日本の企業、商品について海外の反応。直接海外企業に聞いてみた!
海外企業が日本企業、商品についてどのように思っているか?
日本企業が海外進出をするに当たって、知っておく必要があると思いました。
そこで、私たちと取引をしている海外企業に直接聞いてみました!
対象企業は貿易を盛んに行っているシンガポール、香港の企業です。
彼らは、様々な国と取引をしており、多くの企業を知ってます。
他国と比較した際に日本企業はどうか?顧客対象の企業が何を思っているのか?
皆様の海外進出において参考になればと思ってます。
質問項目は全部で5つです。
- 1.日本商品の良いところは?
- 2.日本商品の悪いところは?
- 3.日本企業の良いところは?
- 4.日本企業の悪いところは?
- 5.今後、日本企業に何を期待しているか?
1.日本商品の良いところは?
【品質が良くて、安定している!】
・商品の不備率に対して計算しなくてもよくなった。
・安心して商品の発注が出来る。
他国と比較した際の商品の品質に関しては非常に高く評価をして頂いています。
これは、どこの国に行っても最初に海外バイヤーから言ってもらえる言葉でもあります。
現在、中国企業等の品質管理に関する問題が浮上している事もあり、日本の商品についての強みでもあり、日本商品に対するイメージの象徴です。
【取引個数が少なくても取引できる!】
・大きなリスクを背負わずビジネスが出来る。
・色々な商品を扱うことが出来るようになった。
実は、製造を頻繁にしている中国やベトナムとの取引であると、取引個数が多く一度の取引で大量に仕入れる必要があります。
また、カラーバリエーションなどを増やそうと思うと必要以上の個数を仕入れないといけない状況があるとの事です。
新商品や他国商品を展開するためには、事前に調査を行っても結局は『バイヤーとして売れるか売れないかわからない。』という状況になりがちです。
そのような場合に、在庫リスクを下げて、少量でもチャレンジできる環境は好ましいとの事です。
【ユニークでカラフルな商品が多い!】
・色使いが良い。
・1つのデザイン当たりの商品のカラーバリエーションも多い。
単色ではなく、細かい箇所にも色使いに工夫があることに対して評価は高いです。
【独特で唯一のデザインが多い!】
・こんな商品見たことない!そういう商品が豊富。
・この商品すごい便利!
日本市場の背景には、商品過多の時代になっていると言われてます。
ある程度、生活をしていくに当たって必要な商品は出そろっています。そのような環境の中でも、日本企業は新たな商品を工夫し開発しています。
だからこそ、まだ、商品過多になっていない地域では、そのような商品について高い評価があります。
日本のアニメ文化やサブカルチャーに対して評価が高い理由の一つでもあるのではと思います。
我々の調査以外で日本商品については評価が高いと実感できる資料がありました。
アジア14都市で日本、アメリカ、ヨーロッパ、韓国、中国商品についてのアンケートです。
2.日本商品の悪いところは?
【価格が高い!】
・他国で作れば半分以下の値段だよ。
・その価格では、誰も買えないと思う時がある。
これは、日本企業であればほとんどの企業が言われる事であると思います。
『それでも良い!』と言ってもらえる何かを提供する必要がありますね。
また、輸送費についても中国やベトナム等、競合地域との輸送費と日本からの輸送費を比較し、競合国からの輸送費の方が安ければ、それも関係してくる事を認識する必要があります。
【オーバースペックになっている!】
・ここまでの機能は必要ないから、取って値下げしてほしい。
・これを使う習慣はない。
商品によっては、海外現地 消費者の必要以上の機能が付いてある場合があるとのことです。『現地にこの機能が必要か?』見極めないと良いところも悪く評価をされてしまう必要があります。
3.日本企業の良いところは?
【商品管理に対する姿勢がある!】
・出来ない事を、最初に言ってくれるから考えやすい。
・商品を納品後の事にもアドバイスをくれる。
他国では、出来ると言ってて結局出来なかったという事があり、サンプルと全く異なった商品が納品される事も多いそうです。
こういう事と比較した際に、日本企業は約束を守ってくれるという印象があるとの事です。
【多くの販売促進グッヅを持っている!】
・PRの考え方はすごく先進している。
・ノベルティグッズの準備がいい。
ノベルティグッヅやマーケティングに関して、日本は発展しているとの事でした。
ただ、英語版や多言語対応していない時があるとの声もありました。
4.日本企業の悪いところは?
【コミュニケーションが困難な事が多い!】
・英語が話せない。
・メールを送っても返信が来ない。
これは、日本の世界的に見た特徴でもあります。
間違っても良いから『無理やり話してみる』事も大事かもしれないですね。
【レスポンスに時間がかかり過ぎ!】
・担当者と話しても、決裁権がなく交渉が進まない。
・メールの返信に2日はかかっている。これは遅い!
他国の企業は、レスポンスは基本的に電話やチャットなどで済ませ、その所要時間も数時間でレスポンスをしている企業が多いとの事です。
こういうやり取りを主流としている、海外企業にとって2日間連絡が来ないという事は非常に遅いスピードであると言えます。
メールのみだと、パソコンしか見れず、見れたとしても返信しずらかったり、確認が遅くなる事があります。
私たちは、Skype、LINE、Wechat、WhatsApp、Viperなどそれぞれの国に対応するSNSを活用するようにしています。
これだと、ネット環境があれば、無料で電話も出来て非常に便利です。
【貿易に慣れていない企業が多い!】
・ベストな輸送方法についてわからないケースが多い。
・日本の港から全て手配をする必要がある。
海外展開が初めて、その地域への輸出が初めてという企業であれば当然ベストな輸送方法がわからないという事は度々あると思います。
通関会社やいつも活用している輸送会社に事前に商談相手国への輸送方法を聞いておく事をお勧めします。
【あくまでも日本に対する商品が主流で、現地対応に消極的!】
・現地国に対する理解度が低い。
・現地国にあまり来てくれない事が多いからわかってもらえない。
・商品としては良いが、本当に必要な機能がない場合がある。
事例として、香港の企業は非常にパッケージにこだわる。という事がありました。
これは、現地の特性で売上に大きな影響がある事です。
実際に現地を見ましたが、どんな商品でもパッケージがめちゃ豪華な印象がありました。
日本の商品は良くても、販売するためには工夫が必要な事です。
商談相手国の地域への渡航は、あまりしない日本企業が多いと聞きますが、一度は訪問してみる事が重要かもしれません。
実際に見る事で、どのようにすれば『より販売できるのか?』『どの程度の価格にするのか?』を理解出来るきっかけになると思います。
【情報がない!だから方法がわからない。】
・情報開示にも多くの手続きが必要。
・サンプルをもらえない。
サンプルを提供すると偽装品が出てしまうというリスクから、提供していない日本企業も多いと思います。
ただ、それがないと海外企業は営業活動すら出来ないという事でした。
また、MSDS(安全データシート)の開示も取引開始以降のみの開示をしていると、輸送方法が変わったときにコストが変わる場合があるとの事です。
むやみやたらに、情報開示をするとリスクがある事は明確ですが、大きなチャンスを無駄にするきっかけにもなってしまう可能性があります。
5.今後、日本企業に何を期待しているか?
【コミュニケーションスキルを向上して欲しい!】
まずは、英語が出来なくても、間違ってても良いから話してみる事が大事であると思います。事実、私も数年前はほとんど話す事が出来ませんでした。
ただ、無理やり話す事で覚えたと思います。
【現地向けの商品を作って欲しい!】
海外企業へ商品を提供する事は、当然、海外の消費者に販売する事です。なので、現地の消費者に向けて商品を作る事が必要だという事です。
日本の技術で作ったこの国向けの商品があれば売れる!と海外企業から言われる事もよく言われます。
そこに当たって、現地消費者を知らずに販売する事は困難かもしれません。
【スピード感ある対応をして欲しい!】
他国のサプライヤーは言語的にも問題がなく、数時間で返信が来る。
且つ、商談の際には渡航し、現地を理解し、直接会いながらしている。
それだけ聞くと、日本企業の足りない事を行っている事がわかりました。
海外に進出をする事を決められた企業は、今後、日本商品の良さを保ちながら海外企業の期待に応えて行く必要性があると思います。