今”出稼ぎ”で話題!寿司はなぜ日本文化になったのか
「日本と言えば寿司」
日本人でも外国人でも、多くの方がこう答えるでしょう。
しかし、みなさんはそもそもなぜ寿司が日本文化の代表となりえたのか、ご存知でしょうか?
世界中を虜にする日本の寿司の魅力を改めてまとめると同時に、近年話題の「日本人の海外出稼ぎ」にまで及ぼしている影響について解説していきます。
なぜ「日本と言えば寿司」なのか
先日、筆者は町行く外国人観光客の方にお話を伺う機会があったのですが、インタビューした方全員が「この後ランチにSushiを食べに行く」と仰っていて非常に驚きました。
もちろん日本と言えば寿司ではありますが、観光客の方が日本にわざわざ来て食べたいと実際にこれほど感じていらっしゃるとは思いませんでした。
日本で寿司が発展し、日本だけの特徴的な文化となり、世界から愛されることとなったのは主に以下の理由が考えられます。
素材の美味しさ
寿司を構成するお米と魚は、まさに日本の特産品です。
特に魚に関しては、島国である日本ではなんと縄文時代から主な栄養源として食べられていました。
もともと海や川が身近な存在であることがよく食べられる大きな要因ではありますが、その美味しさは海流が関係してきます。
みなさんも社会の授業で習った覚えがあるかもしれませんが、日本を囲む日本海と太平洋ではそれぞれ暖流と寒流があります。
寒流と暖流がぶつかる潮目には、栄養となるプランクトンが生息しています。
したがって、暖流と寒流がぶつかる潮目には双方に生息する多種類の魚が集まるのです。
また、四季がはっきりしている日本だからこそ、季節によってうまみ成分を多く含んでいる魚の種類が変わります。
いわゆる「旬の魚」の存在も、日本で魚が嗜まれる理由の一つでしょう。
素材を引き立てる自慢の醤油とわさび
寿司に欠かせない醤油とわさびもまた、日本の特産品です。
これら二つは、鮮魚を保存する技術がなかったかつて、消臭・殺菌効果を理由に生魚、寿司と一緒に食べられてきました。
今や魚のうまみと掛け合わさってより美味しく寿司を食べられるものとして、欠かせない存在となっています。
醤油は日本が得意とする発酵技術によって、わさびは日本の環境が最適な貴重な農作物として、世界中から高い評価をされています。
わさびに関しては以下の記事にて詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
徹底した衛生管理
こうした素晴らしい味を提供できているのは、世界でもトップレベルの日本の衛生管理があってこそです。
食品の製造・輸送の過程はもちろん、水の綺麗さなどでも日本は圧倒的な安全性を誇っています。
例えば韓国ではタコの活き造り、イタリアではカルパッチョ、ハワイではポキといったように、世界でも生のまま魚を含めた海産物を食べる国はありますが、食中毒の危険性があったり、それを防ぐために何かしらの調味料とあえて食されたりすることがほとんどです。
美味しさだけでなく、徹底した管理と環境がある日本だからこそ、生魚を食べるような習慣が広く長く根付いているのです。
寿司職人で海外進出すれば高収入?
さて、そんな世界で長く愛されている日本の寿司ですが、それを生み出す寿司職人の需要が高まっていることはご存知でしょうか。
近年メディアでも取り上げられている「出稼ぎ日本人」の中にも、日本の寿司職人として海外進出を果たす人が増えつつあります。その多くが未経験からスタートし、前職と養成学校への通学を掛け持ちして海外進出を実現しているようです。
物価の影響があるため実質としてはそれほど大差はないかもしれませんが、数字上は日本の寿司職人の2~3倍の年収を得られることから、夢の職業と言っても過言ではないでしょう。
コロナ禍を経て、海外での日本食ブームや日本企業の海外事業拡大といった背景があり、日本食・寿司ブームはまだまだ拡大しています。
日本食が普及すればするほど、世界ではやはり本物のクオリティが求められてきます。今後も寿司職人の需要と供給は増え続けていくのではないでしょうか。
遠い将来、もし世界各国でも本物の寿司が食べられるようになった際、本場の日本ではどのような価値が重要視されていくのか、どう対応していくべきなのかも注目したいですね。
参考文献
・にいがたクリップ, 「なぜ?日本海の魚が美味しい理由は海流の影響?魚の種類もご紹介!」, https://ichizen.online/niigataclip-blog/1087/, 2022年11月2日更新
・東京すしアカデミー, https://www.sushiacademy.co.jp/