2030年に1000兆円規模!?日本企業注目のハラル市場とは

2030年に1000兆円規模!?日本企業注目のハラル市場とは

アメリカのPew Research Centerの調査、「The Future of the Global Muslim Population, Jan 2011」によると、イスラム教を信仰するムスリムの割合や人数は今後増大していくと予測しています。

2020年で24.9%、約19億人、2030年には26.4%、約22億人になると予想されています。

ムスリムは中東諸国だけではなく、インドネシアやインド、アフリカなど各地にも広がっています。消費者である人数が多いため、今後、ますます重要なマーケットになっていくのではないでしょうか。
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1分でハラール認証を解説

1.ハラール認証とは?

イスラムでは禁止されている食物などが多くあります。例えば豚肉やアルコール等
イスラム法において「合法」とされる「ハラール」でなければならず、ムスリムに提供するには「ハラール認証」を取得することが必須となります。

近年、世界的に知名度の上がってきた「ハラール認証」ですが、どのように取得するのでしょうか。

・希望する輸出先として検討している国にハラール認証機関、団体があります。その団体や機関によって、輸出する側の国で(ここでは日本国内)指定されているハラール認証機関、団体がある場合は、そちらに申請することになります。

原材料、食肉処理、調味料などがハラールであることは勿論ですが、工場、製造設備、また、包装や保管場所など、一番最初の段階から最後まで、禁止されている物である「ハラーム」に触れていないか調査します。

国によって認証の基準など内容が多少違うため、国内の認証団体が、輸出先の国から認定されているかは重要です。

審査に合格するとハラール認証書が発給され、その団体の認証マークを製品に表示することができます。このマークがあれば、輸出先の国のムスリムも安心して入手できるようになるのです。

*以前の記事にて詳しく紹介させていただいています→【徹底解説】3分でわかる!ハラール認証と取得方法

2.国内のマーケットについて

国内でもハラール認証の需要は高まっています。ホテルやレストランでハラール認証を取得している商品が流通していれば、観光客や在留しているムスリムにとって便利であり、また、国内への観光の誘致も期待できるため、マーケットをさらに国内にも広げることも可能ではないでしょうか。

PEW FORUM ON RELIGION & PUBLIC LIFE、日本観光局、イスラミックセンタージャパンによると、在留ムスリム人口は2010年の時点で20万人台近く、ムスリムの観光客は2012年で年間23万人以上と、増えつつあります。ところが、ハラールレストランは全国的にまだ多くはありません。審査などが厳格ではありますが、まだまだ参入する余地の大きい市場になると考えられますよね。

3.ムスリムフレンドリーとは?

様々な食材やサービスを提供するホテルやレストランなどがハラール認定を受けるのは難易度が高くなります。そこで「ムスリムフレンドリー」として、一部をハラールにする方法もあります。

ハラール認証を受けていなくても、簡単な礼拝所などを設置して、メニューに成分を表示するなど、部分的ではありますが可能な範囲でムスリムに対応するという方法です。こちらも、認証団体、機関に相談するほうが確実です。

4.日本や他の国の取り組み

日本国内の企業では、JFLAの子会社、盛田株式会社が「盛田、ハラルかけ醤油」を開発して、8月31日より取り扱っています。また、イオンもマレーシアなどを始め、ASEANに進出しています。日本国内では、主に関東圏になりますが「ハラル食品」を2016年3月より取り扱う計画になっています。

またムスリム国家ではない他国の取り組みをまとめました。

オーストラリア
新たな輸出先の開拓において、イスラム諸国を市場と見込みました。主な輸出品の1つが食肉であるため、と畜方法なども導入し、国も主導していました。
その結果、ハラール認証と肉の品質への信頼もあり、2011年の段階でインドネシア、マレーシア、サウジアラビアにおいて、羊肉の輸入額はオーストラリアが一番多くなりました。

ブラジル
鶏肉40%、牛肉30%がUEAなどのイスラム諸国向けになっています。
2010年に行われた国勢調査によると、ブラジル国内のムスリムの数は3万人以上になると言われており、イスラム諸国向けに力を入れているのもその影響があるかもしれません。

まとめ

国外にも国内にも非常に大きく、魅力を感じる市場ですが、審査も厳格で初期の設備投資などが大掛かりになることも考えられます。
特にマレーシアはハラル製品の原材料を非常に厳しくチェックします。
ですが、マレーシアの認証を受ければ、製品を強くアピールできます。

ハラルのものとハラルじゃないもの、隅々まで分けて日本ですべて完結するのはおそらく不可能です。
ムスリムの国に一部サプライチェーンを移して、その拠点から攻めていくことが理想ではないでしょうか。
イスラム圏にハラル拠点を築くことができれば大きなビジネスチャンスになりますね。
年間数兆ドル規模にも上るハラル市場をみすみす逃してきたあなたも今が参入の時かもしれません。

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