長率を示すと予測しています。
例えば、アメリカのサンフランシスコでの無人タクシーの全面解禁など、MaaSの事例としてもホットなのがタクシー業界です。

日本でも配車アプリをはじめとして以前よりも手軽にタクシーを利用する手段は増えており、普及しつつあります。
人々のタクシーへの見方を変え、日本ならではの強みを活かした新しいタクシー業界の在り方を考えてみるタイミングは、まさに今かもしれません。

参考文献
・マイナビニュース, 「世界のタクシーランキング、1位はロンドン -東京は世界●位」, 2013年11月12日更新, https://news.mynavi.jp/article/20131112-a029/#:~:text=1%E4%BD%8D%E3%81%AF%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E3%80%812,%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%80%813%E4%BD%8D%E3%81%AF%E6%9D%B1%E4%BA%AC&text=%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%80%81%E3%80%8C%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E3%80%8D,1%E4%BD%8D%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82
・乗りものニュース, 「タクシーの自動ドア「おもてなし」だけが理由じゃなかった 実は「事故」が大きな要因」, 2019年10月9日更新, https://trafficnews.jp/post/90230

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