インド入国時に日本国民のみ取得できる『アライバルビザ』とは
2016年3月1日から、インド旅行がとても身近なモノになりました。それはインド政府が日本国民を対象に「アライバルビザ」を導入したからです。
「日本のパスポートは世界最強」とよく言われます。なぜなら日本国籍があるというだけで、旅行する国へのビザが免除されるケースが多いからです。
なので日本人は世界の多くの国々で旅行や滞在のしやすい国民です。世界に日本が認められていると思うと少し誇らしくなりますよね!
ただ、インドはこれまで旅行前にビザを取得してから出発しなければなりませんでした。
それが、アライバルビザによって日本でビザの心配をすることなく、現地調達が可能となったのです!
今回はアライバルビザの概要からその目的、取得までの流れからメリットやデメリットまで、幅広くお伝えしましょう。
アライバルビザとは?
「アライバル(到着)ビザ(査証)」とは文字通り
“その国に到着してからビザを取得することができる”
というとても便利なシステムです。
アメリカやヨーロッパのように、先進国であればビザが省略されるケースも多いものの、原則として、海外旅行では滞在しようとする国が発行するビザ(査証)が必要です。
一般的にビザは旅行前、日本国内から日本にある大使館や領事館、現地の政府機関に申請して取得します。
インドへの旅行もビザ取得が求められていました。ただ、このビザの取得は手続きも多く、時間も数週間以上掛かるケースがあり、とても不便なものでした。
インド政府が運営しているオンラインシステムを通して事前申請をしなければならないため、インド旅行には前もって時間も費用も準備が必要だったのです。
なぜ2016年に実現したのか
首脳会談に臨む安倍首相(左)とインドのモディ首相
出典:http://www.nikkei.com/
安倍晋三首相はアジアやアフリカ諸国との連携を図る外交を続けています。
とくにインドは今後世界第一位の人口となることが予想されていたり、経済成長も著しい国であるなど、日本にとってもとても大切なパートナーの国の一つです。実際、日本とインドの交流は盛んに行われています。
インドへの日本人旅行者も増加傾向にあって、年間18万人がインド各地を観光やビジネスで訪れます。
インド政府も日本の観光客へもっとサービスをアップしたいと考えていて、2015年12月の安倍首相インド訪問に合わせてアライバルビザ導入が取り決められていました。
アライバルビザの取得の流れ
インドのアライバルビザを取得するには、到着したインド国内の空港での手続きとなります。
まず、『アプリケーションフォーム』と呼ばれる申請用紙に必要事項を記入をします。機内で配布されるほか事前にWEBでプリントすることもできます。
到着した空港内にアライバルビザを手続きする『ビザカウンター』という窓口がありますので、『アプリケーションフォーム』を提出しスタンプを押してもらいます。
アライバルビザの代金を支払ったら、『入国カウンター』へ進みパスポートにスタンプをもらってインド入国となります。
アライバルビザの条件
アライバルビザの料金は2,000インドルピー(2015年3月現在)で、現金またはクレジットカードで支払うことが可能です。
ちなみに1ルピーは日本円にすると1.68円(2016年3月現在)ですので2000ルピーだと約3300円ほどでしょう。
インド旅行をする日本国民で、主に観光やビジネスなどの一般的な旅行目的に限ってビザが発給されます。
注意しなければならないのは、パスポートの残存期間が6ヶ月以上残っていなければならない点です。
また、ビザの有効期間は30日間なので、バックパッカーのように長期旅行者は気をつけましょう。
デメリットを押さえよう
インドに到着してから簡単な申請で取得できるアライバルビザ。メリットばかりと思われがちですが、いくつかのデメリットがあります。
それは年に2回までしか取得できないこと、さらに延長申請を受け付けていないため、有効期間30日間を超えての滞在はできないということです。
また、アライバルビザを申請して取得してからの入国手続きとなりますので、事前にビザを用意している場合より大幅に時間が掛かります。
1時間は当たり前という情報も飛び交っているので時間に余裕を持った入国が必要です。
また、日本国内で事前取得する観光ビザ代金は1,200円なのに比べ、アライバルビザは2,000インドルピー(約3,300円)と割高になっているのもデメリットとなっています。
そして、インド国内のすべての空港でアライバルビザを受け付けてくれるわけではありません。
デリー空港やコルカタ空港をはじめ主要空港6箇所のみの受付となっているので要注意です。
(デリー空港、ムンバイ空港、チェンナイ空港、コルカタ空港、バンガロール空港、ハイデラバード空港のみ)
まとめ
最後に今までのおさらいをしましょう。
インドのアライバルビザを取得するには
・到着したインド国内の空港での手続きとなる
・料金は2,000インドルピー(2015年3月現在)現金またはクレジットカードで支払うことが可能
・パスポートの残存期間が6ヶ月以上残っていなければならない
・取得したビザの有効期間は30日間
・事前にビザを用意している場合より大幅に時間が掛かる
・日本国内で事前取得する観光ビザ代金は1,200円なのに比べ、アライバルビザは2,000インドルピー(約3,300円)と割高
・主要空港6箇所のみの受付(デリー空港、ムンバイ空港、チェンナイ空港、コルカタ空港、バンガロール空港、ハイデラバード空港のみ)
これさえおさえておけば問題はないでしょう。
アライバルビザによって事前取得が面倒だったインドビザの手続きが現地でも行えるようになったことは、日本とインドの交流を加速するのは間違いないですね。
ただ、入国手続きでの時間が掛かったり、費用が割高であるといったデメリットもあるので、どこまで日本人旅行者にとってメリットがあるかは今後の展開に期待したいところです。