ヌン活って知ってる?なぜ今若者はアフタヌーンティーに行くのか

ヌン活って知ってる?なぜ今若者はアフタヌーンティーに行くのか

3段のケーキスタンドにのった見た目も美味しそうなサンドイッチやスイーツの数々…
みなさんはアフタヌーンティーを楽しんだことはありますか?
伝統的で本格的で、少し敷居が高いように感じるかもしませんが、実はここ数年、日本の特に若者の間で空前のアフタヌーンティーブーム、通称「ヌン活」のブームが起きているのです。
海外発祥の文化でもあるアフタヌーンティーの若者人気がなぜここまで高まっているのか、その理由をアフタヌーンティー好きな学生の一人でもある筆者が考察してみました!

アフタヌーンティーとは


2021年に筆者が訪れた迎賓館のアフタヌーンティー。景色も相まって非常に贅沢な気分が味わえました。

そもそもアフタヌーンティーは、みなさんご存知の通りイギリス発祥の文化です。
午後4時から5時頃に紅茶と共にサンドウィッチやスコーンといった軽食やお菓子をいただくお茶会で、19世紀中盤から上流階級の社交行事として彼らの自宅で催されてきました。
当時は教養や作法が必須でしたが、19世紀後半には下の階級にも広まっていったことからカジュアルなものも誕生し、現在と同様にカフェやレストランで気軽に楽しめるようになってきたと考えられます。

そんなイギリスの文化を日本で初めて本格的に取り入れ提供し始めたのは、ホテル椿山荘東京のロビーラウンジ「ル・ダルジャン」です。
国際的なホテルチェーンのフォーシーズンズホテルと提携していた1990年代当時、他の外資系ホテルが続々と上陸を始めていたため、それに合わせて本格的なアフタヌーンティーを取り入れたようです。
日本にいながら、決して「本場っぽい日本の」ではなく「本場の」アフタヌーンティーを楽しめる機会は少なかったこともあり、その頃からホテルなどでのアフタヌーンティーの提供が始まりました。

今、若者の間でヌン活が流行する3つの理由


2021年に筆者が訪れた横浜ベイホテル東急のアフタヌーンティー。20種類近くの紅茶が飲み放題で、好きな方にはたまらない空間でした。

2022年にはユーキャンの新語・流行語大賞にアフタヌーンティー活動の略称「ヌン活」がノミネートされるほど、2020年頃からアフタヌーンティーを楽しむ若者が増えてきました。

実は学生の筆者もこれまで3,4回ほどアフタヌーンティーを頂きに行った経験があります。
筆者の周りも行ったことのある学生が半数ほどで、訪れた場所やSNSの投稿を見てみてもその人気ぶりが実感できます。
その経験と感想を踏まえ、若者の間でアフタヌーンティーが人気である理由には以下の つが挙げられると考えました。

「贅沢なランチ」でもあり「コスパの良い旅行」でもある

まず何よりも、新型コロナウイルスの流行という大きな社会的変化が関係していると考えられるでしょう。
外出自粛期間が終わったとしても旅行などに行くには躊躇われていた時期、一方で溜まるストレスを発散させたくて悶々としていた方も多かったはずです。
中でも若者であれば平日に訪れやすく、人が少ない快適な空間で通常よりも安価にアフタヌーンティーを体験できたため、コロナ禍の楽しみにするにはちょうど良かったのではないでしょうか。
「伝統的」「本格的」といったある種のハードルが逆に「プチ贅沢」という価値として受け取られるようになったのです。

また、実際に行ったことのある方はわかってくださるかと思いますが、特にホテルでアフタヌーンティーをいただくと、滞在時間は数時間であるにも関わらず、「もしかして今日私はこのホテルに泊まっていたかもしれない…」という嬉しい気分を味わうことができます。
軽食やスイーツという職を楽しむと同時に、経験できるサービスや高級感の溢れる空間・時間を楽しむという点では、ちょっと短いけどコスパの良い旅行、のような捉え方がされているのだと考えます。

推し活との融合性

SNSの投稿を見ていると、最近話題の推し活と関連付けて楽しんでいる若者が非常に多いです。
好きなアイドルやキャラクターのぬいぐるみなどを持って行き、一緒に楽しんでいる写真を撮ってシェアするのが一般的なようです。
かわいらしいアフタヌーンティーと自分の推しの姿という写真映えはもちろんですが、贅沢でのんびりとした空間に推しと一緒にいることが若者にとっては大切な体験になるのでしょう。
近年ではこうしたトレンドを踏まえ、様々な色やテーマから自分の推しに合わせたアフタヌーンティーを選べるようなものも増えてきました。

一種の芸術鑑賞

アフタヌーンティーで食べられる軽食やお菓子を楽しむのも魅力の一つですが、やはり場の雰囲気や内装、コンセプトを含めたそこで過ごす時間全体を楽しめるのが一番の魅力でしょう。
SNSを通じてトレンドに敏感な若者にとっては、特に強く魅かれるポイントなのだと考えています。

アフタヌーンティーと同じくここ数年でよく見かけるようになったと感じるのが、空いた時間に美術館など芸術鑑賞を楽しむ若者たちです。
最初はSNSの投稿で見た映え目当てかもしれませんが、何度も訪れるうちに本当に芸術自体を楽しみ始めた人たちがいるのも事実です。
普段時間に追われ手元のデバイスですべてが完結する現代だからこそ、ゆっくりと自分の体で体感する芸術鑑賞の時間がたまにあることで、非日常感が味わえるのだと推測できます。

アフタヌーンティーも同様に、最初は美味しそうでかわいい見た目を楽しみに行ったところ、提供されている場の美しさや奥深さといった包括的な魅力と、ゆったりとした贅沢な時間の過ごし方の魅力に気づき、何度も足を運ぶ楽しさを感じるのかもしれません。
一般的なホテルやカフェのアフタヌーンティーは同じ店舗でも年や季節によって内容が変わるため、まさに美術館の企画展のような楽しさがあります。

余談ではありますが、美術館のように有名ブランドや芸術家、絵画とコラボしたアフタヌーンティーが提供される場も多くあります。
そういった意味でも、食を伴う芸術鑑賞といっても過言ではないでしょう。

新しい観光のカタチにもなっているアフタヌーンティーの躍進

元々は時間とお金に余裕のあるような中高年層に人気のあるイメージだったアフタヌーンティーですが、以上の理由からこの数年で若者にも高い認知度と人気を広めつつあります。

執筆の途中、ロンドンバスに乗りながら楽しめるという日本初のアフタヌーンティーバスツアーというものを見つけました。

伝統と革新の掛け合わせで、新感覚の観光サービスになっていて気になりますよね。
もしかすると、このようにブームが来ている日本だからこそのメリットを生かした日本のアフタヌーンティーが海外の観光客にも受け、新たな文化になりうるかもしれません。

「食」「文化」「美しさ」「観光」といった様々な切り口を持つアフタヌーンティー。これからも多くの場面で活躍する可能性が秘められていそうです。

参考文献
・UK Walker, 「日本のアフタヌーンティーの歴史を紐解く」, 2022年4月11日更新, https://ukwalker.jp/gourmet/6764/

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