【徹底比較】海外取引における決済方法と利用料金を比べてみました
この記事は2017年3月10日に更新されました。
海外取引で送金をおこなう際、使用通貨が異なることや送金にかかる手数料についても考慮する必要があります。今回は海外送金のバリエーションをご紹介するとともに送金ツールを選ぶときに把握しておきたいお得な情報をご提供いたします。
目次
1:海外決済の種類・一覧
海外決済にはいくつかの種類があります。くわしくはそれぞれの項目で説明しますが、代表的なものが、「銀行送金(T/T)」、「電子決済」、「信用状取引L/C」です。
1-1:銀行送金(T/T)とは?
銀行送金とは、Telegraphic Transfer Remittanceの略。電信為替送金を意味し、銀行経由で外資を送金することです。
1-2:電子決済とは?電子決済方法一覧
一般企業からは便利な電子決済サービスがたくさん提供されています。自分の好みのスタイルに合ったものを検討してみましょう。
下記がよく使われる電子決済一覧です。
・Paypal(ペイパル)
クレジットカード決済を代行してくれるサービス。ペイパル上で独自のアカウントを作成し、そのアカウントを通し現金のやりとりがおこなわれる仕組み。月額使用料は無料、決済手数料は3.6%+40円〜なので気軽に利用できるのが魅力です。銀行口座への振替は、手続き後3営業日で完了するため、入金サイクルも速くビジネス上のやりとりでも重宝します。万が一、不正利用などで取引トラブルが発生しても損失を軽減できる制度や解決のサポート体制が整っているので安心です。
・Facebook(フェイスブック)
人気SNSのFacebookのメッセンジャー機能を利用し、決済をおこなうもの。Facebookアカウントにデビットカードを登録することで「Facebook Messenger」アプリ内で決済が可能になります。(Facebook内の友人間のみ)手数料は無料。ただし残念ながら、現在日本では未対応のため、早急な導入が期待されるところです。
・Venmo(ヴェンモ)
米国内の銀行口座とSMSメッセージを受信できる米国の携帯電話があれば、アプリを通してすぐにアカウントを作成することができます。Venmoのユーザー間で送金することが可能なだけでなく、入金を督促することもできるのが便利なところ。銀行口座、デビットカード、クレジットカードの3種類が登録でき、銀行口座とデビットカード利用の場合は手数料もかかりません。
・Square(スクウェア)
ICカードに対応したSquareリーダーがあれば、モバイル端末がスマホ決済可能なPOSレジに変わるもの。3.5-mmイヤホンジャックに接続し、数分で設定が終了します。
・Alipay(アリペイ)
4億人の登録ユーザーを誇り、中国のモバイル決済では80%のシェアを誇るオンライン決済サービス。一日の平均取り扱い件数は1.2億件を超えており、中国消費者を対象とした越境ECにぴったりです。各種通貨で支払われた国際決済の売上金はベリトランス経由で日本円で入金されます。
1-3:信用状取引(L/C)とは?
Letter of Creditの略で日本語では、信用状を意味します。買い手と売り手の双方の国間でそれぞれ銀行が介入し、L/Cの売り買いを銀行にしてもらうというもの。代金の支払いと荷物の受け取りを双方で確実にしようとするものが、このパターンです。
L/Cと呼ばれる書類を買い手の銀行を通じ、売り手の銀行に送付し、売り手はL/Cを輸出書類とともに銀行に買い取ってもらいます。買い手は買い手側の銀行にお金を支払うことで、荷物の引換証「B/L」を受け取ることができます。
2:海外決済の利用料金
メガバンク(三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行)での、法人電子送金の際の料金を比較してみましょう。
銀行送金(T/T)
・三井住友銀行
①円普通預金から出金、または円現金を店頭に持ち込みし、円貨建てで送金する場合
1.海外送金手数料 4,000円(三井住友銀行の海外店、連携銀行宛は3,500円)
2.関係銀行手数料 2,500円(受取人取引銀行または送金の経由銀行で発生する手数料を依頼人負担とした場合に発生します。受取人取引銀行または送金の経由銀行から後日4,000円を超える請求があった場合は差額が請求される)
3.円為替取り扱い手数料 送金金額の1/20%(0.05%)(最低2,500円)
②円普通預金から出金、または円現金を店頭に持ち込みし、外貨建てで送金する場合
1.海外送金手数料 4,000円(三井住友銀行の海外店、連携銀行宛は3,500円)
2.関係銀行手数料 2,500円(受取人取引銀行または送金の経由銀行で発生する手数料を依頼人負担とした場合に発生します。受取人取引銀行または送金の経由銀行から後日4,000円を超える請求があった場合は差額が請求される)
③外貨普通預金から出金し、外貨建てで送金する場合
1.海外送金手数料 4,000円(三井住友銀行の海外店、連携銀行宛は3,500円)
2.関係銀行手数料 2,500円(受取人取引銀行または送金の経由銀行で発生する手数料を依頼人負担とした場合に発生します。受取人取引銀行または送金の経由銀行から後日4,000円を超える請求があった場合は差額が請求される)
4.リフティングチャージ 送金金額1/20%(0.05%)(最低2,500円または25米ドル)
・三菱東京UFJ銀行
外国送金Webサポートサービスを利用すると、窓口での手続きがよりスピーディでお得になる。
1.海外他行に送金、支払い方法現金 4,000円(Webサポートを利用しなかった場合は、5,500円)
2.海外他行に送金、支払い方法口座引き落とし 4,000円(Webサポートを利用しなかった場合は、4,500円)
3.海外三菱東京UFJ銀行支店または現地法人に送金、支払い方法現金 3,500円(Webサポートを利用しなかった場合は、5,000円)
4.海外三菱東京UFJ銀行支店または現地法人に送金、支払い方法口座引き落とし 3,500円(Webサポートを利用しなかった場合は、4,000円)
5.国内他行へ送金(外貨建) 4,500円(Webサポートを利用しなかった場合は、5,000円)
6.国内三菱東京UFJ銀行本支店(外貨建) 2,500円
・みずほ銀行
①外国への送金
1.送金手数料 電信送金 本支店向け4,000円(EBの場合 3,500円)
2.送金手数料 電信送金 他行向け 4,500円(EBの場合 4,000円)
3.送金小切手 4,500円
4.コルレス先支払い手数料 2,500円(支払銀行から後日10,000円を超える請求があった場合は差額が請求される)
②在日他行宛送金(外貨建)
1.送金手数料 4,500円(EBの場合 3,500円)
2.コルレス先支払い手数料・在日他行での手数料 原則受
③国内本支店宛送金(外貨建)
1.送金手数料(同一店内の送金も含む) 2,000円(EBの場合 1,500円)
電子決済
では以下電子決済方法の利用料金はどれくらいでしょうか。比較をしてみます。
・Paypal(ペイパル)
商品やサービスの代金の支払いは無料です。手数料は、商品およびサービスの支払いを受け取る場合にかかります。
・PayPalアカウントを維持するための月額手数料はなく、無料です。
・設定料金は不要です。
・eBay や決済など、各種ツールも無料。
商品およびサービスの代金支払いを受取るための標準レートは3.6% + ¥40 JPYです。
・0円〜30万円の売上げ……3.6%+40円の手数料
・30万1円〜100万円の売上げ……3.4%+40円の手数料
・100万1円〜1千万円の売上げ……3.2%+40円の手数料
・それ以上の売上げ……2.9%+40円の手数料
・Facebook(フェイスブック)
手数料は無料。日本では未対応。
・Venmo(ヴェンモ)
銀行口座とデビットカード利用の場合は手数料不要。
・Square(スクウェア)
決済手数料は決済手数料は3.25%〜。
・Alipay(アリペイ)
ほとんどのサービス手数料が無料。
信用状取引(L/C)
・三井住友銀行
Global e-Tradeサービスを利用。初期契約料54,000円のほかにサービスによって、月額利用料金が加算される。
・三菱東京UFJ銀行
取引店に詳細のお問い合わせが必要。
・みずほ銀行
L/C金額×リスク料率×(コンファーム実行日からL/C期限までの日数+ユーザンス日数)÷365(または360)
3:電子送金で一番使われてオススメなのは?
それぞれの特徴がありますので改めて比較してみましょう。
・Paypal(ペイパル)
世界的に最大手のため買収・貸し倒れリスクが低くVISA、MASTER、AMEX、JCB、Diners等様々なカードに対応しています。
料金支払い時に必要なのはメールアドレスだけなので、海外通販サイトにクレジットカード情報を渡す必要がなくなり、安全に買い物や取引ができます。
ただし、金額を銀行口座に入金するのに数日かかります。
・Venmo
Venmoを利用するには無料アプリをスマートフォンにダウンロードする必要がありますが、ソーシャル的なデザインになっていて非常にシンプルです。
デビットカード利用時の手数料が無料であり、手続きした翌営業日には入金されます。
・Square(スクウェア)
こちらはカード決済導入までの速さが魅力です。入金サイクルも早く、どの銀行に対しても振込手数料無料で翌営業日には振込をしてくれます。ですが、日本国内での利用者が多いJCBカードを利用することができません。
・Alipay(アリペイ)
中奥に特化しており、既存システムへの影響が少なく低コスト・短期間での導入が可能です。また日本円での決済のため為替リスクがありません。
世間的に一番多く使われているのはPayPalではないでしょうか。弊社内でもPayPalを多く利用しているのではないかと思います。ですが、中国に対してはアリペイ のように特徴によって使い分けているので、登録が面倒でなければケースバイケースで使い分けるのが一番効率がいいでしょう。
.4:まとめ
海外送金は銀行送金が一般的と思われがちですが、現代ではさまざまなサービスが流通しています。電子決済も身近な送金ツールのひとつです。
現在では海外との取引もSNSで行うことが主流であり、すぐに便利な新しいサービスがリリースされるので常に敏感なアンテナを立てておくことが必要です。
決済の場面に出くわした際には、便利な電子決済をぜひ利用してみてはいかがでしょうか。