アメリカ経済成長率の推移が日本にどれだけ影響を与えているのか。
2008年に発生したリーマンショック以後、世界経済は低迷を続けていました。
その中でも、アメリカ経済の金利政策を始め、中国経済の台頭や新興国の経済成長により、近年では徐々に世界経済も回復の兆しが見えていました。我が日本経済においても、近年ではアベノミクス政策の影響により、徐々に回復の兆しを見せていましたよね。
2015年においては、新興国や中国の経済成長の低迷により、日本の経済にも少なくない影響を受けていますが、それでも上昇基調に進んでいます。
経済というのは、非常に世界情勢の影響を受ける形になっており、日本経済は特にアメリカ経済の影響を多大に受けていると言われております。
そこで、今回はもしアメリカ経済が傾いたと仮定したときに、日本経済にどんな影響を与えるのかについて、考えてみたいと思います。
どうなる?アメリカの利上げの影響
(引用:世界経済のネタ帳)
戦後アメリカは経済大国として世界をけん引していましたが、2000年以降徐々に経済に停滞が見られるようになりました。アメリカのGDPでの経済成長率は1990年から2%後半から4%後半の勢いで毎年成長を続けていましたが、2001年には0.98%代に留まりました。
その後アメリカにおいては、ゼロ金利政策などを通じて、GDPの下落をなんとか維持していたものの、2008年のいわゆるリーマンショックにより、ついにGDPの成長率がマイナスになってしまいました。
それでもゼロ金利政策を続け、経済回復に努めた結果最近ではリーマンショック以前の成長率を取り戻してきていました。
しかし、2015年12月にアメリカのFRBはついに金利上昇を決定しました。この金利アップというのは、今回一度上げたら、それっきりということはありません。
一般的に、金利というのは段階的に上げられていくことから、2016年度においても何度かの利上げは発生すると予想されています。
これにより、アメリカ経済の景気は停滞することになるでしょう。そうすると世界経済の成長も停滞に陥ると予想されます。その中でも、特に影響の高いのは中国や新興国経済であります。それでは日本経済にはどのような影響を与えるのでしょうか?
日本においても同様の影響を受けるが外部要因の方が大きい
(引用:http://k1fighter2.web.fc2.com/)
日本経済においても、アメリカの経済の停滞が大きく影響すると思われます。事実先ほどご紹介したアメリカのGDPの経済成長率と合わせて、日本の経済成長率も上昇下降を繰り返しています。ただ、一つ違う動きをしたものは、平成の大不況と呼ばれる1998年です。
この年アメリカのGDP成長率は4.45%であるのに対して、日本は-2.0%という結果になりました。とはいうものの、基本的には日本経済もアメリカ経済の影響を受けるでしょう。
ただ、この影響というのは直接的なアメリカの経済影響を受けるのではなく、アメリカの経済停滞を受けて、世界各国が受ける影響のあおりを受けるといった形になることが予想されています。
よって先ほども説明したとおり、中国をはじめとするアジア地域やその他の新興国は、アメリカ経済の停滞によりさらなる景気停滞が起こると予想されています。
それにより、日本のアジアや新興国に対する輸出が低迷することが予想されています。日本の輸出シェアのほぼ5割は、そのようなアジア諸国や新興国に占められており、それら諸外国の景気低迷の影響を強く受けるとされています。
そのため、2016年度のアメリカ経済の低迷の中での活路を見出すには、アジアや新興国への取引をいかに継続させるか、もしくはていたするその他のライバル企業の中に、価格競争をもってしてもシェアをどれだけ手に入れることができるのかということが非常に重要な局面になると言えるでしょう。
まとめ
さて、今回はアメリカ経済が傾いたと仮定したときに、日本経済はいったいどのような影響を受けるのかについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
アメリカ経済自体による影響は、大企業を中心に影響はあるかもしれませんが、最も影響を受けるのはアメリカ経済の低迷を受けて減速する中国や新興国の経済影響が大きいです。
ですので、どちらにしてもアメリカ経済の動向には注視をしておいて、いざというときにはどのように現在のシェアを守るのか、これを機にシェア拡大に移るのかについての決断をする必要があります。