日本で言うポッキーの日は?世界の面白いお菓子の記念日まとめ
日本には、ひな祭りお月見といった伝統的な日はもちろん、ポッキーの日など企業が制定した日に決まったお菓子を食べる機会がありますよね。
外国にも「この日はこれを食べる!」といった記念日があるのか調べてみました!
中国
旧暦の8月15日に行われる中秋節は、東アジアの伝統的な行事であり、その由来は中国にあります。
日本で中秋の名月を見ながらお団子を食べるように、中国でも月餅と言うお菓子を食べます。
月に見立てた丸い形が特徴的で、中に入っている餡は地方によって異なるようです。
中国では家族で集まって食べたり、日ごろお世話になっている会社の人に贈ったりすることが一般的で、この時期には多くの月餅が売り出されるとか。
ベトナム
同様に、中国が由来の旧暦3月3日の寒食節には、火を使わず冷たい食事だけで過ごす習慣がありました。
それが伝わったベトナムの特に北部では、寒食節にバインチョイやバインチャイを食べます。
バインチョイは黒砂糖を米粉生地で包んだ白玉団子のようなもので、バインチャイは緑豆が入ったお団子をシロップに入れたものです。
こうした日に食べることから、冬のお菓子としても愛されているそうですよ。
イタリア
3月19日のサン・ジュゼッペの祝日は、日本で言う父の日に当たります。キリストの養父として育てたことから祝われています。
この日に食べるのものは地方によって異なりますが、代表的なのがナポリ発祥のゼッポレです。
ドーナツ状の生地をサクッと揚げてカスタードクリームとチェリーをのせています。
他の地域のお菓子もかなりハイカロリーながらも非常に美味しそうですので、ぜひ調べてみてください。
フランス
フランスからは二つご紹介します。
まずは、クリスマスから40日後にあたり、「聖母マリアのお清めの日」でもある2月2日のシャンドリューズです。
なぜそうなったのかは諸説あるようですが、クレープの日として親しまれており、家族や友人たちと食べて楽しむ習慣があります。
余談ですが、クレープの本場であるフランスでは、果実酒の一種であるシードルが一緒に飲まれることが多いそうです。お店でもセットになっていることがあるようですよ。
続いては、11月1日の「諸聖人の日」、トゥーサンです。現地の学校はこの日の前後2週間が秋休みになっています。
一部の地方では、ニフィレットという小さなタルト生地にカスタードを絞ったエッグタルトのようなお菓子が食べられます。
「もう泣かないで」というフランス語に由来しているらしく、意味合いまでも素敵なお菓子になっています。
スウェーデン
世界一のお菓子消費国として知られる甘いもの好きな国、スウェーデンでは、国民的なお菓子の日が三つあります。
一つ目は、セムラの日です。
スパイスが使われたブリオッシュのような甘い生地に、アーモンドペーストと生クリームがたっぷり挟まった、シュークリームに似た見た目のスイーツです。
みなさんご存知のイースターをスウェーデンではポスクと呼ぶのですが、その際に始まる断食の前日の火曜日に、栄養をつけるという意味合いで頻繁に食べられるようになります。
二つ目は、3月25日のワッフルの日です。
この日にワッフルが食べられるようになった理由は諸説あり明確ではありませんが、国民の中でもワッフルデイとして認知度が高いそうです。
ちなみにスウェーデンのワッフルは、薄焼きのカリカリとした食感と、上にベリーなどの甘酸っぱいものとホイップを載せるのが特徴です。
三つ目は、10月4日のシナモンロールの日です。
シナモンロールはスウェーデン発祥であるため、また家庭でのパン作りを推奨するため、という素敵な制定理由がありました。
スウェーデンには、一日に数回、甘いものとコーヒーで息抜きを楽しむフィーカという文化が深く根付いています。その際の定番のお供としても重要な存在なのです。
ペルー
ペルーのリマでは、10月にエル・セニョール・デ・ロス・ミラグロスというキリスト像が描かれた壁を祝うお祭りが数回開かれます。
何度壊そうとしても壊れなかったその壁画の奇跡によって腕の傷が癒えたという黒人女性が作ったとされる、トゥロン・デ・ドニャ・ぺパが食べられる日でもあり、屋台が多く立ち並ぶそうです。
略してトゥロンと呼ばれるこのお菓子は、ビスケット生地を何枚も重ねた上にシロップをかけ、砂糖菓子などでカラフルにデコレーションされています。非常に甘そうですね。
ロシア
2月下旬から3月上旬にかけて、マースレニツァ、日本語訳だとバター祭りが行われています。
このマースレニツァの終わりから、宗教上、乳製品や卵が食べられなくなるため、それを消費しようという意味からブリヌイというクレープのようなものが大量に食べられます。
特徴的な丸い形状は満月を象徴しており、葬儀の際にも振舞われるそうです。
今回はお菓子としてご紹介しましたが、肉や魚をのせて食事としても食べることができます。
まとめ
気になる国のお菓子の日はありましたでしょうか。
実際に訪れたり住んだりしてみるとまた違った捉え方になるとは思いますが、宗教の関係もあり、海外の方が決まった日に決まったお菓子を食べるという伝統が深く根付いている印象を受けました。
みなさんもぜひ日本ではどうだったか考えつつ、他の国のことも調べてみてください。思わぬ発見があるかもしれません。
参考
・CHINA HIGHLIGHTS, 「2023年の中秋節はいつ?中国中秋節の風習、食べ物、過ごし方、挨拶をご紹介」, https://www.arachina.com/festivals/mid-autumn-festival/
・ベトナムフォトジャーナル, 「食・料理
寒食節、Banh troi(バインチョーイ)とBanh chay(バインチャイ)」, 2017年4月12日更新, https://vietnam.vnanet.vn/japanese/tin-tuc/%E5%AF%92%E9%A3%9F%E7%AF%80%E3%80%81banh-troi%EF%BC%88%E3%83%8F%E3%82%99%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%A4%EF%BC%89%E3%81%A8banh-chay%EF%BC%88%E3%83%8F%E3%82%99%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%EF%BC%89-145324.html
・ippin, 「スウェーデンの国民的スイーツ「セムラ」。春を呼ぶ可愛いお菓子」, 2015年3月17日更新, https://ippin.gnavi.co.jp/article-1897/
・FORGOOD, 「季節を大切にするスウェーデンの伝統行事!スイーツの日も要チェック」, https://for-good.co.jp/fantastiskafika/list/contents006
・meiji, 「世界の行事食を比べてみよう!」, https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/worldculture/foodmeal/
・ITALIANITY, 「イタリアで父の日に必ず食べるお菓子のお話」, 2019年6月10日更新, https://italianity.jp/culture/auguri-papa
・Explore France, 「2月2日はクレープの日Chandeleur(シャンドルール)」, 2021年2月2日更新, https://www.france.fr/ja/news/article/2102_chandeleur
・旅が楽しくなるお菓子案内 フランスおかし, 「ニフレット Niflettes – フランス版エッグタルト」, https://sweetsparis.com/mania/journee/
・世界のイベント&フェスティバル, 「リマの街が紫色に染まる!奇跡のキリスト「エル・セニョール・デ・ロス・ミラグロス」の聖行列」, 2019年12月21日更新, https://eventandfestival.com/2019/12/21/0126/