アジアに文化を発信。紀伊国屋がアジア市場を本格化
紀伊国屋書店がアジアにむけて本格的に進出することを発表しました。
今年の8月にも、アジア向けのEC事業を本格化し、各国語の書籍や日本発の文化関連商品である、文具やキャラクターグッズをネット通販事業を展開する事を発表しています。
国内書店最大手の紀伊国屋書店がアジア市場の攻略を本格化する。
シンガポールやタイに展開する店舗網を生かし、書籍だけでなく日本のアニメ関連商品や雑貨などを売り込む。
28日に発表した2014年8月期決算も好調だったのはアジアなど海外事業で前期比約1割の増収。
国内市場の不振が深刻化するなか、日本が得意とするサブカルチャーを武器に老舗書店は成長の突破口を見いだせるか。
【11/29|日本経済新聞電子版より】
ドバイの紀伊国屋には私も現地に行きましたが、日本の書籍は基本的に日本人駐在員向けが多く、現地の消費者向けに販売はしていませんでした。
ただ、今回は現地の方に向けて販売を本格化するという内容が特徴です。
※大型ショッピングモール ドバイモール内の紀伊国屋
【現状の日本商品に対しての海外からの反応が変わる?】
『良い商品だろうけど、価格が高い。このままでは販売は難しい』
そういわれる機会は海外に販売を経験した方は、少なからず言われた事があると思います。
ご存じのように、人件費が高い日本では流通、製造どちらをとっても、他国より価格は高くなっています。
ただ、より日本商品を海外に販売継続するために必要なことが、『価格を下げて』販売する事よりは、『価値を感じてもらい値段を下げず』販売する方が望ましい事は明らかです。
それを実行するとなると、サプライヤーは商品の価値を上げるための広告宣伝やマーケティングが必要になります。そのために、費用をかける企業は現状、大手企業に絞られていると思います。
ただ、紀伊国屋店のアジア進出でこの仕組みが変わるきっかけになる事を期待されています。その大きな理由は、価格が高い日本商品の価値を『本やメディアが説明をしてくれる』事です。
すでに、香港、台湾、マレーシアではコンビニにも日本の雑誌が販売されており、それを読む読者が存在します。特にファッション、化粧品関連の雑誌が多く、それを身に着ける背景や文化が掲載されています。
結果的に『カワイイ!』というイメージや言語も普及しており、日本若い女性のファッションが好きになるきっかけにもなっています。
こうした背景があるからこそ、マレーシアや香港に日本のファッション、化粧品関連のグッズが価格を下げず、販売しやすい環境が生まれるという事です。実際に、イオンなど日本の小売りチェーンの展開地域でもあります。
今回の紀伊国屋の海外進出で『日本の商品を知る。理解を深める=価値を感じてもらうきっかけ』になれば、海外の消費者、バイヤーの購買意欲を増加する結果になると思います。
是非、日本の文化の発信源になって欲しいですね。