話題のRCEPとは!簡単にメリット紹介

話題のRCEPとは!簡単にメリット紹介

この記事は2023年1月13日に更新されました。

貿易にとって欠かせない関税、国同士の経済連携。その枠組みが2022年1月で大きく変わりました。
RCEPの意味からTPPとの違い、日本への影響まで、簡単に紹介いたします!

RCEPとは?

「Regional Comprehensive Economic Partnership」の頭文字をとったRCEP(アールセップ)は、日本語だと「東アジア地域包括的経済連携」という意味です。
参加国は日本、中国、東アジア連合諸国、韓国などのアジア圏にオーストラリア、ニュージーランドを加えた15カ国です。

RCEPで実現する経済圏はどのようなもの?

従来の関税自由化だけではなく、サービス分野や投資面での障壁撤廃も構想に含まれています。
他にも企業が海外進出する際にその国から技術移転を求める事を禁止する規定をつけたり、ITも国境を超えて経済連携、活動しやすくなるような協定になっています。

RCEPって何がすごいの?

① RCEPが実現することにより世界人口約半分、世界のGDPや貿易総額の約3割を占める経済圏が誕生します。

② 日本にとってもメリットが大きいです。1番の貿易相手である中国、3番手の韓国と初めて経済連携が生まれる事となり、日本にとって輸出のチャンスが広がります。中国はTPPでは除外されていた為、日本と中国の貿易環境には非常に大きな効果を与える事が考えられます。

③ 全てのASEAN諸国が含まれており、中国、インドネシアやマレーシア等経済が発達し人口が多い市場に参入へのチャンスが容易になります。

TPPとRCEPの違い

TPPとRCEPは参加国に中国が含まれているかが最大の違いです。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は元々アメリカや日本を中心に大きな経済圏を形成し中国に対抗するという意味合いがありました。しかし今回のRCEPは中国が参加、そしてアジア中心の経済圏となっており、特色が違っています。

日本とRCEP

日本から輸出する製品は91%の品目で関税が撤廃されました。自動車部品や家電等、日本の有名産業の貿易がやりやすくなります。
輸入は、日本の米や牛肉乳製品など国内経済を守る上で重要5品目は関税が維持されます。

メリット

世界総人口半分の巨大な市場にアクセスしやすくなる
中国や東アジアなどの人口が多い国へ輸出しやすくなるのは日本のような人口が少ない国にとって大きなメリットです。
MADE in Japanの恩恵もあり日本が輸出入を活性化できることが見込めます。

国境を越えた生産が簡単になる
日本から材料輸出し中国で加工し他国に売っているものなど、今までは原材料を輸出に関税がかかっていましたが、RCEPの締結により関税がなくなり、総コストが下がります。RCEPにより生産力も上がるのです。

デメリット

中国からの安い物品が流れ込んでくる可能性
中国でも問題になっている偽ブランド、海外の安い野菜が関税撤廃で輸入されるようになります。主要5項目は対象外ですが、国内産業とのバランスが重要になってきます。

RCEP豆知識

台湾は加入していない
台湾は加入を希望していましたが、台湾を独立国家と認めていない中国が先にRCEPに参加していた為加入することができませんでした。今回はアジア圏がほぼ加入しているので、その中で台湾だけが加入できず関税がかかる為、自国経済に大きなダメージが出るのではと懸念されています。

インドは脱退した
インドは人口13億もの巨大市場をもつ国。RCEP側としてはインドと中国の加盟によって巨大な経済圏を作り貿易チャンスを増やす事に期待していました。
しかしインドはRCEPにより中国から大量に安価な製品が流入し、自国経済がダメージを受ける事を恐れ、最初は加入していたものの途中から脱退しました。インドは元々アメリカと中国から距離を取るのが基本的方策であり、TPPとRCEPに入りアメリカと中国と均等な距離感を保とうとしていましたが、アメリカが抜けてしまった事でRCEPに入る意味がなくなり脱退しました。
RCEP側としてはインドの参加は大きな意味があるので、インドの意向次第でいつでも元に戻り参加できる契約に据え置いています。

まとめ

今回のRCEPで押さえておきたい点は
①世界の人口半分を含めた超巨大自由貿易経済連携の誕生
②1番の貿易相手である中国と初の経済連携
です。
東アジアは近年経済的に重要な国々が多いこともあり、この貿易協定はチャンス!しっかり時代の波に乗っていきましょう

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