日本市場はもう成長しない?今世界が注目している成長市場はココだ!
グローバル化を実感する経済情勢が強まる中、日本企業が生き残りを賭ける展開先として海外の成長市場が注目されています。人口の高齢化と少子化による国内市場の縮小を背景に後押しされています。収縮していく国内市場で減収減益にあえぐ日本企業にとって、海外市場は売り上げを大きく拡大し、再び業績を成長軌道に乗せる千載一遇のチャンスと言えます。
国際的な視点から市場を把握し、自社の特質にマッチする海外市場を選ぶにはどのようなポイントを押さえればいいのでしょうか。すでに日本企業が海外展開している市場や今後の盛り上がりが期待される国や産業をご紹介します。
日本企業の進出先トップは中国だったが、、
中国経済の先行きが懸念される中、現在でも「世界の工場」として中国の地位は極めて大きいものといえます。実際、日本企業が海外展開で選ばれる半数以上が中国といわれています。日本企業による中国への海外進出が非常に多い理由としては、物価が安く人件費も安いということと、人口が13億人と非常に多いため、将来人口大国が消費大国になるのではないかという期待が大きいため、多くの企業が中国へ進出しているのです。
ただ近年中国リスクに翻弄され、工場撤退や合弁解消などに踏み切る日本企業が相次いでいるようです。
中国リスクとはつまり経済失速のほか、人件費の高騰や政策変更などリスクがつきまとい、中国での事業が「割に合わない」状況になっている ということです。
そのため最近ではタイやベトナム、インドネシアといったASEAN諸国への進出が目立っています。
特にタイではインターネット接続や携帯の電波、クレジットカードといった業務に直結したインフラももちろんですが、交通機関や小売店などの生活していく上でのインフラもタイは成熟しています。
またタイは人口7,000万人弱、1人あたりのGDPがシンガポール、ブルネイ、マレーシアにつぐ水準のため高い確率で内需も狙えますね。
こうした日本企業の海外進出の背景にはリーマンショックから続く不況に東日本大震災が追い打ちを掛け、国内市場でいまだに明るい展望の実感が乏しいことが挙げられます。また、世界的に消費動向が同時に変化する現在、製品やサービスを日本で作って輸出するより消費国の現地で製造・販売したほうがコストも低く抑えられるのも後押ししています。
このように、これまで海外進出というと人件費削減が前提だった時代から海外市場を押さえるという積極的な理由に変化しているのです。
それでは成功事例を簡単にカテゴリーでご紹介させていただきましょう。
成功事例1.外食産業
2013年、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたニュースは記憶に新しいでしょう。かつて海外での和食というと一部の富裕層が寿司や天ぷらに舌鼓を打つといったイメージがありました。ここ数年で海外での和食の大衆化が進んでおり、寿司やラーメン、牛丼をはじめ日本企業による海外進出の影響で着実に市場を拡大しています。
とくに中国市場やASEAN市場での外食産業は好調です。例を挙げれば牛丼の吉野家や熊本ラーメンの味千ラーメン、イタリア料理のサイゼリヤや和食の大戸屋など日本のスタイルをそのまま持ち込んだもの、現地の嗜好にアレンジしたものなど今後の飛躍的な成長が期待できます。
ですが、もちろん前述の海外進出にあたり欧米・アジア圏の進出に関わらず、食文化や習慣の異なりなど、その内容を十分に事前調査した上での成功事例です。
例えば現地の好みに合わせて味を改良して提供するのか、日本の素材をそのまま持ち込んで日本の味を提供するのか、現地の一人あたりのGDPも商品価格を決める上で重要な項目となってきますよね。
成功事例2.オンラインサービス
コストを安く抑えられるオンラインを活用して事業の代表的な例といえばオンライン英会話です。業界をリードしてきたレアジョブは英語スキルが高いものの人件費が日本よりかなり安く済むため理想的な事業展開がされています。フィリピン大学の大学生を講師に据えて英会話教育の質を維持しながらSkypeによる低コスト運営を実現しました。英会話といえば高額なものというイメージを払拭して月額数千円で気軽に思う存分レッスンを受けられるサービスを提供しています。
25分コースで5000円、毎日50分コースで8000円、週末25分コースで3000円、週末50分コースで5000円です。
毎日25分コースなら25分当たり161円、毎日50分コースなら25分当たり129円(1ヵ月31日として毎日レッスンを受けた場合)
1回あたり25分、161円と言う破格で毎日英会話ができてしまうので海外の人とコミュニケーションをとりたいという人にとっては英会話教室に通ったり留学する必要がなくなるので夢のようなサービスでしょう。
このように英語スキルの高いフィリピンやシンガポール、ASEAN諸国のトップ大学の学生を使ったアプローチは海外進出を目指す企業の参考となるでしょう。
成功事例3.水ビジネス
日本ではいまでも安心して水が飲める環境が維持されています。海外では水への不安要素が大きく、上水道や工場排水の処理システムには改善の余地が広がっています。日本でも海外の水道企業が地方自治体の上水道運営を委託される例も出てきています。反対に、日本の水処理やボイラー関連の持つ質の高い技術やサービスを世界的に輸出する可能性が高まっています。具体的には産業用水の処理施設や海水を淡水化する技術、上水道の運営ノウハウなど、高い品質の水ビジネスを展開してきた日本だからこそアドバンテージの強い市場が広がっています。とくに今後の成長市場ではASEANやオセアニア、中南米などの市場規模拡大が見込まれています。
まとめ
日本企業の持つすぐれた技術やサービスはいまでも世界のビジネス市場に切り込める価値を持っています。いま紹介した和食、英会話、水といった日本ではおなじみのビジネスを違った視点やスタイルで海外展開すると現地市場から好意的に受け入れられる可能性が大きいといえるでしょう。
ただ、考え方の根底にある文化が違うことで、トラブルも頻発しています。例えば人種差別であったり、現地で採用した人材が役に立たなかった等様々です。常にリスクを頭に入れて最悪な事態は避けるリスクヘッジは必要不可欠ですね。
ただやはり狙い目は「タイ」と「イスラムマーケット(ハラル市場)」ではないでしょうか。
冒頭でもお話しさせていただきましたが、ビジネスに必要なインフラが全て整っており成熟している、人口もタイは7000万人、ASEANは6億人、日本の約5倍です。そのため製造拠点ではなく、消費マーケットとして注目されてきています。
日本市場から海外市場に目を向けてみる。これから海外進出を考えている企業にとっていまが絶好のタイミングを迎えています。