東南アジアの穴場『ミャンマー』の急成長について現地人に尋ねた
ここ最近、タイやベトナム等の成長性や市場について多く質問を受けることが多いのですが、東南アジアの中でも日系企業の展開先として有力なミャンマーについて聞かれることも多くなってきました。
というのもミャンマーは最近になって政治が動き、あらゆる事に対してルールが変わっており、ブルーオーシャン市場を狙う日本企業にとって密かに注目を集めているのです。
日本経済新聞でもミャンマー経済成長についての記事が掲載されています。
ミャンマー、経済成長に課題 教育改革・格差是正カギ
半世紀の停滞から目覚めたミャンマーの経済成長が注目を集めているが、最近は改革機運の低下もささやかれる。
ユナイテッド・ビジネス・メディア(UBM)で東南アジアを担当するM・ガンジー氏は「最も重要なのは長期的な視点とミャンマー国民の真の利益を考えること」と指摘する。アジア開発銀行(ADB)のエコノミスト、パク・シンヨン氏は正しい政策メニューを選択すれば、ミャンマーの潜在成長率は2030年には9.5%に達する可能性があるという。
ミャンマーの利点の一つは非常に勤勉・誠実で道徳的な国民性だ。
ただし人材の質を高めるための教育が必要だとADBの最新報告書は指摘する。
持続可能な成長のためには、外国企業が技能開発や人材への投資に長期的に取り組む必要があり、教育制度をあらゆるレベルで包括的に改革しなければならない」という。もう一つの課題は経済成長や富が大都市に集中し、貧富の差が拡大していること。
パク氏は「経済的チャンスや社会保障が公平に行き渡らない」と指摘する。進出企業が増える一方、利益はまだ限定的だ。大半の企業はブランド認知を高めている段階。
今後の道のりは長い。世界銀行の15年版のビジネス環境報告書ではビジネスのしやすさを調査した189カ国中、ミャンマーは177位だった。投資では適切なパートナーを見つけることが重要だ。
UBMアジアのサンチャイ・ヌーンバンナム氏は「地元に協力者がいなければ、多くの制約を受ける」と指摘する。
【2014/12/5付 | 電子版日本経済新聞より】
と、あるように「今後に期待」といった内容ですが、では『ミャンマーの実態はどうなのか?』を探るべく、記事に掲載されている情報についての実態をミャンマー出身の社員に直接聞いてみました。
目次
【質問事項】
Q1.最近ミャンマーに6年ぶりに帰った時に大きく変わったことは?
特にインフラが変わった。バス代が5~10倍に変わっていた。
ちなみにタクシー代は5倍。
バスの本数や交通量が増えている。体感値は以前の3倍ほど。
土地の値段は約10倍上がっていて、車など輸入品の値段は1/3に下がった。
Q2.ミャンマー企業の最新動向は?
建設業が伸びている!古い建物がなくなって新しい建物をどんどん建設している。
Q3.教育課題についてはどう思う?
小学校は6歳から5年間。中学校は3年間。高校は2年間。大学は一般的には3年間。医学部などは5年間。
義務教育はない。
英語の授業は小学生からある。お金を持った人は、大学から留学することが多い。
留学先としては、近くて、安く英語圏なのでシンガポールが多い。
シンガポール企業のミャンマー人材の受け入れ体制が整っている。
最近は、富裕層向けにインターナショナルスクールが流行っている。
ただ、当時は学校や教育機関が貧しいことが多く、物理を専攻していても実験などはほとんどできない。
教科書を読む座学だけになってしまっている。
Q4.貧富の格差を感じる?
体感値では、20%がお金持ち。20%は生活を豊かにできる。
60%は生活に苦労がある。
お金持ちはスポーツカーを毎晩走らせる事が流行っている。
本当に貧乏な人は家がない。
Q5.ミャンマーの宗教については?
ほぼ仏教徒。他は、キリスト教徒、イスラム教徒。
仏教徒はパゴダと言われる寺院に週に数回お祈りに行く。
信仰心も強く、最近になり飲食店の広告に仏像がヘッドフォンをしている絵を記載し、仏教への侮辱と見なされニュージーランド人男性ら3人が逮捕されている。
Q6.ミャンマーに進出したい日本企業が注意するべきポイントは?
ODAと一般企業への展開の2つの選択肢がある。
今は、インフラ等のODAプロジェクトが多く目立っている。
商品としてはまだ浸透していない商品や不足している物が多いので、そういう商品が良いと思う。
まとめ
弊社にもミャンマー企業から、さまざまな依頼を頂いていますが、共通している事は、『自国が発展していっている!』という意識を持っているミャンマー企業が多いです。
それは、購買意欲や取組方法に出ており、良い条件で話してくれる企業もいます。
すでに、タイや中国製品が多く参入している市場でもあるので、日本の小売り向け商品やサービス業も参入するに向けて競合になる事を認識している必要があります。
今後、ミャンマー国民自体が期待しているミャンマー市場で日本企業も数年後には小売り商品での進出で注目を集めるかもしれません。