「時間がないと”思っている”人たちが必ず陥っている6つの落とし穴とは?」アシュリー・ウィリアンズ〜TEDの堅苦しいビジネスコラムをわかりやすく日本語で解説!2〜
一日が24時間じゃ足りない!そう思っている方は多いのではないでしょうか?仕事、家事、育児、学校、勉強、人によって様々ではあると思いますが、やることが多すぎてそれらが計画通りに終わらない、もしくはやらなければいけないことに追われて1日が終わってしまい、なかなかやりたいことや好きなこと、休息に割く時間がないという状況に陥ることはよくありますよね。ただ、それは忙しいと勝手に思い込み、言い訳にしているだけで、時間の使い方や考え方次第で大きく変わるのかもしれません。今回はTED ideasに掲載されたアシュリー・ウィランズ氏(Ashley Whillans)の”時間的貧困(time poverty)”に関する記事をわかりやすく日本語で解説しました!
目次
Introduction
これを読んでいる人たちの10人に8人は世界で最も貧しい人たちです。物質的な貧困というのが世界の多くの人たちにとって差し迫った問題であるいっぽうで、この貧しさとは物質的貧しさではなく、単にあなたの銀行口座のことを言っているものではありません。むしろ、時間的な貧しさ、つまり「時間がない」ということを意味しているのです。やることが多いが、それらをやる時間が十分にないのです。
時間的貧困はすべての文化と経済階層に影響を与えます。2012年には、働くアメリカ人たちの約50%が「いつも何かに急いでいる」と答え、70%が「十分に時間があったことは今まで一度もない」と答えています。2015年には、80%以上のアメリカ人が「今まで必要な時間がなかった」と答えています。
これは第一世界の人が抱える問題(First-world problem:先進国の人たちが抱える小さくて贅沢な問題や悩み)だから、仕方がないことで、その中でうまくやっていくしかないと考えている人たちに対しては、私からそうではなく、その必要はないということを言いたいです。
時間的貧困は深刻な問題で、これによって個人や社会は深刻な代償を払うことになるのです。数々の研究者たちが蓄積してきたデータによると、時間的貧困と不幸の間には相関関係があるのです。時間的に貧困である人々は、より不幸で、生産性が低く、大きなストレスを抱えがちです。時間的貧困に陥っている人は運動の頻度がより少なく、より体脂肪が多く不健康な食べ物を食べるため、心血管疾患にかかる可能性も高いという傾向があります。これは時間的貧困が生み出す妥協によるものです。栄養価の高い健康的な夕食を用意する代わりに、手軽ですぐに食べられるインスタントフードやジャンクフードをスマホの画面を見ながら何も考えずにもぐもぐ食べる方を選ばせてしまうのです。
その明らかな原因として私たちがかつての世代よりも多くの時間を仕事に費やしているだけということが言えそうですが、この理論は必ずしも正しくないということを示す根拠がいくつかあります。過去に行われた調査によると、例えばアメリカでは過去50年間で男性の余暇時間が週に6~9時間増えており、女性の余暇時間も週に4~8時間増えているというのです。
それではなぜ、私たちはこれまで以上に時間的貧困を感じているのでしょうか?
時間的貧困は、私たちにある時間と実際に必要としている時間のミスマッチから生じるのではなく、私たちがその時間をどのように捉え、どれくらい大切にしているかに起因しています。それは構造的なものであると同時に、心理的なものでもあります。自由な時間ができても、私たちはそれをうまく使う方法を知らず、無駄にしてしまうことが多いのです。または、休憩を取るべきではないと自分自身に言い聞かせ、そのまま仕事を続けてしまうのです。
時間を賢く使えるようになるための最初のステップは、あなたの生活の中にある“時間の落とし穴”を特定することです。
Time trap #1: 現代のテクノロジーが私たちの時間を奪いとっている
現代のテクノロジーは私たちの時間を節約してくれますが、同時に時間を奪ってしまいます(これを自律パラドックスといいます)。私たちは、いつ、どのくらいの時間仕事をするかについての自律性を得るためにスマホやパソコンなどのモバイルテクノロジーを利用していますが、皮肉なことに、それによって結局私たちは常にずっと仕事をしていることになってしまうのです。かつて私たちが楽しみ、使用していた余暇の時間は、今ではスマホなどのデバイスによって絶えず邪魔されているのです。この状況は認知的に私たちに悪影響を与え、それだけではなく余暇の時間を断片化し、使えなくしているのです。
私や他の研究者たちは、この現象を「時間の紙吹雪化(”time confetti”)」と呼んでいます。紙吹雪とは非効率的なマルチタスクによって失われた秒や分という多くの小さな断片を表しています。一つ一つの断片それ自体はそこまで悪いものではありませんが、それらが集まり、紙吹雪となることでより致命的で重大な何かに変わります。
こんなシチュエーションを想像してみましょう。例えば、午後7時から1時間の自由時間があったとします。その1時間の間にメールを2件受信し、両方チェックした上で1つに返信し、Twitterの通知が4つあり、そのうちの1つを開いてリプライをスクロールして見る、そして同僚からの質問や頼みごとの内容のSlackの通知を3つ受信し、そのうち1つに返信をして2つは無視し、次の日の母の誕生日に母に電話をするというリマインダーを1つ受信し、来週の週末の予定を立てようとしている友人からのチャットを4つ受信し、それら4つすべてに返信するとします。
これらの行動の1つ1つはそれぞれ数秒で終わるものですが、それらが合わさることで2つのマイナス効果が生まれています。
1つ目は、あなたから多くの時間を奪うということです。一見何ら影響を与えていないように見えるこれらの行動が、実はこの自由時間の10%を奪っているのです。さらに、研究によると一般的に私たちが推定しているこの失われた時間というのは実際にはこれよりも多い可能性が高いのです。
2番目の、そしてより深刻なマイナス効果は、その1時間の余暇の断片化のしかたである。たいていの場合、これらの時間のロスというのはその1時間全体に広がるため、1時間の余暇はいくつかの小さな余暇に断片化され、時には5、6分の長さにしかならないこともあるのです。そしてたとえあなたが返信をしない、もしくはすぐには返信をしない、といったような意識を普段からしていたとしても、スマホやパソコンなどの現代のテクノロジーはその時間を使ってすべきことやできたことを思い出させることで、余暇の時間の質を低下させてしまうのです。
また、人は現在やっていることからストレスのかかるようなことに気持ちを切り替えるのに時間がかかります。したがって実際に使える自由時間は少なくなり、時間の使い方を振り返った時に使った自由時間が実際よりも少なかったように感じてしまいます。時間の紙吹雪化によって私たちは実際よりも、さらに時間的貧困を感じるのです。
Time trap #2: お金に執着し過ぎること
もう一つの落とし穴は仕事とお金を稼ぐことに対する文化的な強迫観念です。
私たちは時間よりもお金の方がより大きな幸せをもたらすという間違ったことを教わりがちです。ある研究の結果から、お金は人を悲しみからは守ってくれますが、その人に喜びをもたらすということはしないということがわかっています。一旦様々な支払いや生活に必要な出費にお金を使い、将来のための貯金をし、ある程度の楽しみにお金を使ったら、それ以上お金を稼いだとしても私たちの幸福度はほとんど上がらないのです。
165カ国、170万人のデータより、研究者たちはそれ以上に収入を増やしても幸福度が増加しなくなる正確な年収を導き出しました。アメリカでは65,000ドル(約676万円)/年、世界全体だと60,000ドル(約624万円)/年を稼ぐと、それ以上の収入は私たちの幸福度やそれから生まれる日々の笑いや笑顔に影響を与えなくなります。また、アメリカでは105,000ドル(約1092万円)/年、世界全体では95,000ドル(約988万円)/年に到達するとそれ以上の収入は私たちが自身の人生がどれだけうまくいき、充実していると思っているのかということに影響を与えなくなります。
私たちはお金持ちになると、(アメリカでは年間105,000ドル(約1092万円)ほど)自身の人生が劣っていると考える傾向があるのです。お金持ちになっても、よりお金持ちな人たちの人生と比べ始めてしまうからです。ただ、お金を持つことで様々なストレスから守られるというのは確かです。例えばあなたの車が故障したときには、お金が解決してくれます。さらに手元に現金を持っていることは、何も危機がない場合でも心に安心感を生み出してくれます。しかし、ネガティブな結果を防ぐことは、より幸せなものや結果を生み出すこととは異なります。お金で喜びを買うことはできません。これはとても大事なので繰り返しました。
より多くのお金を稼ぐことに執着している人たちは時間的に裕福になるためには経済的により豊かになる必要があるという間違ったことを信じています。私たちは将来の余暇のために今一生懸命働き、より稼ごうと考えがちですが、これは間違っています。富を追及することへの執着はさらなる富の追及への執着にしかつながらないのです。
Time trap #3: 時間の価値を過小評価してしまうこと
お金に対する文化的な強迫観念のために、多くの人は時間的な豊かさへは逆効果の方法で自分のお金を守ろうとします。
ある研究の結果では、経済的には余裕があるが時間的には極端に貧しいと考えられる、幼い子供を持ちながら働く親たちの52%が、時間を増やすよりもお金を増やす方を選ぶと答えました。賞金100ドルをもらえたとしたら、どのように使って幸福度を増やしますかという質問に対して、食料品のデリバリーをするなど、時間を節約するために使うと答えたのは、働く親たちのわずか2%だけでした。また、明らかに時間を大切にする余裕がある人たち(平均300万ドル、約3億1200万円の貯金があった人たち)でさえも「お金を増やす方を選ぶ」と答えていました。
時間の価値を測るのは難しいのです。私たちが時間とお金の間で悪いトレードオフをしていたとしても、(例えば1ガロンあたり10セントのガソリンを節約するために2マイルを運転すること)私たちはそれが悪い選択であると気づかない場合があるのです。それは、それに費やした時間の価値がわからないからです。
例えば価格がわずかにやすいからといって飛行機の乗り継ぎ便で旅行を予約するとき、あなたは時間の落とし穴に陥っています。仮にそのフライトで300ドル節約できたとしましょう。しかし、そのフライトによって自由な時間を合計8時間も取られ、さらに早起きをし、飛行機を乗り換えなければならないことによって疲労やストレスが増大してしまいます。あなたならよりストレスや疲労が少なく、通常通り働いている平日の一日の労働時間の価値がある、旅行における追加の8時間のために300ドルを支払いますか?
これは単純な落とし穴です。私たちは反射的にお金のコストがより安い選択肢を選んでしまうのです。先ほどのガソリンの例をもっと詳しく見てみましょう。あなたは一貫して1ガロンあたり15セントを節約するためにわざわざ別のガソリンスタンドまで6分余分に時間をかけて運転していき、月に4回15ガロンの充填のために行くとします。これだけ聞くと、それにはそれだけの価値があるように思えます。6分というわずかな時間ですし、この節約が積み重なって大きな節約になります。
15セント×15ガロン=2.25ドルの節約。
さらに、2.25ドル×月4回=月9.00ドルの節約になります。
月9ドルが12か月間で1年間に108ドルの節約です。
しかし、時間の罠というものを知っている人は違う見方をするでしょう。
1回のガソリン補給につき6分×月4回=24分が1ヵ月で失われます。
1ヶ月24分×12ヶ月=年間4.8時間の損失
このように考えてみると、108ドルを節約するためにほぼ5時間を費やしたことになります。これは、お金を節約するためにわざわざ車をより長く運転する代わりに、その5時間でできたかもしれないこと、つまり機会費用を考慮に入れていません。
それでもなお、このトレードオフは価値があると感じる人もいるかもしれません。しかし、このような計算をすることで、私たちが著しく過小評価しがちな時間の価値を別のレンズで見ることができます。
Time trap #4: 忙しさをステータスシンボルと見なすこと
私たちのアイデンティティはこれまで以上に仕事と結びついています。最も信頼できるデータによると、アメリカに住む人々は人生における目的を見つけるために、友人や家族、趣味ではなく、ますます仕事に目を向けるようになっています。2017年の調査では、若い大人たちの95%が「楽しく有意義なキャリア」を持つことを「非常に重要」と答えています。
私たちが仕事を重要視していることを考えると、仕事の忙しさがステータスとなることにも違和感はないでしょう。私たちはそれを勲章のバッジのように身につけています。たとえその時間が生産的でなくても、最も長い時間働いている従業員として見られたいのです。
経済的な不安もまた人々に働くことを促すもので、さらにそれは増加傾向にあるのです。現状に関わらず、社会が不平等になればなるほど、人々は自身の経済的な将来に不安を感じるようになります。うまくいっている人は、失敗したときにどれだけ落ちぶれるかを心配しています。苦労している人は、さらに苦しい状況に陥ることを恐れています。私たちの多くは、よりたくさん働き、より多くのお金を稼ぐことで対処しています。そして、外食や旅行など、私たちの幸福度をあげるものにお金を使うことに罪悪感を感じてしまいます。私たちのアイデンティティさえも仕事や生産性にとらわれているため、忙しそうにしているという社会的な姿によって私たちは自身のことをよく思うのです。いっぽうで、仕事以外のことに注意を向けると、私たちの生活や地位が脅かされることになるのです。私たちは自身の価値がなくなることを心配しており、ある意味では私たちは正しいのです。
忙しさはステータスシンボルであるという意識や考えは実は多くの人の心の中にあります。ある研究によると、ノンストップで仕事をしていることや、多忙であることを自慢している人は、たとえ実際にはそうでなくてもより多くのお金と名声を持っていて優れている人だと他の人に思われているそうです。さらに、外見もより魅力的だとさえ思われているのです。
土曜日の午後8時30分に送ったメールを誰かに見られることで忙しさをアピールでき、その瞬間は気持ちがいいとしても、このような行動は結果として不健康で不幸な人生につながるのです。
Time trap #5: 何もしない時間を極端に嫌うこと
私たちが完全に平等な社会に住んでいたとしても、人間は怠惰や何もしない時間というものに慣れておらず、扱い方がわからないため、私たちはその時間によってストレスを感じてしまうのです。
研究者たちはこれを「怠惰の嫌悪(Idleness aversion)」と呼んでいますが、これによって私たちは時におかしな行動をとることがあります。ハーバード大学の心理学教授であるダン・ギルバート氏は、何もない部屋に何人かの大学生を入れ、彼らにやることを何も与えないで様子を観察するという実験を行いました。すると、多くの学生は一人でボーッと考え事にふけるよりも軽い電気ショックを受けて時間を潰す方を選んだというのです。別の研究では、働きながら子育てをする親が余暇に「退屈さ」と「ストレス」を感じていることが示されており、最も忙しいとされる人達でも余暇にうまく休憩しリラックスする方法を知らないことを示しています。
さらに、現代のテクノロジーのおかげで私たちは何もせずに一人で考え事にふけるという時間が減ったかもしれませんが、それはストレスと時間的貧困を助長する罠なのです。携帯やパソコンなどの機器によって脳の回復が妨げられ、ストレスレベルが上昇してしまうのです。
実際、何もしない時間というのは貴重な余暇の1つであり、時間的な豊かさを高めることができるということが示されています。何もしない時間を作り、脳を休めることで得られる身体的、精神的なメリットは、常に何かをし、頭を働かせ続けることで生まれるストレスよりもはるかに価値のあるものなのです。
Time trap #6: 明日使える時間が実際よりも多くあるように感じてしまうこと
私たちのほとんどは、未来の時間について過度に楽観的になっています。私たちは明日には今日よりも多くの時間があると勘違いしがちです。これは時に「計画の誤謬(planning fallacy)」と呼ばれ、私は「わかったわ!、、、しまった!」効果(”Yes … damn!” effect)と呼んでいます。これについて説明しましょう。
先週の月曜日、友人が私に土曜日に引越しを手伝ってくれないかと頼んできた。私は「わかった!(No problem)」と返事をしました。火曜日には私の同僚が土曜日までに彼女が作ったレポートに目を通すように頼んできた。私はイエスと答えた。水曜日には別の友人が私が行ってみたいと思っていた新しくできたレストランに土曜の夜に行かないかと誘ってくれた。私はもちろん「イエス」と答えた。こうして誘いや頼みに何度も何度もイエスと答え続けた結果、いざ土曜日の朝になって起きてから「しまったわ!私は何を考えていたんだ!」と思ってしまいました。
実際、幸福に関して研究する身として、当時の私が何を考えていたのかは自分でもわかっています。「今は忙しくても、土曜日はまだ先のことだし、これらのことをする時間はあるだろう」と。
統計的には、来週どれだけ忙しいかを予測する最も良い指標は今どれだけ忙しいかということなのです。私たちはこの重要なことを忘れて、未来では今よりも多くの時間があるというふうに錯覚しがちです。この過剰に楽観主義的な考え方によって私たちはやりたくないような細かいものに対しても、何も考えずにイエスと言ってしまうのです。また、私たちはイエスと言いたいのです。誘いや頼みごと、新しい仕事に対してイエスということを私たちは怠惰になることを避け、生産性が高い時間を過ごし、つながり、評価され、尊重され、愛されていると感じるための方法として捉えているのです。
しかし、これらの「イエス」のために割く時間はどこから来るのでしょうか?もちろん、時間的な豊さを感じるための貴重な余暇の時間からです。皮肉なことに、終わりのない忙しさによって、私たちがそもそも最初に忙しさと引き換えに達成しようと設定した目標が徐々に失われていってしまうのです。
Conclusion
6つの最も陥りがちな時間の落とし穴を紹介しましたが、もちろん、時間がなくなってしまう理由は他にもたくさんあります。ここで大事なのは自分が最も陥りがちな時間の落とし穴を見つけ、理解し、それをどこかに書いておくことです。
私たちが陥っている時間の落とし穴は他の人と同じであるとは限りません。さらに、この罠というのは私たちを不幸にし、私たちが幸せを感じるために使えたであろう時間を奪うのです。これをぜひ、心に留めておいて欲しいです。
私たちは誰でも、自分が陥ってしまった時間の落とし穴から抜け出す力を持っています。運動をし、食事に気をつけて健康な体になるのと同じように、時間的に豊かになり、もっと時間にゆとりを持つためには、余暇を増やし、その時間を有意義に過ごすための毎日の小さな意識や努力が必要です。そして、健康を手に入れるのと同じように、最初は簡単ではありません。私たちを取り巻く社会も私たちの心理も、このような時間の落とし穴にハマるように誘惑してきます。
引き続き運動の例えを用いますが、日々の運動の習慣が完璧にこなせていないからといって自分を責めてはいけないのと同じように、時間を上手に使えなくても自分を責めてはいけません。それを邪魔する要素がたくさん存在するのです。研究によると、実際、私たちが忙しいと感じているときには私たちは細かく、簡単におわらすことができるタスクを引き受けることで時間をうまく管理できていると自身を納得させようとするということがわかっています。これは間違った時間の管理方法であり、忙しさの根本的な原因に対処することはできません。
時間的貧困の感じ方が誰にとっても同じだとしても、時間的豊かさは人それぞれです。スマホをスクロールする代わりにギターに15分以上を費やすことを意味するかもしれないし、仲間とチャットで職場の噂話をする代わりに貯蓄を投資する方法を学ぶ土曜日の朝や10分間の瞑想の時間をとることかもしれません。あなたにとっての時間的豊かさがどのようなものであったとしても、最も幸せで最も時間的に豊かな人たちは、自由な時間や余暇をよく考えて、うまく過ごしています。
時間的豊かさを追求するということは、私たちの生活の中に潜む時間の落とし穴を認識し、克服し、日々、幸せで有意義な時間を意識して生み出し、大切に過ごすことなのです。
この記事の引用元について
この記事はアシュリー・ウィリアンズ氏の著書”Time Smart: How to Reclaim Your Time and Live a Happier Life“(Copyright © 2020 Harvard Business School Publishing Corporation. Reprinted by permission of Harvard Business Review Press. All rights reserved.)を著者の許可の上で引用して掲載されたTED Ideas(https://ideas.ted.com/)の記事をもとに作成しております。
参考元の記事:IDEAS.TED.COM “Which of these 6 time traps is eating up all your time?”
https://ideas.ted.com/which-of-these-6-time-traps-is-eating-up-all-your-time/
引用元記事の著者について
アシュリー・ウィリアンズ氏(Ashley Willians) – ハーバードビジネススクールの助教授であり、時間や幸福に関する研究の第一人者。多様な人々と協働した経験を持ち、世界幸福会議(Global Happiness Council)とハーバード大学の職場と幸福への取り組み(the Workplace and Well-Being Initiative at Harvard University.)の活動に携わっています。
ウェブサイト:awhillans.com
Twitter:@ashleywhillans
こちらはアシュリー・ウィリアンズ氏のTED×ケンブリッジの講演です。