日本と海外のお菓子の広告の違いをまとめてみた
海外の広告を調べてみると、面白いデザインだったり深い意味が込められていたりしますよね。
日本の広告とは、広告自体はもちろん、掲載されている媒体が異なってることもあります。
そこで今回は、世界で愛されている「お菓子」の広告を中心に、各国の事例を参考に特徴をまとめてみました!
世界の広告の違いの面白さをぜひ感じてみてください。
日本:有名人の起用とSNS広告
まずは我らが日本のお菓子の広告を見ていきましょう。
私たちが普段受動的にお菓子の広告を目にするのは、テレビCMを通してが多いのではないでしょうか。
各有名お菓子メーカーのCMを調べてみると、特に今話題の俳優など有名人を起用して視聴者の注意を引くような内容が大半です。
また、最近では、ただ単に商品の美味しさを前面に出すのではなく、例えば日々の疲れに与える癒しとしての効果や、人とのコミュニケーションツールとして表されることが多くなってきたと読み取れます。子ども向けではなく、老若男女を問わない全体的な層へアプローチされていることがわかります。
加えて、日本のお菓子はSNSやYouTubeでの宣伝が盛んでした。
TwitterではRTやハッシュタグキャンペーンが頻繁に行われており、アカウントをフォローしていなくても情報が入ってきます。アカウント自体もあえて「中の人」の個性を積極的に出したり、CMとは異なって有名人に関連した投稿は少なかったりします。一方で、YouTubeは視聴者が能動的に見ようとしなければコンテンツにたどり着かないため、有名人が出演している動画がどの企業でも多数投稿されていました。
他国に比べても一段と力を入れているようです。
【参考企業】
・カルビーのシンポテト(https://www.calbee.co.jp/thinpotato/)
・不二家のミルキー(https://www.fujiya-peko.co.jp/milky/)
・ロッテのGhana(https://www.lotte.co.jp/products/brand/ghana/cm/)
アメリカ:シンプルなデザイン性で勝負
お次はあらゆる分野において世界に大きな影響を与えるアメリカです。
広告の内容については、お菓子の味などの説明はなく、シンプル故にデザイン性に富んだものがほとんどです。
アメリカは自社と競合他社を比較し優劣を暗示する比較広告などの規制は緩い一方で、広告が子どもに与える影響を問題視しており、「子ども向け食品・飲料広告のイニシアチブ」(CFBAI)という自主プログラムに参加している企業は、特定のメディアにおいて12歳以下の子どもへの広告を規制したりしています。子どもが利用するYouTubeへの投稿は日本ほど活発ではないこともその理由の一つだと推測できます。
また、各種スポーツとの関連性を持たせた広告が多いように感じられました。スポーツ大国でもあるアメリカでは、観戦中に頻繁にお菓子を食べることも予想され、そうした消費者層へのアプローチ方法であると考えられます。
【参考企業】
・NestleのKitKat(https://twitter.com/KITKAT)
・MarsのSnickers(https://www.instagram.com/snickers/)
インド:目を引くわかりやすさ重視
インドの有名なお菓子メーカーのCMは、登場人物による小さなストーリーの後に商品の美味しさをアピールする、という一連の流れが特徴的です。起用されているのも、有名人かどうかはわかりかねますが、子どもや男女の組み合わせが多く見受けられました。
紙面広告は目を引くようなビビットな色合いが一般的なようで、広告全体として内容的にも視覚的にも非常にわかりやすいと言えるでしょう。
2022年現在、世界で2番目に人口の多いインドは、国民の数割のみが消費者だとしても圧倒的な市場規模を誇っています。したがって、インターネットやSNSの利用者の増加が著しい現代、他国以上にwebマーケティングが主流になってきているようです。
余談ではありますが、みなさんはインドといえば乗車率100%を優に超えた電車で通勤する人々の写真を見たことはあるでしょうか。電車外にまで溢れんばかりの人が乗車しているためか、日本のような電車内の中づり広告は調べた限りでは見当たりませんでした。
【参考企業】
・Britannia SnackInc(https://www.instagram.com/britanniasnackinc/)
・Parle-G(https://www.parleproducts.com/brands/parle-g)
フランス:ハイセンスな屋外広告
ヨーロッパからは、美味しいお菓子がたくさんあるフランスの広告をご紹介します。
フランスの有名お菓子企業2社の広告を調べたところ、CMは若い人がお菓子を食べるシーンをメインにした非常にわかりやすいものがほとんどのように感じました。
日本のように頻繁にYouToubeの投稿がされていたり、「巻き込み型」のSNS運用がされていたりはせず、投稿されていたとしても商品と小物が映っているお洒落な画像が多かったです。
美しい景観が魅力的なフランスでは、日本よりも厳しい規制がある一方、最大級のシェアを誇る広告代理店JCDecauxを筆頭に、屋外広告が非常に有名でもあります(※1)。お菓子メーカーの広告に限った話ではなく、街中では景観とマッチしたハイセンスな広告が見られるようです。
SNSやインターネット広告が主流になってきている現代ですが、とある調査によると世界の屋外広告市場は2021年から2027年の間に5.0%以上の成長率が予想されています(※2)。近年では日本でも巨大なデジタル屋外広告が話題を呼んでいるため、新型コロナウイルスによる縮小からの回復が期待できそうです。
【参考企業】
・LU(https://www.snackworks.com/brands/lu)
・Bonne Maman(https://www.bonnemaman.com.au/products/)
終わりに
世界の地域や国によって、同じお菓子でもどこで誰にどのように広告を打ち出すのか異なっているのがお分かりいただけたでしょうか。
グローバル化や技術の発展によってそれぞれの広告の仕方を一つには決めつけることはできませんが、よく見られる広告の内容や媒体には特徴があります。
お菓子以外でも、日本では考えられないような面白い広告は世界にたくさんあります。
ぜひ調べてみてください。
参考文献
※1 PR TIMES 『世界の屋外広告市場は2027年までCAGR 5.0%で成長する見込みhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002590.000067400.html
※2 優クリ-LAB 『海外クリエイティブ事情~フランス・ナントに根付く屋外広告と印象に残りやすいメッセージの伝え方事例』https://www.y-create.co.jp/forcreator/nantes/#%E2%96%A0%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%AEOOH%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%92%E9%A7%86%E4%BD%BF%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BE%8B