【タイ現地調査】主要小売店・百貨店を現地の人にインタビュー!
本記事は、2017年当時の調査をもとに修正されたものです。
「微笑みの国」として知られているタイ。
日本との親交も深い国ですが、現地ではどのような小売店や百貨店が主要になっているかご存じですか?
今回は、タイの産業の特徴を踏まえつつ、現地の方へのインタビューの調査結果をお届けいたします!
目次
タイってどんな国?
バンコク、ゾウ、マッサージ、トムヤムクン…
タイと言えば連想できるものがたくさん出てくると思いますが、それほど観光地としての知名度が高いです。
参考:国土交通省
上の図は、国土交通省の統計から国際観光収入ランキングトップ10位を抜粋したグラフです。2019年でありますが、ご覧の通り実際にタイは観光収入が世界4位と、アジアNo.1の観光国です。
外国人旅行者受入人数ランキングでもアジアでは中国に次ぐ2位で、観光業の規模の大きさがわかります。
新型コロナウイルスの影響がある現在もアジアで最初に入国制限を緩和したため、また観光の需要が戻ってくるでしょう。
タイの首都バンコクには、日本の食材を扱うスーパーマーケットが多くあり、日本食レストランは約1,300店も建てられています。
高架鉄道BTS(スカイトレイン)やMRT(地下鉄)などの発達により、移動も不自由なくすることができます。
デパートなどのショッピングセンターでは英語や日本語が通じることもあるので、コミュニケーションにも困りません。
タイ小売店・百貨店一覧
そんな多くの人が訪れるタイの現地の方20人に、一般的に足を運ぶデパートやドラックストアなどの小売店についてインタビューしてみました。
以下のポジショニングマップをもとに、それぞれのお店の特徴をお伝えします。
大衆向け・低価格
watsons
緑色の「W」のロゴでおなじみのはwatsonsは、多くの人に親しまれている大衆向けのドラッグストアです。
東南アジアではシェアNo1を誇り、ドラッグストアを調剤薬局という暗いイメージから生活用品やコスメ商品も揃う明るいイメージに変えたパイオニアと呼ばれ、お手頃なワトソンズのオリジナル商品や、日本のヘアケアコスメなども多く見られます。
ドラッグストアとコスメストアを合わせたような品揃えで展開しており、大衆から高い支持を得ています。
ORIENTAL PRINCESS
こちらは、東洋の女性をより輝かせるために生まれたタイ発のブランドです。
タイハーブ、トロピカルフルーツを材料に使用したタイならではのコスメが多種多様にあるのが魅力の一つです。
特に日本では聞いたことがない「バナナシャンプー」がお土産には人気です。
最近では大人をターゲットにした商品も出てきたので、幅広い年代から支持されています。
TSURUHA
出典:流通ニュース
みなさんご存じ、日本の北海道発のドラッグストアです。
ツルハグループはタイの首都バンコクでの海外進出をきっかけに、世界で20,000店舗を目指す長期ビジョンを掲げています。
品揃えは申し分なく、化粧品よりも生活用品を中心に置いている印象があります。タイでは有名なドラッグストアの1つです。
大衆向け・中価格
the SAEM
出典:seoulnavi
ザセム(the SAEM)は、韓国化粧品ブランドとして2010年に誕生しました。
プロフェッショナル向けの商品が多いにもかかわらず、コストパフォーマンスの良さに定評があり、基礎スキンケアからメーク、ボディケア、ヘアケア、メンズンケア、敏感肌用など用途に合わせた幅広いラインナップです。
当時の広告モデルに、人気韓国アイドルグループ「BIGBANG」のG-DRAGONを起用したことでも話題を集めました。
最近では日本でも頻繁に見かけるようになってきましたね。
innisfree
出典:howdoithai
こちらも韓国発、大手化粧品会社「AMORE PACIFIC(アモーレパシフィック)」から生まれたコスメブランドです。
自然を主成分とした商品で、ナチュラル志向の女性をターゲットにしています。
韓国のアイドルグループ「少女時代」のユナや「IVE」のウォニョンがイメージモデルを務めているなど、若い女性に絶大な人気を誇っています。
プロフェッショナル向け・中価格
マツモトキヨシ
出典:流通ニュース
2015年に海外進出をしたマツモトキヨシは、他のドラックストアと比較すると後発組とも言えるでしょう。
今まで東南アジアに進出しなかったのは、圧倒的シェアを誇っているWatsonsがいたためだと考えられます。
医薬品、健康食品、化粧品、衛生用品、日用品、食品などを販売しており、既に地域の顔となっているようです。
ETUDE HOUSE
出典:ラフォーレ
日本でもかわいらしい店舗が目を引くETUDE HOUSEは、韓国で初めてのメイクアップブランドとして誕生しました。
記念すべき海外100号店は、なんとタイに設立されたのです。
華やかな色使いが特徴で若者に人気で、日本やタイを含めた6か国に店舗があり、世界的に有名なブランドになっています。
プロフェッショナル向け・高価格
SEPROHA
世界各地のコスメティックブランドを取りそろえ、独自のブランドも展開しているSephora。
割高ですが、広々とした店内で商品をじっくり手に取って見ることができ、足を運ぶ女性客が後を絶ちません。
高級路線で大衆より少し上の層をターゲットにしているように思えます。
ISETAN
出典:日経ビジネス
伊勢丹はタイに進出してから長年経過しており、和のスイーツやお惣菜コーナーがあるスーパーマーケットや、日本でも有名な「紀伊国屋」がありました。
しかし、2020年に新型コロナウイルスの影響で撤退し、28年もの歴史に幕を閉じました。
日本企業についての声
以上を踏まえると、日系と韓国系の企業の二極化といった状況がうかがえますね。
インタビューを受けてくださった方の中には、「日本製品は質が高いが、値段も高い」「韓国製品は安価で質も悪くないから日本製品から乗り換えた」という方も多くいました。
程よい金額で品質を感じられる商品が選ばれるのが、現代のスタイルとなりつつあるのかもしれません。
“日本の商品は高い”というイメージが先行している今のスタイルは、変えざるを得ない状況にあると言っていいでしょう。
まとめ
タイの小売店や百貨店について少しでもおわかりいただけたでしょうか。
どこの国の方に聞いても、日本商品は「信頼性がある」と良いイメージを持っている方がほとんどで、今までの日本の先駆者が日本商品は質が高く素晴らしいという印象を世界に植え付けてくれているようです。
この恩恵を無駄にすることなく、日本のあるべき姿でコロナ禍の海外市場のシェアを獲得していってほしですね。
もっと詳しく知りたい方へ
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