これが世界のお正月!年末年始の風習の違いをまとめてみた
日本には、今年を締めくくる大晦日や、新しい年を祝うお正月といった年末年始の文化があります。
そんな中、海外での年末年始はどのように過ごされているのかご存知ですか?
今回は、日本と海外の年末年始の文化の違いをまとめてみました!
世界の年末年始
日本
まずは改めて日本の年末年始を振り返ってみましょう。
年末になると、家の大掃除をする家庭も多いのではないでしょうか。
これは、綺麗な環境で新年を迎えるためだけではなく、新しい年の神様を迎えるためにできた慣習です。ちなみに、31日に大掃除をするのは「急いで掃除をした」という印象になってしまうため、あまり好ましくないようです。(※1)
そんな12月31日を日本は大晦日と呼び、夜には年越しそばを食べるといった慣習もあります。
そばのように長く生きられることを願うため、というのは聞いたことがありますよね。
新年を迎えてからは初詣に行き、おせちやお雑煮を食べます。
おせちには年の瀬を祝うという役割だけでなく、一つ一つの具に縁起の良い意味が込められていますよね。
お雑煮は年中行事で年神様に供えた餅などを煮て食べていたというところから生まれた文化です。
1月3日までの三が日は、縁起が悪いということで「掃除をしてはいけない」「火を使った料理をしてはいけない」「水仕事をしてはいけない」などのタブーがいくつかあります。
もちろんすべてを守っているご家庭はなかなかないとは思いますが、これらを踏まえてお家でゆっくり過ごすようなイメージがありますね。
アメリカ
ここからは海外の文化を見ていきましょう。まずはアメリカです。
12月31日にはタイムズスクエアでのカウントダウンライブを中継で見ながら年越しを迎えることが多いそうです。
そしてこの瞬間を最も親しい人と迎え、その人とキスをする習慣があるのだとか。なんともロマンチックな文化ですね。
アメリカはクリスマス付近に長期休暇を取り、1月2日から仕事を始めるのが一般的で、1月1日は特にこれといった行事はなく、大晦日のパーティーの疲れをとる日に使う方がほとんどのようです。
日本ほど伝統的な文化はなく、あっさりと日常生活へと戻っている印象がありますね。
イギリスなどのヨーロッパ圏も同様で、一大イベントであるクリスマスの後の年末年始はカウントダウンのみが目玉で、特にこれといった慣習はなさそうでした。
もう一つの大きな違いとしては、クリスマスは家族と、年末年始は友達や恋人と過ごす、という日本とは逆の傾向にあることが挙げられます。
ロシア
カウントダウンをしたりシャンパンでお祝いしたり、といった過ごし方はロシアでもされていますが、他国と異なる慣習が二つあります。
一つは、年越し前後には大統領の挨拶がテレビ放送されることです。
広いロシアでは国内でもかなり時差がありますので、大統領の演説は事前に録画し、新年を迎える地域から順次流しているようです。(※2)
もう一つは、年末に訪れるサンタクロースのような存在、ジェド・マロースがいることです。
かつては宗教上の問題からクリスマスが存在しなかったこともあり、青い服を着たジェド・マロースが似たような役割を担うようになったと言います。
そのため、12月31日の夜、子どもたちはプレゼントを楽しみにしながら眠るようです。
ブラジル
日本の裏側、真夏に年越しをするブラジルでも、リオデジャネイロのコパカバーナ海岸で新年の花火が打ち上げられるなど、かなり賑やかに年越しをしています。
一方で、日本のように縁起の良いものを大切にする文化があり、調べた国の中でも興味深い慣習が一番多かったです。
特徴的な五つをご紹介しますね。
①ザクロの実を七つ食べ、種子をお財布に保管する。
次の年末まで大切に取っておくことで、お金を呼ぶ効果があると言われているようです。
②レンズ豆を食べる。
こちらもレンズ豆がコインの形に似ていることから、金運アップが期待されています。
食べ物系ですと、ブドウやシャンパンも縁起が良いとされて年末年始に食べられているみたいです。
③鶏肉を食べない。
逆に食べてはいけないものとして、「後ろ向きに歩くから物事が後退する」とされている鶏肉が挙げられています。
④白い服を着る。
平和の象徴とされる白色の服を着て、まっさらな気持ちで新年を迎えます。
この感覚は、日本人の私たちにもどことなく馴染みがありますね。
⑤海に行き七回波を乗り越える。
最も特徴的なのが、真夏ならではのこちらの慣習です。
願い事をしながら行うと、その願いが叶うのだとか。
7という数字に重きを置いているのもブラジルならではなのかもしれません。
インド
ここからは私たちが知る「お正月」とは少しずれた日程で祝う国々をご紹介していきます。
インドには、ディワリというビッグイベントが10月下旬から11月上旬に行われ、これが日本で言う「お正月」に当たります。
「光の祭典」「善の勝利」という点は共通なのですが、国土が広く人口が多いインドでは、地域によって慣習が異なるようです。
基本的には日本のように家族とゆっくり過ごしつつ、前述した欧米諸国のように花火などを楽しんでいます。
このお正月に食べるのが、ミタイというスイーツです。
お祝い事の際には欠かせないもので、とにかく甘く種類が豊富なのが特徴です。
確かにインドのスイーツはものすごく甘いイメージがありますが、宗教上の理由から嗜好品として好まれてることが多いそうです。
タイ
タイでは1月1日のお正月と旧暦のお正月に加え、タイの旧正月という三つのお正月を祝う慣習があります。
三つ目のタイの旧正月はソンクラーンと言い、4月頃に祝われます。
別名水かけ祭りとも呼ばれ、街を歩いているだけで水をかけられてしまうほどの盛り上がりなのです。この水をかける行為には敬意を払うという意味合いが込められているため、馴染みのない人たちはしっかり防水をして怒らないことが鉄則です。
どうやらタイはこうしたお祭り好きな国民性で、他国よりも全力で楽しんでいる人が多いように見受けられました。
世界のみなさま、良いお年を!
いかがだったでしょうか。
年末年始を日本のように伝統的に静かに過ごす国もあれば、賑やかに過ごしながらもすぐに日常へと戻る国、またそもそも「お正月」の時期が異なる国もありました。
私たちが当たり前だと思って続けてきた慣習も、世界に出れば当たり前でなくなることが大半です。
自分たちの慣習や文化を大切にしながらも、他国の多様さにも触れて世界と関わっていきたいですね。
参考文献
※1 ピカリスくんのお掃除豆知識, 「大掃除とは?日本で年末にする理由、大掃除のベストシーズンを解説」, 2022年12月2日更新, https://heart-clean.jp/blog/oosoujitoha/
※2 ロシア・エクスプレス, 「ロシアの年末年始の過ごし方」, 2018年11月13日更新, https://www.russia-ex.com/blog/item/12052.html