今若者に人気のブランドは?世界のファストファッション
2022年のアパレル業界の中で最も話題になったトピックの一つは、「SHEIN」の台頭でしょう。
SHEINはファストファッションの中でも特に値段を低く抑え、現在の流行に合わせた服を数多く生産しているブランドとして瞬く間に流行しました。
そこで今回は、世界のファストファッションの特徴や違いについて調査してみたいと思います。
目次
国内のファストファッション整理
日本国内には多くのファストファッションブランドが存在しますが、代表的なブランドを見てみましょう。
ユニクロ
創業は1984年。国内ブランドの中でもいち早く中国の優良な工場と提携し、低価格高品質を実現させました。
ユニクロは、「ユニクロに悪口を言ったら100万円」など斬新なアイデア広告を掲載し、企業が服の質に対して顧客の意見を求めるほど品質にこだわりをもちます。
オリジナルの服はシンプルなデザインなものが多い一方、「UNICLO U」を代表するコラボ商品では流行に合わせたデザイナーのデザインが多くの顧客を魅了しています。
GU
2006年に創業した、ユニクロと同じファーストリテイリング社の完全子会社ブランドです。
ユニクロのノウハウを生かしつつ、更に低価格を追求したブランドで、「ファッションを、もっと自由に。」というコンセプトのもと立ち上がりました。
ユニクロよりも質はやや劣るものの、低価格、そしてターゲットをより若者に向けた先進的なデザインを実現し、日本を代表するファストファッションブランドになりました。
無印良品
「わけあって、安い」をコンセプトに立ち上がったブランドです。
無印良品のストロングポイントは、オーガニックコットンが綿製品の主流になっていることです。
肌に優しいだけでなく、生産者への農薬被害も少ない素材を低価格で販売されており、コスパが良いという評判で人気なブランドです。
しまむら
創業は1953年。
最大の特徴は、ユニクロなどの製造小売業とは違い、各アパレルメーカーから仕入れて小売りする業態であることです。
この特徴を生かし、デザインの種類の多さで戦い少量のみを仕入れることで、在庫をなるべく抱えず、消費者に貴重性を訴えかけることで消費者の購買を促進させています。
以上のファストファッションブランドは、多くの店舗を構え、その場で購入できます。
また、各サイトを通じてオンラインでも商品を購入することができる販売チャネルとなっています。
各国のファストファッション紹介
次に世界各国のファストファッションブランドを紹介していきたいと思います。
ZARA
1975年に創業し、今や2000店舗以上を持つ世界的なファストファッションブランドです。
各国に200人以上のデザイナーを有し、時代の最先端を行くデザインを活かしていることが特徴です。
また、企画から販売までを全て自社で担い、卸業者を介さないことで低価格を実現しています。
H&M
1947年にスウェーデンで誕生したブランドです。
H&MもZARA同様、世界中にデザイナーがおり、その地域でインスピレーションを受けた経験をもとにした洗練されたデザインが人気です。
ZARAよりは低価格帯に位置し、世界各国に5000もの実店舗を持つ人気ブランドです。
GAP
1986年に創業し、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置きます。
自ら衣料品を企画、自社ブランドとして委託生産をし、チェーン専門店で販売する、メーカーと小売りが一体化したSPA業態の走りとも言えるブランドです。
カジュアルなデザインの商品が人気であり、世界には3000店舗以上の実店舗があります。
Sfera
スペイン発のファストファッションブランドで、ほとんどの商品が1500円以下で買えることが強みです。
私たち日本人にはまだあまり馴染みのないブランドかもしれませんが、実店舗はスペインや近隣国にも構えています。
LINDEX
フィンランド発、北欧を中心に人気なファストファッションブランドです。
ベビー用品からデザイン性の高い大人向け商品までを取り扱っており、価格は2000~3000円くらいの商品価格で展開しています。
CACHE CACHE
フランスを中心に500店舗以上展開されており、学生から30代の方をターゲットにしたブランドです。
ファッションの本場らしい上品な商品を低価格で購入できることから、人気を博しています。
ファストファッション売上比較
国内外にはこれほど多くのファストファッションブランドが存在しますが、どのような勢力図になっているのでしょうか。
日本と世界での売り上げを簡単に比較してみました。
国内における売上ランキング
1位 ユニクロ
2位 しまむら
3位 無印良品
1位のユニクロは2位のしまむらの約二倍、8,000億円という圧倒的な売上を残しています。
世界全体における売上ランキング
1位 ZARA
売上は約2.8兆円に上り、現在も右肩上がりの成長を見せています。
2位 H&M
かつては世界一位の地位を確立していましたが、オンラインショッピングの波に乗り遅れた影響もあり、現在は2位になりました。
3位 ファーストリテイリング
国内ではもちろん、海外でもユニクロの商品は評価が高いようです。
4位 GAP
ファストファッションの中では少し価格帯が上ということもあり売上が伸び悩んではいますが、新たなブランディング戦略で巻き返しが期待されています。
5位 Lブランズ
下着のブランドの知名度が高く、買収を繰り返し大きくなっている企業です。
ファストファッション業界の今後
冒頭でも軽く触れましたが、今ファストファッション業界で最も勢いのある「SHEIN」がこれまでの人気になったのは、スピード感と低価格の二つを圧倒的に追求したからです。
SHEINはAIロボットを駆使し、人気が集まるようなデザイン・サイズ感を毎日700~1000点ほどテストを行い、生産を行っています。
また、質は多少落ちますが、生産コストを限りなく抑えた素材を使用していたり、人件費カットのために販売のほとんどはオンライン上になっていたりと、独自の戦略を取っています。
今後ファストファッション業界でより変化があるとするならば、デザイン性はSHEINと同等、質はSHEINよりも少し良い実店舗を持たない低価格なブランドが台頭してくると予想します。
ファッション業界全体の視点で見ると、AIを使用してデザインを決めたり、実店舗を持たないことが主流になる可能性は低いと考えられます。
理由としては、高価格帯商品をオンラインショップで購入することはリスクであることや、デザイナー自体に価値をもつブランドが存在することが挙げられます。
しかし、ファストファッション業界ではオンラインショップやAI使用の流れは今後より進んでいくと思われます。
おわりに
世界のファストファッションブランド業界の全体像をお伝えしてきましたが、知らなかったブランドや業界の現状はありましたでしょうか。
洋服を着る一消費者としても、今後もどのような新しいファストファッションブランドが誕生するのか楽しみです。
参考資料
・ https://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1412/17/news004.html
・ https://digiday.jp/glossy/5-reasons-shein-is-the-most-popular-brand-in-the-world/
・ https://www.fastretailing.com/jp/ir/direction/position.html
・ https://gyokai-search.com/3-apparel.htm