貿易取引のリスクを減らす信用状(L/C)とは?

貿易取引のリスクを減らす信用状(L/C)とは?

この記事は2024年3月29日に更新されました。

貿易用語でよく聞く信用状(L/C)。
実は非常に重要な書類であること、ご存知でしたか?
今回は、貿易取引において必ず知っておくべき信用状(L/C)の役割から取得までの流れを解説していきます!

信用状(L/C)とは

信用状(L/C)はLetter of Creditの略で、国際貿易において輸入業者が相手国の輸出業者に対して発行するものを指します。
信用状に書かれた条件を満たすことで、銀行が輸出業者に対し代金支払いを保障できます。

役割

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出典:nifty.com

国内取引とは違い、様々なリスクが生じる可能性がある貿易取引。
輸入業者と輸出業者が互いに決済について不安を持っている場合にこのL/Cがよく利用されます。

例えば、「輸送に時間がかかるため、商品の受け取りと代金の支払いを同タイミングで行うことが難しい」というのが主なリスクの一つとして挙げられるでしょう。
前払いでは輸入者が商品入手以前に代金を支払うため「商品を入手できないリスク」があり、後払いでは輸出者が代金を回収する前に商品を出荷するため「代金を回収できないリスク」を背負うことになります。
いずれにしても、どちらか一方が資金面でリスクを被らないよう銀行が代金の支払いを保障すれば、両者の安心材料となるのです。

取得までの流れ

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出典:nifty.com

貿易取引は、輸出者と輸入者間で売買契約を結ぶことからスタートします。
両者がL/C取引を行うと合意すると、輸入者は銀行に輸出者宛てのL/Cの発行の依頼、つまり信用状開設依頼書を作成します
この信用状開設依頼書は、L/Cの有効期限や通知方法、手形買取要件、信用状統一規則準拠文言などの売買契約の内容を集約したものです。
銀行は輸出者から依頼された内容で、L/Cを発行します。

L/C発行に際して、輸出者側の銀行は顧客から船積書類の買取を依頼されますが、この買取はあくまでも与信行為で、リスクがないわけではありません。
そのため発行には、詳しい商売内容を聞かれたり、場合によっては担保を要求されたりることもあります。

次にL/Cを受け取った輸出者が商品を発送し、輸入者が引き取るまでの流れを見てみましょう。

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出典:nifty.com

輸出者はL/Cの内容に従った商品を引き渡した後、船会社が発行する船荷証券(B/L)などの船積書類で、L/Cに明記された契約条件を満たしていることを銀行に証明します。
また為替手形を振り出し、商品代金を受け取ります。

船荷証券(B/L)については、こちらの記事をご覧ください。

【徹底解説】船荷証券(B/L)の書き方から発行までの手順まとめ!

船積書類と為替手形は、輸出地の銀行から輸入地の銀行へと送られます。
輸入者がその為替手形に対して支払いをすることでB/Lなどの船積書類を入手し、商品を受け取るという流れでL/C取引が完了します。

取得における注意点

以上の一連の流れで注意しておきたいのが、輸出地の銀行についてです。
開設銀行が発行したL/Cは、輸入地の開設銀行から輸出地の銀行(通知銀行)に、そしてその通知銀行から輸出者へと通知されます。
通知銀行は開設銀行に一任しても問題はありませんが、場合によっては輸出者が指定をするケースもあります。
開設依頼書を作成する場合は、過去の書類を見直したり、直接輸出者に確認したりしましょう。

まとめ

L/C取引は、上手く使えば輸出者・輸入者共にリスクを負う可能性が軽減される、非常に便利なものです。
双方に気持ちの良い取引ができるように、あらかじめその仕組みや条件をよく確認しておくことが大切です。

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